第三章 SPEEDI問題総括:虚偽と実態及び真相の分析

 最後に東日本大震災におけるSPEEDI問題について総括する 。

第一章で結論だけ提示した問題点は以下6項目であった。

1.小佐古会見までSPEEDIの予測計算図形を2枚しか出さなかったことに関する不正

1-a.3/23に予測は全て開示するという虚偽に満ちた枝野発言

1-b.3/23のSPEEDI予測計算図形を甲状腺被曝の積算量予測図形1枚しか出していないが、これは政府官邸側の隠蔽が確信犯だった問題。

なぜなら、その一枚を出すためには、予測風速場図形予測濃度図形予測線量図形が必要だが、それを1組でも発表すると、3月11日以降、1時間ごとに配信されていた千枚近くの予測計算図形も、必然的に追求されることが明白だからこそ、それらはなかったことにしてしまったのだ。

2.政府官邸は長いこと「本来の計算ができない」としていたが、政府官邸側が想定している「本来の計算」というのが、法令に定める運用を無視した勝手な定義であること。

3.予測風速場図形予測濃度図形予測線量図形と、官邸等が原子力安全技術センターに指示を出して計算させていた計算図形を、隠蔽していたばかりか、住民の避難計画の策定に使わなかったこと。

4.SPEEDIは、原子力災害にいたった原因となる事故によって、放出源情報が得られない可能性を織り込んだ運用が決まっているのに、細野をはじめ政府官邸側は、「放出現情報がないと計算できない」というSPEEDIの過小評価を強弁していること。

5.SPEEDIを使えなかった理由は、SPEEDIの仕様や法令が原因ではなく、また陰謀論的な隠蔽ではなく、徹底的なほど官邸が無能だったことに原因があること。

5-a.小佐古会見によってSPEEDIの計算図形数千枚を公開する羽目になったとき、細野事務局長は、「パニックを恐れて隠していた」との申し開きをしたが、それですら面子を保つための虚偽で、本当は、不勉強によって、SPEEDIを軽んじていたことが原因の可能性が高い。特に初期の官邸と斑目委員長。

6.3月12日から15日までのあいだ、自動配信図形と、官邸や安全委員会が指示して計算させていた図形を避難計画の策定につかわなかったため、少なくとも数百名の国民が、わざわざ放射線量が高い地位に避難してしまい、余計な被曝を受けている問題。

以下に、これらの問題と批判が、適切である ということを示 すため、l要点を 踏まえながら、全体の流れを検討していこう。 以下の解説が、そのまま問題点を説明したことになるだろう。

解説 :SPEEDI問題

 3月11日東日本大震災発生後、東京電力は法令に準拠し政府に迅速な通報をした。それを受け、菅総理は法令に従い原子力緊急事態宣言の発令、法令の定める対策本部等を設置。

同日10条通報を経て、文部科学省は原子力安全技術センターにSPEEDIの起動を命令した。

原子力安全技術センターは、SPEEDIを緊急時モードで起動し、同日16時には、単位量放出モードによる最初の風速場図形、大気中濃度分布図形、空気吸収線量率図形の予測計算を作成し、即時で関係機関に配信。これはモニタリング指針等に定められている本来の運用である。

3月12日保安院の試算で、未明には福島第一原発のベントが必要との予測があり、遅れた場合の水素爆発も懸念されていた。3月11日23時時点での官邸公式発表の進展予測(総理の現地視察が組まれる前)の公式資料では22:40から炉心損傷開始等が推測されている。

この深刻な予測と平行しながら、菅総理を長とする対策本部(保安院)は、原子力安全技術センターに単位量放出モードとは別個に、SPEEDIによる予測計算をさせていた(5月に発覚)

実際に、保安院、安全委員、文部科学省等は、単位量放出に基づく配信図形とは別に、ベントの影響予測や格納容器破損時の予測緊急時モニタリング計画の策定など、いくつかの用途で、原子力安全技術センターに個別の予測計算図形を作らせていることが判明している。

