懐疑論者の祈り

5/2参院予算委

第177回国会 予算委員会 第14号 平成二十三年五月二日(月曜日) 午前八時三十分開会

       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     寺坂 信昭君
   参考人
       東京電力株式会
       社取締役社長   清水 正孝君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
○平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1
 号)(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十三年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社取締役社長清水正孝君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(前田武志君) 平成二十三年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、締めくくり質疑を五十三分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党二十分、公明党十一分、みんなの党七分、日本共産党五分、たちあがれ日本・新党改革五分、社会民主党・護憲連合五分とすること、質疑の順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。
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○委員長(前田武志君) 平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑を行います。林芳正君。
○林芳正君 おはようございます。自民党の林芳正でございます。
 同僚の御推挽によりまして締めくくり総括に立たせていただくことができましたことを御礼を申し上げながら、まずは犠牲になられた皆様に御冥福をお祈りをするとともに、被災に遭われた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、総理、これは通告いたしておりませんが、五月一日の東京新聞、共同通信だと思いますけれども、世論調査が出ておりました。支持率はいつもの傾向でだんだん下がっておりますが、私、これで支持率が低いということよりももっと気になったのは、政府の対応についてそれなりに評価をするという声がある一方で、総理御自身のリーダーシップについて非常に厳しい数字が出ておるということでございますが、このリーダーシップという言葉、どういうものだというふうに、これは通告してないんで御自由で結構でございますが、考えておられますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私なりに二つのパターンがあるかと思います。
 一つは、大変個性を持って、あるいは個人というものの一つの発信力を持って全体を引っ張っていくというそういうリーダーシップ、もう一つは、やはりチームのリーダーとしてそのチーム全体が力を発揮できるようにしていく、必ずしもその場合はチームリーダーがそれほど目立ったりしなくても結果としてチーム全体がしっかりと機能する、この二つのパターンがあろうかと思っております。
 私自身のことはなかなか自分では何とも言えませんが、野党時代はチームリーダーという立場ではありませんでしたので、個人的にもいろいろなことをやってまいりました。しかし、今の私の立場は、私は内閣総理大臣という立場で内閣全体、それは政治家ばかりではなくて官僚の皆さんも含め内閣全体としてしっかりこの大震災といったまさに国難に対応できるように、そういう意味では、今御指摘された世論調査で内閣に対してのそういう見方がポジティブだということは、大変私にとってはうれしいことであります。
○林芳正君 二つのリーダーシップの形がある。一つはぐいぐいと引っ張っていく、個人のキャラクターでですね、一つはチームリーダーとしてやっていくと。今、総理という職であるからチームリーダーとしての仕事をしたいと、そのことはよしといたしたいと思いますが、それが先ほどの世論調査の結果で政府全体の評価になっているというところは若干留保があると思うんです。
 私は、まあそういうタイプはいろいろあると思いますけれども、リーダーシップの発揮の仕方というのは、特にこういうお仕事であれば、発言とそれから実行、行動、つまり有言実行ということであろうというふうに思います。これは、発言してから実行する、実行する前に発言する、実行してから発言する、いろいろあると思うんですが、まあ総理も御存じのように、綸言汗のごとしと、一度言った言葉は戻らない。そして、みんなを鼓舞するような言葉というのがよく出てまいります。
 また、一般の方の言葉にもいろいろはっとさせられるような言葉もございますが、これは報道されているものだけですので、これだけが総理の言葉全体ではないと思うんですが、この間聞いておりますと、例えば東日本が潰れるかもしれない、それから当分人は住めないだろう、十年、二十年と。これはいずれも総理が本当におっしゃったかどうかは定かではありませんけれども、そういう報道が出る。また、これは総理が御自身でおっしゃった、お盆までにはという言葉。もう一つ気になりましたのは、これは緊急災害対策本部での御挨拶ですが、原発事故につきまして、危機的状況を脱する光明が見えてきたと。これは足に被曝をされる方が出る直前のことでありました。
 お手元に資料をお配りしてありますが、英語の資料で恐縮ですが、ジュリアーニ市長の演説、これは翻訳、正式なものがないものですから誠に恐縮でありましたが、この上から九行目、ツー・ゾーズ・フー・セイ・ザット・アワ・シティー・ウイル・ネバー・ビー・ザ・セイム、アイ・セイ・ユー・アー・ライト、イット・ウイル・ビー・ベターというところがあるんです。
 私、このところが非常に好きでございまして、ああいうことが九・一一であった直後にジュリアーニ市長が演説をされて、私にもうニューヨークは元に戻らないだろうと言う人がいる、私もそう思う、それはもっといい町にするからだと、こういう演説であります。
 いかにこれで当時のニューヨークの市民が奮い立ったかと今でも語り継がれているわけですが、これと、今の冒頭御紹介しました総理のいろんな御発言を聞きますと、どうも元気が出るというよりは駄目な方、駄目な方に行くような気がするんですが、総理、こういう一連の御発言について御自身でどういうふうに今お考えになっておられますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず結果として、何か私が今御指摘をされたような言葉を発したように結果として伝わってしまったことについて、それは私にも参与といった方を任命したという立場もありますので、大変申し訳なく思っております。
 ただ、多少の経緯を申しますと、私は、震災発災以来、例えば個人的な発言はブログなどを含めて一旦、約一か月余りは一切停止をいたしました。それは、もちろん記者会見等ではきちっと話をしますけれども、いろいろな情報が交錯している中で余り具体的なことに触れることは、それぞれの立場にある人にやってもらった方がいいだろうという、そういうことでもあったわけであります。今幾つかの発言を引かれましたけれども、少なくとも私は、例えばこの福島の原子力発電所の近くに住んでおられる皆さんともお会いをして、何とか一日も早く元のところに帰れるようにという努力をいたしている真っ最中でありましたので、そういった発言を私がするはずはないわけでありまして、そのことははっきりと申し上げておきたいと思います。
