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トンデモ
(Tondemo)



 「トンデモ 」とは、「と学会」の『トンデモ本の世界』で世に知られるようになった概念で、語源としては、日本語の「とんでもない」に由来する「トンデモ本」(Outrageous Books)から、「トンデモ」の概念と用法が成立している。略称としては「と」と表現されることもある。

「トンデモ本 」とは、同学会の元副会長藤倉珊が「著者の知識の欠如や妄想により、著者の意図とは異なる楽しみ方ができるようになってしまった本」と定義した造語である。

こうした、当初の定義で考えれば、海外で出版された日本武道の本で、とてもいかがわしい日本観に基づく記述が多いのに、大真面目に読まれている本や、ぬいぐるみに病的な愛情を持つ著者が、擬人化という範疇を飛び越えてしまい、第三者にとってはシュールすぎて面白くなってしまった本などにも適用され、議論領域を制限する要素は含まれていなかった。

しかしながら『トンデモ本の世界』シリーズをはじめ、と学会の出版物では、疑似科学や超常現象領域の主張を取り上げることが多く、日本語文献では稀少だった海外の懐疑主義団体やデバンキング情報を多く紹介しており、質の低い非合理な否定論も、十分に変ならば同様に扱うといった、図らずも懐疑主義に近いスタンスをみせていた。

さらに、と学会の活動のうち、話題になり易く、また社会的に影響を与えた部分は、矢追スペシャルのUFO特番、ユダヤ陰謀論、ノストラダムスの予言解釈本、素人がやる相対性理論は間違えている、といった疑似科学カテゴリの王道や、『買ってはいけない』『脳内革命』『神々の指紋』『ゲーム脳の恐怖』など、中身がスカスカで疑似科学的な内容にもかかわらず、ベストセラーになってしまった本など、ある程度の傾向があった。

このように、取り扱う話題の範囲や、その誤りを実証的かつ面白く論じる姿勢は、マーチン・ガードナーによって推進された、H・L・メンケンの指針「抱腹絶倒一回は三段論法千回に勝る」を彷彿とさせる成果を挙げ、その方面での支持も集めていたのである。

そのため、「トンデモ」という単語は、自然と、本来の定義とは離れた用法で使われるようになっていき、現状での用法 は、総じて以下のような意味になっている。

「超常現象、精神世界、都市伝説、陰謀論、疑似科学などの非合理な領域において散見される、安直なビリーバーの滑稽な精神性、あるいは、その信奉する対象」

なぜ「トンデモ」という言葉が、こうした独特の含みを持った意味で流通したのか、その背景には、日本語に「疑似科学的な」といったニュアンスの適切な用語がなかったことも無視できない。

日本では「pseudo science」の訳語として「疑似科学(ニセ科学)」という語は流通していたが、それに対して「pseudo scientific」つまり「疑似科学的」という言葉は、欧米ほどは使われておらず、便利かつ一般化された用語がなかったのである。

そのため「トンデモ」という言葉が、しばしば「疑似科学的」という意味で使われるようになり、しかしながら、原義のニュアンスとも混在するかたちで浸透していき、現在のような用法が成立したというのが実情と思われる。

用法としては、「『水からの伝言』はトンデモだよ」とか「夢だのロマンだのいって、しょうもない誤信を正当化するのはトンデモさんの傾向だよね」などになる。

まともな知識がないのに、現代科学批判を展開する一方、疑似科学的主張を「画期的だ」とか「大事なこと」などと称しては無批判に信奉し、批判的で懐疑的な声には耳を貸さず、相変わらず自分好みの主張をし続ける人などは「トンデモさん」の典型例になるだろう。

ただし、特定の主張について「トンデモ」あるいは「と」のレッテルを貼るならば「疑似科学(pseudo science)」という言葉と同じで、「異なった意見」や「蓋然性の低い仮説」ではなく「徹底的に誤っている」「ナンセンス過ぎる」ことが条件になるだろう。

然るべき科学のルールを踏まえて提出された主張で、かつ蓋然性の低さに見合う強さの主張について、安易に「と」のレッテルを貼る者もいるが、それは容認し難いし、似非懐疑主義である。

なお、「と学会」会長の山本弘などが、「トンデモ」や「と学会」に対する明らかな誤解に注意を発信していたため、一般に「と学会」に対する誤解は解消されているようである。

また、と学会に対する誤解は困るようだが、用語としては『トンデモ世紀末の大暴露』p24,唐沢俊一の「と学会こぼれ話」で「擬似科学に関わるデタラメを表現する便利な日本語として定着していけば、「と学会」としてこんなに嬉しいことはない」と主張している。



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