また、4月13日の衆議院経産委員会では、近藤議員による「原子力安全委員会は、放出源データが電源喪失などで得られなくても、この事故が発生したときから、地形データ、風速データ、雨量データなどから、同心円状ではなく、陸側は原子力発電所から北西方向に卓越した放射線量が拡散することを予測できていたのではないんでしょうか。」という質疑に対し、原子力安全委員長の斑目参考人は「あらかじめSPEEDIを使って予測しておくべきではないかという御指摘に対しましては、そのようなことをしておらなかったということに対しては大変申しわけないと思っております」という答弁をしている。

しかし、それは完全に虚偽答弁であった。実は3月11日からSPEEDIは緊急時モードで起動しており、ベントの影響を想定した予測計算や、水素爆発を仮定した予測計算を含め、数千件の予測計算図形が存在していたのだ。

3月11日〜12日にかけて対策本部が個別に計算させた主なSPEEDIの予測計算内容と、原子力安全技術センターによる自動配信を時系列で整理すると以下の件数になる。

災害対策本部からの主な計算依頼分(本部長菅総理・保安院) 原子力安全技術センター 文部科学省
配信 風速場 外部被曝 甲状腺 総数 目的 単位量放出モード 詳細不明
11日 21:12 1 1 1 3  2号機ベントの影響確認 6件 18枚  6件18枚  1件4種6枚
12日 01:12 1 1 1 3  1号機ベントの影響確認 4件 12枚  10件30枚  
12日 03:38 5     5  風速場確認のため 2件 6枚  12件36枚  
12日 03:53   1 1 2  1号機ベントの影響確認        
12日 06:07 1 1 1 3  1号機格納容器破損の影響確認 3件 9枚  15件45枚  
12日 06:46   1 1 2  1号機格納容器破損の影響確認        
12日 07:27 1 1 1 3  1号機格納容器破損の影響確認        
12日 10:18 4 1 1 6  1号機格納容器破損の影響確認 3件 9枚 18件54枚  
12日 11:54 4     4  風速場確認のため 1件 3枚 19件57枚  
12日 12:09 4 1 1 7  1号機ベントの影響確認 1件 3枚 20件60枚  
12日 13:42 4 1 1 7  1号機ベントの影響確認 1件 3枚 21件63枚  
16時間程度 25 9 9 45  避難計画の策定には使われず 21件 63枚  

 対策本部が指定した放出源情報  毎時間配信されていた  詳細不明

 @設置許可申請書に添付されていた仮想事故、重大事故時の放出量データ
 A設置許可申請書に記載されている安全評価の前提条件とした炉内放射能量
 BERSSに予め用意されていた事故時の放出量の予測データ

 風速場
 大気中濃度
 空気吸収線量率
 風速場
 外部被曝
 甲状腺
 地表蓄積

原子力災害対策本部事務局(保安院)SPEEDI計算図形一覧 3月11日分3月12日分 計算例

 原子力災害対策本部事務局(原子力安全・保安院)におけるSPEEDI計算図形一覧より

最初の二日間だけでも、これほどまでに計算が出来ていたのである。放出量こそ仮定だが、風速場や濃度分布は充分に推定できる内容である。

ところが、放射性物質が大気中に放出された場合は、風下に多く飛散する傾向があるのは自明の理であるにも係らず、合理的な根拠もないまま同心円の半径を決め、避難区域を設定した。

本来であれば、ある程度の同心円と、SPEEDIの予測計算図形から示唆される一部方角は、より長い距離をとった 範囲を避難 すべき地域とする計画の策定が当然のことだった 。

しかも、これは後知恵ではなく、当時、配信されていたSPEEDIの予測計算図形を真面目に注目していれば、現実に可能だったの である。

それでも心配で、同心円 の避難計画をやるなら ば、半径をかなり広く取らねばならないはずだが、斑目委員 長の国会答弁により、同心円の範囲を決めるとき、科学的・合理的根拠もなく20kmという半径を採用したことが発覚したのである。参議院-決算委員会-10号 平成23年06月06日
丸川議員の質疑と斑目院長のやりとりを参照。