 また、今ジュリアーニ市長の言葉、私も拝見して大変すばらしい言葉だと、このように思いました。先ほど申し上げましたように、ジュリアーニ市長は、私の二つのパターンでいえば、市長という立場でこのニューヨークの九・一一の問題に陣頭指揮で当たられたと、このように思っております。一日に三度記者会見をしたといったようなインタビュー記事もあります。
 日本の場合は、内閣は官房長官が一日二度記者会見をしておりますので、そういった意味では、いろいろなやり方はあろうかと思いますが、私は私なりに、先ほど申し上げたように、内閣としてきちんと言うべきこと、伝えるべきことは伝えてきたと、このように考えております。
○林芳正君 ブログを止めるというのは、まあブログで不用意な発言をしそうだからというんならそうでありましょうが、逆に言えば、こういうときこそきちっと文章にして、総理の発言を世の中に知らしめるという意味ではむしろどんどんやっていただいてもいいと思うんです。
 私が申し上げたかったのは、その総理の発言かどうか分からないというようなのがどんどん出ていく。後ほどこれは私のことではないと言うのであれば、これは、最悪の事態となったときは東日本が潰れる、これは笹森さんだというふうに聞いておりますし、それから、当分人は住めないだろう、これは松本参与、お二人とも私存じ上げておりますから、それほどうそをつく人だとは思わないんですね。とすれば、何か意図があってそういうことをおっしゃったのか、うっかりおっしゃってしまったのか。
 いずれにしても、本当に自分の発言でないと総理がおっしゃるのであれば、例えばその松本参与につきましては与党の中からも更迭すべきだという意見が出ておりますけれども、人伝えに伝わったこのことについて、参与を更迭するとか、何らかの責任の所在を明らかにしない限りこの話はいつまでも続くと思いますけれども、いかがでございますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 松本参与は、御本人が記者団に対して、自分が言ったことで私が言ったことではないということを直後に釈明をされております。そういったことを含めて、私としては、それぞれの参与の皆さんにはいろんな場面でのアドバイスをいただいておりますので、そういった形でいいのではないかと思っております。
○林芳正君 やはり言葉に対するこだわりというのが余り感じられないんですね。こういうときは、もう総理の一言一言が、例えば十個言ってもその中の二つだけが切り抜かれて独り歩きをする、これはもう震災前でもそうだったと思うんですが、そのことに対するもう少しこだわりを持っていただきたいと思うんです。
 光明が見えてきたというのは、これは総理自身の本部でのお言葉ですが、これ、原発事故について、三月の二十一日、すなわち作業員の方が足に被曝をするというのが見付かる直前でございますから、私は聞いたときに、ああ、そろそろ収束に向かうのかなと、こういうふうに思ったんですが、その後事態はますます深刻化したということですが、この光明が見えてきたというのはどういう根拠でおっしゃったんでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) このときの発言、少し前があります。その前も含めて読ませていただきますと、関係者の命懸けの努力が少しずつ状況を前進させている、まだ危機的状況を脱したというところまでは行かないが、脱する光明が見えてきたと、これは三月の二十一日に申し上げたところであります。
 この間、三月の十一日以来この十日間というのは、水素爆発がありいろいろなことがありまして、本当に状況が極めて厳しい、あるいは新たなことが起きた特に激しい時期でありました。この時期に外部電源が受電をされたということで、電源回復というのは一つの大きなステップでありましたので、危機的状況は脱したというところまでは行っていないけれども、電源回復がちょうどこの日にあった状況も含めて脱する光明が見えてきたという私の思いを申し上げたわけです。
○林芳正君 電源が回復したということであれば、こういうときは事実をはっきりと客観的におっしゃった方がいいと思うんです。光明が見えてきたというと、もう昨日がピークで今日からは収束に向かうというふうに聞く人は思うんですね。総理のように原子力の御専門家であればそういうことは分かった上でおっしゃっているのかもしれませんが、普通の方は総理がおっしゃれば、ああなるほど、これで解決するのか、収束していくんだなと。しかし、実際はあの後その被曝が見付かって、被曝が見付かったってどういうことかというと、あの水が非常に高レベルで汚染されていたこと分かったんですね。その前はそれすら分かっていなかった。このことも全部御判断の上でこのお言葉だったんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、私はその前の、前というのはこの同じ発言の中で、危機的状況を脱したというところまでは行かないという、そういう認識をきちっと申し上げております。
 そういう中でいろんな事象があります。いろんな事象がありますけれども、外部電源が回復したということ、それはもちろん、個々のことは個々のことで官房長官なりあるいは東電なりが発表しておりますので、私はそういうことも踏まえて、危機的状況を脱したというところまでは行っていないけれども、脱する光明が見えてきたと申し上げたところであります。
○林芳正君 ですから、私もこれ持っているんです、原文を。脱したというところまでは行きませんけれども、脱する光明が見えてきたと。ですから、今から良くなると。すなわち、電源さえ回復すればこの後は何とか回復していくだろうという認識のようにしか見えないんですね。しかし、その汚染水が見付かって、その後物すごく大変なことが実はあったんだということが分かってくる。
 ですから、正確に、電源の回復も一号機、二号機を中心にかなり進んでまいりましたとおっしゃっていますけれども、光明という言葉だけが独り歩きするんですよ。ですから、そこは非常に慎重に言葉を選んでいただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。
 同じことは、このお盆までですが、昨日の質疑でかなり踏み込まれて、国交大臣からも、しっかりやっていく、工程表を作るんだということがありましたが、なぜ最初の四月二十六日、小野寺さん、衆議院の予算委員会での発言だったと思いますが、そのときに昨日のようなやり取りが出なかったのかなというのが不思議でございます。
 当然、このことは国交大臣、厚労大臣のお仕事ですから、十分な詳細な打合せをされて、大体お盆ごろにはできるだろうということを担当の大臣から確認を取った上で総理というのは発言すべきだと思いますけれども、四月二十六日の小野寺さんの答弁のときに、そこまで総理は詰めてお盆までということをおっしゃいましたか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 五月いっぱいに三万戸という数字、あるいは個々の目標等については私も掌握しておりました。
 ただ、お盆までということが一〇〇%それぞれの部署で確定的になっていたわけではありません。しかし、私なりに判断をして、私がそういう方針でやってほしいということを言うことによって、お盆までには何とか希望される方に入っていただけると、責任を持ってやれるという見通しを持って申し上げたところであります。
○林芳正君 冒頭でチームのリーダーという言葉があって、少しいいなと思ったんですが、ここで総理が何の打合せも閣僚とされずに、発言したら後でやってくれるというのは、チームリーダーとしては失格だと思いますね。
