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イタズラ
hoax
 


 hoax、ホークスとは、日本ではあまり馴染みがない言葉であり概念であるが、超常現象、奇現象の領域においては、きわめて重要な概念である。

 おもに「いたずら」と訳されるが、ホークスは、「でっち上げでひっかける」というニュアンスがあり、たとえば、ソーカル事件1は英語でSokal Hoaxと呼ばれている。他にも、アポロ月面着陸していない説はmoon hoaxである。

 ホークスは、practical joke(利得の絡まないペテン)や、たんなる悪ふざけの場合もあるが、風刺であったり、警鐘であったり、気の利いた詐欺であったり、趣味だったり、 商業的な捏造であったり、何らかの目的を伴う場合も多い。

 超常現象や疑似科学をはじめ、懐疑論者の関心領域にあるホークスは次のようなものがある。

 ミステリーサークル(crop circles) 
 
 鼻行類(Rhinogradentia)2 

 100匹目のサル(The Hundredth Monkey) 

 死に際にダーウィンが回心した話(The Lady Hope Story) 

 ピルトダウン人(Piltdown Man) 

 ネッシー、外科医の写真(The "Surgeon's Photo" of the Loch Ness Monster) 

 コーラ・ポップコーンのサブリミナル広告(Subliminal advertising) 

 ウサギを産んだメアリー(Mary Toft, rabbit mother) 

 カルロス様(Carlos hoax)3 

 悪魔の棲む家(実話という触れ込み)(The Amityville Horror) 

 ビッグフット、パターソンフィルム(Patterson-Gimlin film of Bigfoot) 

 タサダイ族(Tasaday tribe) 

 ホークスとは、こういったでっち上げ系のネタである。ただし、海外ではユリ・ゲラーの超能力や、チャネラーのJZナイトなど、たんなる超常系ペテン師の演目もhoaxと呼ばれることがあるため、いたずらやでっち上げという言葉で括るのは難しい。

 ホークスの仕掛け人としては有名な人物

 ジム・モラン(Jim Moran)  ジョーカーとしても有名な人物

 ヒュー・トロイ(Hugh Troy)  伝説的なジョーカーの一人

 ジェイムズ・ランディ (James Randi) カルロス様やプロジェクトアルファなどがある。

 アルフレッド・シム(Alfred Sim) PJS会長

 H.L.メンケン(H. L. Mencken) 風刺家 「抱腹絶倒一回は三段論法千回に勝る」

 P.T.バーナム P. T. Barnum インチキ興行の第一人者 「カモは毎分産まれる」の名言
 


 ※1 ソーカル事件
 「1994年、ニューヨーク大学物理学教授(素粒子理論)だったアラン・ソーカルは、当時最も人気のあった人文学系の評論雑誌の一つ『ソーシャル・テキスト』誌に、『境界を侵犯すること:量子重力の変換解釈学に向けて』(Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity)と題した論文を投稿した。この論文は、ポストモダンの哲学者や社会学者達の言葉を引用してその内容を賞賛しつつ、それらと数学や理論物理学を関係付けたものを装っていたが、実際は意図的に出鱈目を並べただけの意味の無いものであった。ソーカルの投稿の意図は、この論文がポストモダン派の研究者らによる査読によって出鱈目であることを見抜かれるかどうかを試すことにあった。論文は1995年に受諾され、1996年にソーシャル・テキスト誌にそのまま、しかもポストモダン哲学批判への反論という形で掲載された。これは査読と呼ぶのに十分な作業が行われていないことを証左したものと考えられ、同誌の編集者は、後にこの件によりイグノーベル賞を受賞している。
 「論文」に用いた数学らしき記号の羅列は、数学者でなくとも自然科学の高等教育を受けた者ならいいかげんである事がすぐに見抜けるお粗末なものだったが、それらは著名な思想家たちが著作として発表しているものをそっくりそのまま引用したものだった。またこの「論文」放射性物質のラドンと数学者のヨハン・ラドンを意図的に混用するなど、ちょっと調べればすぐ嘘がばれるようなものすら含んでいた。
 その後、1997年、ソーカルは数理物理学者ジャン・ブリクモンとともに『「知」の欺瞞』(Impostures Intellectuelles、「知的詐欺」) を著し、ポストモダニストを中心に、哲学者、社会学者、フェミニズム信奉者(新しい用法でのフェミニスト)らの自然科学用語のいいかげんな使い方に対する具体的な批判を展開した。 」 Wikipedia > ソーカル事件 より
 
※2 鼻行類
  「『鼻行類』はハラルト・シュテュンプケ名義で書かれた、架空の生き物「鼻行類」を解説している書籍である。1961年発行。フィクションではあるが、生物学における学術書によくある特定の分類群に関する総説の形式を巧みに表現してあり、個々の動物の記述は客観的かつ冷静である。

特に、一つの群島におけるほ乳類の一分類群の適応放散をシミュレートする、という試みにおいても興味深いものである。鼻で歩くというのがいかにも奇妙であるが、考えてみればゾウの鼻でもずいぶんと奇妙であるし、生物界にはびっくりするような適応の例はいくらでもある。しかしそれが鼻であることが一種のおかしみを醸し出している。さらにダンボハナアルキでは耳を羽ばたいて飛ぶというディズニーアニメのダンボを生物学的に実現したものである。それ以外にも寄生性のほ乳類など実在しないものを無理矢理作りだしたものもある。なお、顔を花に擬態させて虫を捕るというハナモドキなどは、ほぼ同様の案が『アフターマン』でも使われており、いわばアイデアの収斂が見られる。イカモドキは繊毛粘液摂食を陸上のしかもほ乳類にさせる思考実験ともとれる。

その学術論文のパロディーとしての完成度はかなり高い。鼻行類についての記述のみでなく、ハイアイアイ群島の現地人の文化や、鼻行類研究の歴史などもそれらしく描かれている。また、巻末の参考文献一覧なども一見の価値がある。その系統樹を完全なものとしては描かず、多くの疑問や異説を含む形で提出するあたりにも学術論文的なリアリティがある。また、地鼻類の項では単にこの架空の分類群のみならず、扁形動物門三岐腸類の系統にまで話を広げるあたりは、いかにも意欲的な研究者の書きそうな話でもある。線画による細密画も生物学論文的なもので、時に違ったタッチのものが混じるのは、総論的な学術論文ではよくある、他の研究者の論文からの引用によって異なったタッチの図が入り交じるのを模したものである。

古い詩(これは実在する)の引用から始まり、核実験による島の消滅という終焉を末尾に置くというドラマチックな構成は、単なるパロディー論文というよりは、論文という体裁をとった一つのおとぎ話としても成立している。サイエンスフィクションならぬ、バイオロジーフィクション作品と呼べるだろう。」
Wikipedia > 鼻行類 より

※3 カルロス様
 1988年、オーストラリア。ジェイムズ・ランディのプローデュースによって、チャネラーの真似をしたホセ・アルバレスが、派手なパフォーマンス(脇の下にボールをテープで留めて押しつぶし、腕の脈拍を止めてみたり、記者会見では、ちょっと疑ったことをいう記者にたいして水をぶっかけ退席するなど)によって大量の信者を生み出し、オーストラリアのテレビの人気者となった。
 カルロスとはアルバレスがチャネリングしている2000歳の精霊。ランディ等は、カルロス様の人気が絶頂のところで、真実を告白。アメリカに電話一本かければ確認できる底の浅いウソだったことを強調し、メディアがいかにだまされ易いか警鐘を鳴らした。


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