その結果、風上にいた住民が、わざわざ放射能が強い地域に避難させられ、余計な被ばくをしてしまう事例が生じてしまった わけである。

この初期対応のまずさに 関連することだが、どうやら3月20日前後までは、官邸側の不見識によるSPEEDIの軽視があったようである。なぜなら、菅、枝野、海江田、斑目が、初めてSPEEDIの計算図形を見たのは、3/20前後だと主張しているからである。関連国会答弁参照

この件については、さすがに政府の公式報告書でも「現在までに得られた事故の教訓」として、「SPEEDIにより放射性物質の拡散傾向等を推測し、避難行動の参考等として本来活用すべきであったが、現に行われていた試算結果は活用されなかった」とする反省が述べられている 。

これは、5月以降に公開されたSPEEDIの予測計算図形や、国会に招致された参考人の証言、各種状況証拠からも妥当であると判断できる。

ここで、3月20日以降の展開も検討しよう。

まず、SPEEDIの予測計算が始めて発表されたのは、3月23日に、甲状腺被曝の積算量一枚きりであったのはご存知のとおりである。

そして、この初公開にあたって、枝野官房長官は次のように発言している。

「様々なデータや分析の結果については、必ず隠すことなく国民に公表するんだ 」
「シミュレーションができた以上は公表するのは当然」 ,3月23日官房長官記者会見

これは酷 すぎないだろうか。自民党政権時代にこんなことがあったら、散々ぱら人殺しだのなんだのワイドショーで叩きまくったはずだ。漢字の読み間違いであれほど叩く連中だったのだ。

3月23日になって、やっと甲状腺被曝の一枚を出した理由も、許し難い不正が背後にある。

なぜなら、風速場と大気中濃度の図形を出さなかったからである。もし、それらを公開していた場合、必然的に1週間の情報隠蔽と同心円による避難計画の失態が確定するという状況だったのだが、これだけの国難にあっては、そうすべきだったことは論を待たない。

それら 基本図形を1枚2枚出した場合は「積算量 」と は違い、刻々と変化する気象情報を元に計算している図形のため、必然的に3月11日の夕方から1時間ごとに配信され続けていることを認めざるを得なくな るのだ。ならば全て開示すべきであろう。

要するに官邸側は、3月23日時点で、すでに1000枚に及ぶ計算図形が配信されていたということまで明るみに出るのを避けたかったから 、基本図形だけを出さず「本来の計算が出来ない」と主張し続けたとしか思えない。計算が出来ていたことすら隠していたのだから。

そのため、 この段階で、恥を受けいれ真摯に「計算できていたのを3月20日くらいまで知りませんでした」と枝野や斑目や海江田が国会で答弁したていれば、幾分の救いはあったのだが…。

しかしながら、彼等はこれほどの緊急事態でも面子を保つことを重視した わけだ。

また、そういった不誠実さを正当化し、現実と自分たちの主張を整合させるためには、SPEEDIの 「本来の用途 」が被ばく線量を推定する図形の算出である、という建前にしておく必要があったのだという事情が伺える。

また、小佐古会見によって未公開のSPEEDI計算図形が数千件あることが発覚した後に、細野事務局長は次のように主張していた。

「 SPEEDIというのは、(放射性物質の)放出源のデータが正確に得られたときに初めて機能するシミュレーションの仕組みだ。大きな事故が起こったときには、モニタリングが安定的にできる状況ではなくなるかもしれないということは容易に想像がつくはずだが、実際問題として、今回の事故のあと動いていたモニタリングポストは、東京電力の4ヶ所と、福島県が持っていたものはほとんどダメになってわずか1ヶ所、その計5ヶ所のみだった。」5/2細野会見より。

以降、IAEA閣僚会議提出用の日本政府報告書でも、SPEEDIの予測計算図形について「パニック回避のため公開しなかったが公開し、活用すべきだった」としながらも、同時に「放出源情報が得られず、本来の計算が出来なった」という弁明をしている。