 その二十六日の後、二十七日の実務者会議、これは我が党の人間も出ておりますが、国交省は九月末時点でも着工・完成戸数は必要数の六割程度とする計画について説明、首相答弁との食い違いを指摘されると、国交省側は、首相の思いを大切に努力すると。まあ総理の言ったとおりになっているのかもしれませんが、こんな大事な、いつごろまでに、これ全員入っていただくとおっしゃっているんですね、総理。一言も厚労大臣や国交大臣と事前に調整をせずにおっしゃったということでよろしいんですね、じゃ今の答弁。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、一つの見通しは私のところにきちんと伝わってきておりましたので、その見通しを含めて、もっと私の方から、自治体を含め、あるいは厚労、国交を含めてしっかりと、場合によっては更に人を増やすなりいろんな手当てを含めてやってもらえば達成できるという私なりの判断の下にこう申し上げました。
○林芳正君 どういう、私なりの判断というのは、厚労大臣、国交大臣とのお話の上でそういう判断をされたんでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 発言をしたのは四月の終わりでありますが、五月いっぱいで三万戸、で、七万二千戸という一つの数字、もちろん私も現場や知事と話をしていますから、用地の確保などなかなか大変なことは分かっておりますが、国有地の提供も財務省からも提起され、また場合によっては資材も外国からの購入まで含めて検討するという国交大臣の意向も聞いておりましたので、そういうものを組み合わせれば五月いっぱいで三万戸で、あと六月、七月更にあるわけでありますから、そういう意味で、七万二千というそういう希望されるものは私が強く指示すればやることができる、実現できると、そういう私なりの見通しの下でそう申し上げました。
○林芳正君 ちょっとびっくりして言葉も出ないんですが。総理の言葉、しかも正式な委員会ですから、どなたか参与に言ったとか言ったかもしれないとかいうんじゃないんですね。
 これ、私も仙台視察させていただきましたが、とにかく早く仮設住宅入れてくれと、もう強い思いがあります。ですから、その言葉というのは物すごく、ああ、お盆までなのかと、まだ大分あるなという印象もあったと思いますが、お盆というのはまあ八月十五日だろうなと思って皆さん聞かれていると思うんですが、その総理の言葉の根拠が今のようなことだったとすると本当にびっくりいたします。
 普通は、これ、資料の四で「経済教室」お配りしておりますが、後で明暦の大火のことをやろうと思っていたんですがちょっと時間がありませんが、この山内先生のお言葉、いろいろいい言葉たくさんあるんですが、一番下の段の十二行目ぐらいですか、最後の段落の前のところ、「真の政治主導とは、責任は大臣に、賞賛は現場に、であろう。」というふうに書いております。
 総理と閣僚の関係で当てはめて言うと、やはり責任は総理に、称賛は閣僚にということになると思うんですが、どうも今のお話聞いていると、総理が称賛を得るためにああいうことを先走っている、で、一生懸命閣僚はそのためにつじつま合わせをすると。総理がリーダーシップを取るためにこういうことを引っ張っていくというのがあるとしても、もしそんな無理なことをやって、後で、ぎりぎりいろんなことをやってできない、又はひずみが出るということになっては逆なんですね。
 ですから、総理はどんなに苦しくてもつらくても、一生懸命やっています、努力をしますということ以外に言えないときは、むしろ余り軽々しくおっしゃらない方がいいと、こういうふうに思うんですね。できなくて駄目じゃないかというのを謝りながら、しかし国交大臣や厚労大臣はよくやったからここまでできたんだというふうに後でする、これが本当のチームリーダーとしてのリーダーシップだと思われますが、どう思われますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 林さんのおっしゃることは私なりに、そういう在り方も大変重要だと思っております。
 この仮設住宅、先ほど林議員もおっしゃいましたけれども、本当に現場に行きますと、ああいうプライバシーも十分に確保されない避難所で一日も早くということを強くおっしゃって、もちろん与野党を超えて何とか急ごうということの指摘もあって、そういう中で私も、関係方面の状況を把握した中で私なりの見通しも含めて申し上げたことでありまして、その発表の仕方といいましょうか、その言い方がそういう場がふさわしくないという御指摘は分からないわけではありませんけれども、そこは許容範囲ではないかと思っております。
○林芳正君 総理ももう一年にならんとしておられますから、自分がどういうことを言ったら例えばあしたの見出しはどうなるかとかいうことを考えながらやっていただきたいんですね。あの後どういう見出しだったか。「首相「仮設住宅、お盆までに完了」 国交省は「九月でも六割」」と、こういうふうな見出しになるんです。
 ですから、国交大臣や厚労大臣とよく詰められて、お盆までというのは言えるのかなということを徹底的にやった上で、その場で言っていただきたい。お盆までにやれということをその場で指示した上で、渋々でも閣僚の皆さんがそれなら努力しましょうということになってから、この場で世間に対して、我々に対して言っていただく、これが総理の発言のあるべき姿だと思っておりますが、今の御答弁聞いていると、どうもまだそこが御理解いただけていないようであります。
 発言とそれから有言実行の行動の方ですが、先ほどの山内教授の「経済教室」、これ、いろんないいことが書いてありますけれども、この三段目、見出しのすぐ左のところに明暦の大火のときの保科会津藩主のことが書いてあります。江戸城が焼けて将軍を上野寛永寺に移そうとする本丸焼失後の議を退けて、すぐに西の丸に移り、そこを焼かれても本丸跡に陣屋を建てて江戸城を動くべきでないと決めたと。
 要するに、本陣、司令塔はどっかりと江戸城の中に残って、そしてそこからしっかりと指示を出すんだということをはっきりと出したということであります。明暦の大火は一六五七年、十万人以上の死者を出したと言われていますが、そういうときでも慌てずにどっかと構えたというのが保科正之でした。
 総理は東電に乗り込まれたりとか福島に行かれたりとか、あの間司令塔が空いているんですよ、官邸の地下にあるじゃないですか。なぜすぐに現場に乗り込んでいかれたり、福島に視察されるときは経産大臣にまず行っていただくとか、そういうことはお考えにならなかったですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) この山内教授の「経済教室」、私も読ませていただきまして、いろいろな面で大変いい勉強になります。
 先ほど私、二つのパターンのリーダーシップということを申し上げましたが、こういうどっかり座って、後は、この場合だと将軍はどっかり座って、当時、保科、これは老中でしょうか、そういう立場の人に中心になってやっていただく、こういうやり方もありますし、先ほど同じ林議員から御指摘があったジュリアーニ市長のように自ら陣頭指揮を執ってやられるタイプもありますし、またいろいろな組合せ方も当然あろうかと思っております。
 特に今回の大震災は、地震、津波の被害が極めて大きかったことに加えて原子力事故というものが起きまして、そういう中において、先ほど例えば私が東電に出かけたことを何か問題のように言われましたけれども、原子力災害対策本部そのものは発災の当日に官邸に設けられて、私が本部長をし、そこに東電関係者あるいは安全・保安院あるいは原子力安全委員会の主要メンバーもお集まりをいただいてやっておりました。しかし、ある段階で経産大臣の方から、どうも東電がいろいろな状況で撤退を考えているようだということが私に伝えられたものですから、社長をお招きをしてどうなんだと言ったら、いやいや、そういうつもりはないけれどもという話でありました。
 私は、福島の第一、第二だけで十個の原発があり、使用済燃料のプールが合わせて十一存在する中で、ここは何としても踏ん張ってもらわなければならない、こう考えまして統合対策本部というものを立ち上げ、そして現地のことが一番伝わっているのは東電の本社というか本店、そこには全部オンラインでつながっていますので、そういうところにその統合対策本部を設けて一回目の会合に私自身も出かけたということでありまして、私はそのことが、その後のもう撤退というようなことが一切あり得ないというその覚悟にもつながったのではないかと。
 いろいろと御批判があるかもしれませんが、私はこのことはやるべきであったし、やって良かったと今でも思っております。
○林芳正君 東電との関係はまた別途ほかの委員会でやりたいと思いますが、私が申し上げたいのは、今いろいろな一連のこと、なぜ御自身が信頼をして任命された海江田経産大臣にやっていただかなかったのかということでありますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろな選択はあったと思います。その中で、私自身、実際の地震、津波の現状を、これは上空からですが、視察することと、そして原子力、東電福島の第一サイトに行って直接現場の関係者と話をしたかったということで私自身が出かけました。そのとき、経産大臣も同行しようかというお話がありましたが、二人一緒というのではなくて、ここは私が行かせていただくということで了解をいただきました。
 私は、その初日といいましょうか、十二日の早朝に出かけたことで、現地の責任者さらには現地の所長、直接話をできたことはその後のいろいろなコミュニケーションを取る上で大変有効であったと思っておりまして、そういった形でやったことについて、これもいろいろと御批判もありますけれども、私はその後の展開を考えると大変有効な視察であったと、こう考えております。
○林芳正君 原発の視察もそうですが、東電に乗り込まれたところも、なぜ最初に海江田大臣に行っていただかなかったのか、行く必要すらなかったと思いますが、そこはいかがですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど少し説明しましたけれども、十五日ですか、私が東電に出かけたのは、政府と東電の統合対策本部というものをつくることで清水社長とも了解というか合意をいただきまして、その第一回目の会議を開く場所をどこに置くかということがまずあったわけですが、もちろん官邸には原子力災害本部はありますけれども、情報は確かにサイトがあっていろんなところは国の関係機関からは入りますけれども、例えば福島の現場からの情報はまずは東電本部に入ってきて、そしてそこから官邸に来るものですから、必ずしも、時期的な問題も含めて多少の時間が掛かったり、あるいはなかなか報告が遅れたりいたしておりました。
 そういう意味で、私がその統合対策本部の本部長になり、そして副本部長として海江田大臣と社長になっていただくと。その第一回目のその会に私自身が出たということでありまして、誰かを連れていかないとか連れていくんではなくて、私自身が一回目の会議に出席させていただいたと、こういうことであります。
○林芳正君 今総理、最後、連れていくとおっしゃったんですが、もうそこが根本的に違うと思うんですね。
 自分が胆力を持って、行きたいのもあるでしょうけど、我慢して本丸にとどまる、そして部下をやらせる。大将が本丸にいるということが、東電だけじゃないですね、津波の対策、いろんなことを同時にやっているわけですから、その間、総理がいらっしゃらないとほかのところが止まるんですよ。だから、大臣がおられる、防災担当大臣もおられる。総理は、苦しいかもしれませんけれども、本丸にどっかと構えて任せる、そして責任は取る。これがないと、全ての情報が総理にまず来て、それから経産大臣に行ったり松本防災担当大臣に行ってたら、逆じゃないですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来申し上げていますように、リーダーシップの発揮の仕方あるいはそういう立場にある者の行動の仕方は、確かにいろいろなパターンがあると思います。
 しかし、私にとっては、この原子力災害は、もちろん震災そのものの災害も極めて大きかったわけですけれども、ある意味予測ができないというか非常に難しいという意味では、原子力災害が起きたとき、私も先ほども申し上げましたように全部の関係者を集めましたけれども、ほとんどの方が従来の言わば予測を超えてということで対案が、どういうふうにすればいいかという案そのものが提示をされない場面が続いたわけでありますから、そういう意味では、私自身もやはり現場をしっかり把握して、専門家の皆さんの意見も聞くけれども、現場を把握していきたいと。
 大臣にももちろんほとんどの場面で同席をいただいて共に行動していったわけでありまして、私が出ないで大臣だけに任せればいいという判断もそれはあるかもしれませんが、私にとっては、この原子力の重大性の中で私自身もしっかりと把握しなければならないほど緊急性が高いと、こう考えてそういう行動を取ったわけでありまして、私は私として間違っていたとは全く思っておりません。
○林芳正君 海江田大臣の目や耳が自分の目や耳であるかのように、総理はそういう信頼できる閣僚を任命すべきだと思うんですよ。自分が行かなければ、大臣はもしあれだったら同行してもらいたいとか、それ逆だと思うんですよね。まあ、そこはもう考え方の違いですから、菅さんがまず自分でやらなきゃ全部ならないというんだったら、閣僚を増やす必要ないと思いますよ、少なくとも。
 そして、先ほどちょっと触れましたが、自分で胆力を持つ、そして部下を信頼して使いこなす、責任を取る、これがリーダーシップだと思いますけれども、ここに山内さんも書かれておられますように、自衛隊ヘリの原発放水、北澤防衛相と総理との協議で結論に達したと語る一方、この重い決断を折木統合幕僚長が判断し自ら決心したと、こういうふうになっております。
 総理は最高指揮官ではないんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、自衛隊の最高指揮官として防衛大臣としっかり相談をいたしました。そして、私と防衛大臣が、ここはいろいろ難しい面はあるけれども、ヘリコプターからの水の投下はやらなければならない、やってもらおうということになりまして、その私と防衛大臣の十分の相談の上に、防衛大臣の方から統合幕僚長に技術的な観点からの補佐を受けて実施したものでありまして、責任が私にあることは当然であります。
○林芳正君 総理が自ら決断し、決心し、命令をしたということを、なぜあのときにおっしゃらなかったんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、防衛大臣の説明は私と相談した上でこうしたという説明でありましたから、当然そのことが含まれていると。当然のことじゃないでしょうか。
○林芳正君 もっと言葉にこだわってほしいと思うんです。北澤防衛大臣は、総理との協議で結論に達したというふうにおっしゃっておられます。で、折木幕僚長が自ら決心した。なぜ自ら決心したと言ったのか非常に疑問が残ります。