このように、細野をはじめ政府官邸側は、3月18日頃から6月にいたるも「SPEEDIの本来の計算」という 表現を乱用しているが、その意味するところを正確に読み取ると、 話がおかしい。

なぜなら、政府官邸側による「本来の計算」とやらが、

「 実際の放出源に関する定量的なデータか、複数のモニタリングによる実測値か必要となる甲状腺等価線量 の計算図形、 及び臓器の等価線量、 及び内部被ばく実効線量図形の3種類 を出すための計算 」という限定的な意味になるからである。

だが、リアルタイムの気象情報とこれまでの格納データを必要とする風速場図形や濃度分布図形を「本来の計算」という定義から外すことには疑義があ る。

これは、政府官邸側の誤りを自己弁護する虚偽でしかない。

根拠もある。

たとえば 、首相以下閣僚も参加する原子力総合防災訓練では、放射性物質が大気中に放出される危機を想定した訓練をしている 。

そして、この訓練のときに、SPEEDIを使った放射性物質の拡散傾向を予測し、3方位67.5度方向の扇形を避難区域として設定する訓練などもしているのである。

この訓練は法令に定められており、形式的な行事で済ませてはならず、訓練後には改善すべき事項を報告書にまとめ災害対策マニュアルの改善を続けることが定められている。

この訓練は、平成20年度の麻生政権までは、非常に真面目におこなわれていたが、菅政権では総理以下閣僚が誰一人としてこの訓練をしたことすら忘れており、法令に定められている報告書すら提出していない怠慢が発覚している。参議院予算委04月18日第11号

今回の事故対応において、政府官邸側は一環して放出源情報が得られず、本来の計算ができなかったと主張してきたが、避難計画を策定する訓練では、そもそも放出前か直後に計算しているのだから、SPEEDIに入力する放出源情報は実測値であるはずがなく、災害初期には仮定の数値でシミュレーションし、避難計画の策定に使うことが当然の運用なのである。

つまり、基本知識:緊急事態におけるSPEEDIの流れで説明したように、法令や運用にしたがえば、3月12日から、SPEEDIはいろいろ使えたはずなのである。

ここでIAEA閣僚会議提出用の日本政府報告書の次の箇所に注目しよう。

「放出源情報に基づく予測ができないという制約下では、一定の仮定を設けて、SPEEDIにより放射性物質の拡散傾向等を推測し、避難行動の参考等として本来活用すべきであったが、現に行われていた試算結果は活用されなかった。また、SPEEDIの計算結果については、現在は公開されているものの、当初段階から公表すべきであった。」『IAEA閣僚会議提出用政府報告書』現在までに得られた事故の教訓(21)より

つまり、 これはおかしい のだ。

活用できる試算結果はあった」のにそれは「本来の計算ではない」と する筋書きなの だから。

なぜ、「本来の計算」という概念を、ここまで限定したがるかといえば 「本来の運用」を適切な解釈にすると、これまでも虚偽や弁明のかなりの部分が覆るからである。まさに、先に指摘したように、面子のために現実の方を捻じ曲げて整合させているだけなのだ。

そして「 本来の計算 」は基本知識:SPEEDIに期待される役割と誤解で論じたように、早い段階から出来ていたというのが真相なのである。

政府官邸は、それを認めるべきだ。

なお、SPEEDIが活用できなかった原因には、細野の罪は少ない。官邸スタッフや官僚の罪も少ないと思われる。私は、細野が嫌いだが、実際に彼の役回りは尻拭いだということは認めるべきだと考える。

官邸のスタッフは原子力安全技術センターに、いろいろと予測計算を命じていたのは確かで、前述のように、水素爆発を想定した計算などいろいろやっている。

ところが、避難計画を策定するレベルでは、そういった計算は使われなかったわけだ。

ここからは状況証拠からの推測になるが、まず、初期対応は特に官邸主導が強く、菅総理が現地視察を強行し、怒鳴り散らすような状態だったことに加え、SPEEDIについて訓練を覚えていないほどの無知であることから、仮に官僚が提案したとしても、耳に届かなかったのかもしれない。