 小佐古参与がお辞めになりました。任命されたのは総理ですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) この分野で大変知見の高い方だということをある方から紹介をされて、私が任命をいたしました。
○林芳正君 ある方とはどなたでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 我が党の国会議員で、この分野で比較的経験のある議員でありまして、その学生時代の先生であったと言われる、担当教授であったとお聞きをいたしております。
○林芳正君 お辞めになる会見のときに同席された空本議員ということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) そのとおりです。
○林芳正君 差し支えなければ最初から言っていただきたかったんですが。
 お辞めになるときに空本議員と相談されましたか。
○内閣総理大臣(菅直人君) この問題で直接に今担当していろいろ対応してもらっているのは先ほどの統合対策本部の事務局長を担っている細野総理大臣補佐官でありまして、細野補佐官との間でいろいろと話をしていただきました。
○林芳正君 空本議員の御推薦で参与に任命したのは総理です。お辞めになるという話があったときに、普通だったら空本議員を通じて、どうしてお辞めになるのか、慰留をされるのか、普通だったらすると思いますけど、なされましたか。
○内閣総理大臣(菅直人君) この問題、いろいろな原子力安全委員会等との議論の中に参与も参加をして一緒に議論をされていて、そういう、まあ言わば専門的な議論の中でのいろいろな意見の差であったと聞いておりましたので、私はその議論そのものに同席をしたり、あるいは詳しくかかわっていたわけではありませんので、事情が最も分かっている細野当時の事務局長にその経緯についても話をしてくれと、まずはそのことを依頼をしたわけであります。
○林芳正君 任命されるときにお会いになっていろいろお話をされたんでしょうか、小佐古さんと。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私自身、小佐古先生とは特にそれ以前には面識はありませんで、今も申し上げましたように、大変この分野で高い知見をお持ちの方だと、関係者に聞いてもそれはどなたもそうだとおっしゃいましたので、そういう推薦のされた方の見方を私なりに尊重して任命をいたしました。
○林芳正君 補正予算でなぜ国債を発行したかを聞こうと思っていたんですが、ちょっとこの話、これだけひどいとは思わなかったので、午後の財金委員会で財務大臣に質問をしたいと思いますが。
 今聞いておりますと、原子力の専門家である総理を補佐する更に高レベルの参与を任命するときに、本人と全くお話をせずに、こういう人だからということだけを聞いて任命している。その方からいろいろ聞いたことで実はラインが止まっているという話もよく聞きますけれども、そんな大事な任命をその程度のことでやって、そしてその人がお辞めになるといったら、もうそれは細野さんの仕事だと。これではリーダーシップを果たせないと思いますが、いかがですか。(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) お静かに願います。お静かに願います。質疑は林委員と総理との間でなされております。(発言する者あり)委員長の指示に従ってください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、この原子力事故が起きたときに、もちろん経産省の下にある安全・保安院、そして同時に原子力安全委員会といった、言わば法律で定められた機関があります。しかし同時に、この原子力という分野について、もちろんいろいろなところに専門家がおられるわけでありまして、そういう点では、そういう皆さんの意見も聞くことが私は有意義だと思っておりました。
 また、原子力の分野の中でも、炉の専門家とか、あるいは放射線被害の専門家とか、いろいろな分野の方がおられまして、今回の問題では、どちらかといえば炉の問題というよりも放射能汚染による影響の問題でありました。そういう点で、その課題に取り組んでいた細野補佐官が、それを個人的にも手伝ってくれていた空本議員から推薦を受けて、こういう人がいるということで、そういう判断も含めて最終的には私の責任で任命をいたしたわけであります。
 ですから、辞めると言われたときにも、まずはそういう経緯を一番分かっている補佐官に話を聞いてもらいたいと。私のところには、その話の後に予定を決めてお会いをするかどうかを決めようと思っておりましたが、結果的には直接辞表をお持ちになって置いていかれたというのが経緯であります。
○林芳正君 いろいろ乗り込んでいかれたりヘリコプターで視察をされたりする時間がもしあれば、五分でもいいから本人に直接会って、見識を確かめて、それから任命をすべきだと私は思います。
 荻生徂徠がこういうことを言っております。遠大の知恵あらば、煩細なる働きなくともしかるべしと。リーダーは大きな、そして遠くを見る知恵があれば、煩細なる働きなくとも物事は成っていくと。これを拳々服膺していただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○委員長(前田武志君) 以上で林芳正君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(前田武志君) 次に、長沢広明君の質疑を行います。長沢広明君。
○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。
 今日は締めくくり総括質疑ということで、これまでの質疑の中で少し、ちょっと議論が余り漁業について少なかったような気がいたしますので、今日はこの漁業の再開ということについてこの補正予算では何ができるかということについて伺いたいというふうに思います。
 東日本大震災の被災地、私も漁港の調査をさせていただきました。決して全部見たわけでもありません、ごく一部でございます。その中でも、漁協組合の関係者の方々の御意見も伺ってまいりました。
 改めてこの震災で、この東北地方の漁業というものが世界の中でも大変大きな位置を占め、そして日本の経済の中でも大きな柱になってきた、と同時に、海洋国家、海に囲まれた日本の日本らしさということを漁業が守ってきてくださっていたということを改めて強く実感をしたわけでございます。
 現地へ行っていろいろ再開を願う関係者の方々の御意見を伺いますと、いろいろ考えているけれどもやはりまだ暗中模索、もう被害がとにかく大き過ぎるということでスタートラインに立てていないというふうな気がいたしました。
 私は、今後の漁業の早期再開ということに向けて何がこれから必要なのかということを私なりにちょっと整理をしましたけれども、三つどうしても早急に手を付けなければいけないと、角度としてですね。一つは、当面の生活の道、つまり雇用、当面の雇用が必要です。浜に、海に出られないという人に今何をしていただくかという雇用の確保。もう一つは、船を出したいんですが、船を出す航路が開かれていないところが多いんですね。ですから、例えば、私が伺った岩手県の田老漁協へ行きましたけれども、九百六十隻あった船のうち今残っているのは僅か四十八隻でございますが、しかし少なくとも残ったものだけでも出して漁業をしたいと、こう思っているが、その港から出る道が開かれていない、つまり航路の確保でございます。それから三つ目は、海に出たとしても流通の道が開かれていない。つまり、市場が開いていないということの問題があるわけですね。この雇用の確保、航路の確保、流通の確保、この道筋を早く示さないと、漁業を続けていこうという意欲そのものが減退してしまいます。
 そこで、この補正予算でこれに対して何ができるかということなんですね。一つは、雇用の確保という点について、当面の生活を支えるということ、できるだけ浜の近くに住んで浜の近くで働きたいと、こういう思いにどうこたえられるかという面で、補正予算ではどう対応しているか示してもらいたいと思います。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生から御指摘いただいた、非常に重要なポイントにつきまして御指摘をいただいたわけでありまして、この雇用につきましては、やはり漁業者の方々ができるだけ地元を離れずにというようなお気持ちも相当強いものがあると、先生おっしゃるとおりでございまして、そういうところから、今おっしゃっていただいた航路を確保する、そういう意味でも瓦れきの回収のいわゆる処理等について直接かかわっていただくと、このような考え方に立ちまして、補正予算におきましては漁場復旧対策支援事業、百二十三億円を計上しておるところでございます。そういう中で漁業者の人たちに直接かかわっていただくことによって生活の糧にしていただく、このような考え方に立っておるところでございます。
○長沢広明君 漁場復旧対策支援事業で百二十三億円、これは瓦れきを処理したり、港の中ですね、の瓦れきを処理したりする仕事を県が主体となってやりますけれども、漁業者の方にやっていただいて、労賃を、要するに簡単に言うと労賃を払うと、こういうことでございますが、この方針を決めるのがやっぱり遅かったというのと、この補正予算自体が遅いということがあって、既に終わっちゃったところもある。ある程度やってしまっているところもありますし、逆に言うと、もう早く処理したいんだけど、この事業で仕事となって労賃がもらえるようになるまでに手を付けないで待っているという面もあるんですよ、両面ある。
 そういう意味じゃ、もっと早く決めてもっと早くこの補正予算を出すべきだったということが現場とのそういう不具合というものをちょっと生んでいるということを、これ自覚しておいてもらいたいというふうに思います。
 この漁業者の当面の雇用という面で、じゃ、この事業でどれだけの雇用が実際確保できるかというちょっと見通しをお願いします。
○国務大臣(鹿野道彦君) この漁場復旧対策の支援事業におきましては、約一万六千人の漁業者の人たちが参加していただくということを見込んでいるところでございます。
○長沢広明君 一万六千人の方に出ていただくということですが、瓦れきの処理の仕事ということが一体どこまで続くかということもありますし、早く終わってしまうところももしかしたらあるかもしれませんし、実際それだけの手数がないというところもあるかもしれませんので、これもしっかり一日も早く執行するということがまず大前提でございますので、早く進めてもらいたいというふうに思いますし、県や市町村をそういう意味ではしっかり後押しするということをやっていただきたいというふうに思います。ただ、これもあくまでもつなぎでございますので、将来を見通すということにはまだ至らないということになります。
 二つ目が航路の確保でありまして、漁港はもう堤防が破壊されて、漁具や車、船が沈んだままというところもある。上から見て見える、きれいで見えるところもありますけれどもなかなか見えにくいところもあるし、広いところは見ただけでは分からないということがありまして、実はこの航路を開くためには港の中をきちんと調査をするということが前提として必要なんですね。津波で砂がいっぱい入ってきて、泥が山のように盛ってしゅんせつをしなきゃいけないところも出るんですよ。ですから、調査をきちんとしないと下手に船を出せないという問題がある。
 私たち公明党は、もう当初からこの航路の再開ということをまず真っ先に進めなさいと、それをやらなきゃ駄目だということをずっと言ってきました。この間ちょっと行ってきたところでは、実際の全くの手付かず、五十日以上もう放置されたままという状態でございます。
 今回の被災地で幾つの漁港があって、港内の海底状況の調査が行われた漁港は何か所あるのか、どこまで進んでいるのか、航路の啓開が既に終わったという港はどこまでありますか、示してください。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回、北海道から千葉県まで七百三十漁港がございますけれども、そのうちで三百十九の漁港におきまして被害が確認されておるわけであります。その中で、まずこの調査というものにつきましては、百五十二の漁港で実施をしておるということでございます。
○長沢広明君 開かれた、既に航路の啓開が終わったところは何港ありますか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 七十四の漁港におきまして着工済みでございまして、うち十四の漁港、このうち岩手県が三漁港、宮城県は七漁港、こういうことで十漁港において完了していると、こういうようなことの報告を受けているところでございます。
○長沢広明君 被災された港、例えば東北三県でいくともう二百六十を超えています。そのうち既に啓開作業が終わったと、要するに航路を開いたという港は僅か十港なんですね。やっぱりまだまだ進んでいないというのが現実なんですよ。だから、もう要するに船が出せない、これを早く進めなきゃいけないんですが、この調査と航路啓開というもう真っ先に港を開くためにはやらなきゃいけないこと、これいつまでに終わらせるか、計画ありますか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からの御指摘のとおりに、一刻も早く航路を確保すると、こういうふうなことでありまして、その前にはやはり調査が遅れているところを調査するということでございまして、国がもう市町村に代わりましてこの航路等の被害状況を把握するというようなことで、この調査のために今回の補正予算に計上いたしておりまして、漁港の瓦れき撤去の早急な実施も含めて支援をしてまいりたいと思っております。
○長沢広明君 この補正予算では水産関係施設等被害状況調査事業として三億四千八百万入っていますけれども、今大臣おっしゃったとおり、この港というのは、どうしても国とか県とか市町村とか管理主体によってもう仕分が付いちゃって手出さないみたいなことがあるんですよ。
 ですから、そこをちゃんと、この漁港の航路確保は国がやるとこの予算でそう組んだのであれば、もう本当にそこに力を入れて、まず真っ先に国がどんどん手を入れていくと。これはもう事業を専門業者に委託をして、できるだけ広く同時に進められるような形で、もうこれサルベージやったり結構作業が大変ですよ。非常に大変です。拾い上げた船とか車とか、そういうものは個人負担だという問題がある。そういういろいろな問題が中に積み重なりますから早く手を付けることが大事というふうに、これをまず申し上げておきたいというふうに思います。
 それから三つ目ですけれども、流通の確保でございます。これ非常に大事でございまして、この漁港の魚市場の再開に早急にめどを立てなければいけないという問題がございます。
 船を着ける岸壁の整備は当然として、水揚げ場、それから荷さばき場、それから結構あちこちでもう製氷施設、冷凍冷蔵施設はすぐ近くにありますからもう完全に壊れています。氷がないと、作れないと魚揚げられない。仕方ないからといって新潟の方から氷を買うかとか、そうするともう今までよりコストが倍になってしまうと、氷の値段がとかということをいろいろ考えて苦労しているんですよ。
 だから、その市場を開くということを考えると、加工施設も含めて、流通の入口としての市場の機能をどう再開するかということが三つ目に非常に大事なんですね。