なにしろ、東日本大震災にあって、官邸側は、対策本部や現地対策本部の設置など、ある程度までは法令に従って体制を構築していたが、大部分を素人独自の観点で設置し、運営し、指揮系統や権限と役割、法的根拠が不明なまま、実に28もの組織をつくってしまった。

しかも、本来の運用では、現場の知見や認識を重視をする観点から、対応の中心になるはずだった合同対策協議会を、ほぼ機能させず、東電本社に設置した統合対策本部なる法的根拠のない組織を通して、官邸が現場に口を出していたため、現場の吉田所長が切れてしまい、やっと現場が所長判断で機能できるようになったという初動の不備が判明している。

このことは、4月22日に福島第一原発の現場を初めて撮影し、公開した青山繁晴氏が、吉田所長に直接確認しているので確かである。余談だが、このインタビュー映像を、フジTVは、自分たちの手柄のような表現で「独占入手」と報じていたが、青山氏は映像を、希望のあった報道機関に無償で提供している。

このように、法令やマニュアルが軽視されている状況を考慮すれば、小佐古参与が指摘したように、SPEEDIの運用に関しても、法令とマニュアルが無視されているという事態は、むしろ必然だったのかもしれない。

そして、SPEEDIの初期対応を失敗したことが分かった後も、面子を保つために、計算結果を隠したりと、下らない弁明のためにズルズル無為な時間を使ったのである。

なお、菅総理の現地視察のためにしかSPEEDIを使わなかったことに伴う、逃げ遅れ問題は、参議院予算委06月03日参議院復興委06月17日第05号を参照いただきたい。

・結論

 我々は、原子力災の迅速な初動に特化して準備されてきたSPEEDIが、まさに本番を迎えたにも係らず活用できなかった問題は、SPEEDIの機能や本来の運用、及び法整備に瑕疵があるのではなく、菅政権が平時からの危機管理をあまりにも軽視していたがゆえに、SPEEDIを活用する発想がなかったことに起因しており、SPEEDI問題もまた、官邸主導がもたらした人災であるという結論を提示せざるを得ないところである。

つまり、政府官邸側は、国民の大量被ばくを明確に知っていたのに意図的に国民を見殺しにした、といった悪意に基づく隠蔽をしていたのではなく、法令に定められた原子力総合防災訓練を適切におこなわないなど、平時から危機管理を軽んじていたことが前提にある。

そして、防災基本計画等を遵守せずに、素人独自の官邸主導で震災に向き合い続けてしまったこと(真っ先に節電担当大臣とボランティア担当大臣を新たに任命したことを想起せよ)による、重大な弊害の一つが、SPEEDIの問題である、というのが妥当な見方ではないか。

また、責任の所在に関して、法的責任は高木文科大臣に帰着するべきだが、実際的かつ道義的責任は、菅総理を長とする原子力災害対策本部と、原子力安全委員会、とくに斑目委員長に帰するべきだと結論する。

所管官庁である文部科学省は、実際にSPEEDIの計算を、モニタリング計画の策定にあたる内部資料として活用していたようだが、詳細が確認できず、いくつかの問題もあるが、ことSPEEDIに関する諸問題に限定すれば、影響を持ったとしても、消極的な関与でしかあり得ないことが確認できるため、ことさら追跡調査はおこなっていない。

一方で、3月11日から休むことなくSPEEDIの計算を続けていた原子力安全技術センターのほか、現地対策本部、地方自治体の責任は皆無に近いと結論する。

ただし、SPEEDIの配信図形に関する福島県側の取扱いについては、原子力安全委員会が公開を禁止したという主張と、していないという主張があり、事実確認が難しいため、評価そのものを差し控え、資料集に福島県議会の関連議事録を含めるに留めた。