 この漁港における市場機能の回復に向けた取組としては、この補正予算、どういうことを考えていますか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生が言われた、とにかく市場あるいは加工場あるいは冷蔵庫等々、一刻も早くこれを応急措置として機能させるというふうなこと、このことによって動き出すわけでございまして、非常な重要な視点を今おっしゃっていただいたわけでありますけれども、このためには、やはり少なくとも地域の水産業の早期再開というふうなことのためには、流通の拠点である中核的な漁港において、いわゆる冷凍冷蔵庫あるいは共同利用施設の復旧を集中的に実施する必要があると。
 このようなことから、今回の補正予算におきましても、漁港の災害復旧費として三百八億、漁港の漁協などが所有するところの市場、加工施設あるいは冷凍冷蔵施設等の災害復旧を行うということで七十六億、また、市場などの共同利用施設の早期復旧に必要不可欠な機器などの整備への支援として十八億、このような金額を計上しているところでございます。
 これを受けて、一刻も早く、応急措置として部分的にでも施設の使用が可能になるような対策を進めてまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○長沢広明君 今、農林水産共同施設復旧支援事業で七十六億ですね。これ、七十六億は水産業に限らない、漁港に限ったものじゃないです。ほかの農業施設や林業施設も全部含めて七十六億。で、この水産業に絞った別の事業としては僅か十八億なんですよ。この僅か十八億で漁港の施設がどこまで復旧できるか、これはかなり心もとないですね。
 例えば、このじゃ十八億にしても、どういうふうに執行するか、どこからやるかって決めていらっしゃいますか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の被災状況を受けまして、やはりどこの漁港においてそういう一部でも応急措置をとることによって操業再開ができるかというようなことを踏まえて、いわゆる流通の拠点である中核的な漁港というふうなものに対して集中的に行うということも含めて考えておるところでございます。
○長沢広明君 まだ要するに、僅か十八億円でこの東北地域の、東北だけじゃない、北海道から千葉まで含めて、市場機能を全て回復するのはまあまず無理ですよ。とてもじゃないがこの補正予算では足りない。
 今おっしゃった十八億円、それから七十六億円という予算は共同施設が中心なんです。市場は共同施設だけじゃない、例えば加工施設はこれ民間の業者ですよ。だから共同施設じゃないんです。ですから、加工施設まで行かないと売りに出せないという問題がある。
 そういうところも考えると、中小企業である加工施設も含めて、流通の入口になる市場全体を面的に、一体的にきちんと整備するということを考えたら、今の十八億とか七十六億じゃとてもじゃないけど足りないです、この補正予算。全然足りないですよ。そこまでをやっぱり見通した、漁業を再開するための魚市場をきちんと機能を回復するということに対してもっと戦略的に取り組まなきゃ駄目。戦略性が全くないと思う、私は。
 戦略的に、例えば岩手県、宮城県それから福島県、中心の市場をどこに置くかということを考えると、中心の市場をここに置くと例えば決めると、そうしたらそこに、岸壁も含めてもう地盤沈下していますから、そこをかさ上げしなきゃいけないという作業もありますし、これは農水省、国土交通省共同でやっぱり力を発揮しないといけないと思うんです。それで製氷施設とかを復活させると。加工施設は、さっき言ったように、民間の事業者ですから、そういう人たちが立ち上がってもらうためには、例えば金融庁の支援なんかも必要になる。
 幾つか決めて集中的に、まずここの市場、ここの市場、要するに、東北地方の漁業を再開させるためにこの拠点を整備するという戦略をきちっと描いて、農水省、国交省、金融庁含めてきちんとそこに政策を集中させる。予算と税制と金融面、そういう措置をきちんと集中させて、一刻も早く市場機能を東北地方がががががっと動き出せるように。そういう戦略がないんですよ、全然。
 私は、そういう戦略を組んで、漁業の再開ということを本気で考えたら、そういう戦略性を持って、必要であればそのための特別措置の立法も必要だ。そういう特別立法と二次補正予算と併せて早急にそういうものをきちんと出して、漁業の再開の道はこういうふうにやりますよという、そういう決意がないと私は駄目だというふうに思うんですが、これからどういうふうにしようと思いますか。
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の補正につきましては、まずとにかく応急措置というふうなことを踏まえて計上したところでございまして、今先生がおっしゃられた、戦略的にこの被災に遭った世界に冠たる漁業地域というものをどう復興させていくか、復旧復興させていくかというふうなことは、今おっしゃられたことも踏まえながら、関係省庁とも連携を取り、地元の方々の声というものをよくお聞きし、県、市町村とも連携を取って取り組んでまいりたいと思っております。
○長沢広明君 本気で戦略を持って取り組まないと、今この一次補正予算は本当にできるところだけという感じですよ。復旧の道がここで開かれると思ったらとんでもないと思う。もう私は急いで二次補正で復旧の道をやらなきゃいけない、一次補正じゃとてもじゃないが足りないです、二次補正をやらなきゃいけないというふうに思いますが、財務大臣、今私の議論を聞いてもらいまして、私は二次補正はもっと急ぐべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(野田佳彦君) 先ほど来の長沢委員と農水大臣とのやり取りの中で出てきている事業全てを含んで、今回の水産関係補正予算は平成二十三年度当初予算の規模のあの二千二億円を上回る二千百五十三億円を計上しています。これではまだまだ不十分という御批判はよく分かりますが、まずはこの漁業の早期再開に向けて適切にこの予算を執行していくことが大事だと思います。
 加えて、壊滅的な被害を受けた被災地において本格的に漁業が再開するためには、第二次補正予算以降でしっかり対応しなければなりません。今、どの時期に補正予算を、次のやつを出せるかどうかは確定的なお話はすることはできませんが、なるべく早く提出できるように努力をさせていただきたいというふうに思います。
○長沢広明君 時間がなくなりましたので、予算も戦略もとてもじゃないけれども間に合っていないということだけ申し上げさせていただきます。
 終わります。
○委員長(前田武志君) 以上で長沢広明君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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○委員長(前田武志君) 次に、桜内文城君の質疑を行います。桜内文城君。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 まず、この度の東日本大震災で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。
 さて、今日は締めくくり総括ということですので、主に補正予算案そのものと、そして原発対策の二点についてお尋ねいたします。
 この一次補正は、まさに被災地に対するメッセージだと考えます。阪神大震災のときには、五十日目には復興基本法を含め十一本の法案が、特別法が通っております。現在、五本しか通っておりません。まず、タイミングの問題として、この一次補正がここまで遅れた理由と反省を総理と財務大臣からお聞きしたいと思います。予備費を執行したという言い訳ではなく、遅れた原因そのものを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(野田佳彦君) 阪神・淡路大震災後の最初の補正予算は、三十八日後に提出、その四日後に成立だったというふうに記憶をしています。
 阪神・淡路大震災と比べて今回の規模は約四倍になっていますけれども、それだけ被害の大きさが大きかったこと、広範な地域において被災地が広がっていたこと、加えて、その被災状況を把握するためにどうしても自治体からいろいろお聞きすることが必要なんですが、自治体機能が著しく低下して、あるいは壊滅的な打撃を受けたところもあったこと等々によって阪神・淡路大震災よりは遅れました。ただ、これは政府全力で早期提出を目指して、四十八日後に提出をさせていただきました。
 これを早く成立させていただいた暁には、着実に早期に執行していきたいというふうに思います。
○桜内文城君 次に、補正予算の規模についてお尋ねいたします。
 今回の震災の被害総額が二十兆円とも三十兆円とも言われております。今回の四兆円で十分な緊急対応が可能なのか。新たな国債発行を行わないという財源論からこの金額が決まったようにも見えます。
 昨日の本委員会で与党の理事からも、一回限りの措置として国債整理基金特会への定率繰入れをやめるですとか、あるいは我が党からも重ね重ね、労働保険特会の剰余金を取り崩す、こういった国債を発行せずに早急に財源として充てられるものを提示しておりますが、これらを一切無視されております。
 これらの規模の問題について、総理、財務大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(野田佳彦君) 今回の御提起させていただいています第一次補正予算、歳出規模は約四兆円でございます。これは各省から被災状況を踏まえた対策を出していただいて、それに基づく財政需要を積み上げて出したものでありますし、加えて各党からもいろいろ御提起をいただきました。その御提起をいただいたものも精査をさせていただきながらまとめたのが四兆円で、財源ありきで、財源をこれぐらい確保できるから四兆円にしたということではございません。むしろ、瓦れきの撤去であるとか中小企業への支援であるとか、あるいは仮設住宅の建設とか、やらなければいけないことが当面何なのか、この年度を通してどういう事業が行われるかという、そちらの方から発想をしていますので、財源ありきではございません。
 財源についていろいろ御党からも御提起をいただいておりますけれども、これからも様々な御提起をいただきながら、第二次の復興に向けての予算の際には皆さんの様々な御意見を踏まえながら対応していきたいというふうに思います。
○桜内文城君 二次補正のタイミングについてどうお考えになっているのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
 一昨日の復興構想会議では、緊急性の高い施策は六月下旬の一次提言を待たず、五月中旬にも菅総理に緊急提言するという方針が述べられております。六月二十二日が会期末の今国会で二次補正を提出する準備がおありなのか否か。
 特に今回の補正で私問題だと感じておりますのは、二重債務の問題であります。これについては、日々の資金繰りに関係してまいりますので、例えば被災した方に対する金融機関からの債権につきまして、これを政府で買い取る基金を設置する、いろんなやり方があると思いますが、今回の一次補正にはそういった二重債務の問題への対応がほとんどなされていないのが現状です。
 これは、事、本当急を要するものだと思うんですけれども、二次補正のタイミングと併せてお答えください。
○国務大臣(野田佳彦君) 二次補正予算の提出については、委員御指摘のお話にあった復興構想会議でもいろいろ御議論をいただいていますが、そこで出てくる青写真を踏まえて、復興の基本方針を踏まえて、そして必要な対策は何なのか、そして財源はどうするかというプロセスを経ながらまとめていきたいというふうに思います。なるべく早く提出をしたいというふうに思いますが、時期的に今確たることを申し上げられる段階ではございません。
 二重債務の問題は、政策金融等々で、直接的ではないんですけれども、今回の補正でも対応していますが、本格的な対応については、昨日、総理の御答弁もございました。また、金融庁としてもお考えがあるだろうと思いますので、しっかり協議をさせていただきたいというふうに思います。
○桜内文城君 今回の一次補正で私は最大の問題だと感じておりますのが原子力災害対策費の規模であります。一体幾らありますでしょうか、財務大臣。
○国務大臣(野田佳彦君) 御通告をいただいていなかったので、数字まではちょっと押さえておりません。
○桜内文城君 この予算の説明にあるんですが、四十九億円であります。中身にしましても、例えば原子力安全規制情報広報事業費ですとか、原発の放射性物質の抑え込み、これらに係る直接的な費用が計上されておりません。
 今、我が国において最も喫緊でかつ最大の問題は何ですか。私は原発だと思います。原発の対策なくして復興の議論がまだできる状態にないんです。それがこの一次補正の政府の被災地に対するメッセージだと私は受け取らざるを得ません。
 菅総理は東工大を卒業されているとのことですけども、えてして受験エリートというのは解きやすい問題から手を付ける、そういうふうに言われております。しかし、リーダーというのは、解きやすい問題からではなく、むしろ重要な問題から優先順位を付けて解いていく、そういう態度が必要だと思っております。
 先ほどリーダーシップに関する質疑がありました。私は、これからリーダーの決断というものについてお尋ねしていきたいと思います。
 まず、今日は東電の清水社長に来ていただいておりますので、お尋ねいたします。
 繰り返し想定外ということをおっしゃっております。それは本当でしょうか。今朝の日経の一面にも、一昨年、二〇〇九年六月に経済産業省で開いた総合資源エネルギー調査会で、貞観地震で想定とは比べ物にならない巨大な津波が来ていることが繰り返し指摘されております。「ガリア戦記」では、人は自分の見たいものしか見えないと、そのように記されております。
 東電社長として、見るべき現実を見ず、自分の都合の良い想定だけを考えて、その結果、今回のようなレベル7の原子力災害が生じたんではないでしょうか。その責任についてお尋ねいたします。
○参考人(清水正孝君) 清水でございます。
 今回の原子力災害、大変巨大な地震と、それから史上まれに見る津波の来襲によりまして電源と原子炉の冷却装置が喪失したということで、結果として大変重大な事故を引き起こしてしまったということでございます。
 この辺のこれまでの経過等につきましてはこれから事故調査委員会等の場でしっかりと検証させていただきたいと思いますが、少なくとも津波については私どもの予想をはるかに超えておったと、予想できなかったということは率直に反省いたしております。
○桜内文城君 避難所で東電の幹部の方が土下座している姿が報道されました。しかし、仕事も生活も捨てて今避難所にいらっしゃる皆様は、日々の収入もない生活が続いております。そのようなときに、東電の幹部あるいは社員にはボーナスが出るとも報道されております。私は、その感覚が狂っているとしか思えません。
 私事ではありますが、私の妻は結婚前から、そして今も共働きで東京電力に勤めております。落選期間中は生活費の全てを妻の収入に頼らざるを得ませんでした。しかし、末端社員ではありますけれども、妻には、ボーナスはおろか、ただ働きしろと私は言っております。ボーナスというのは利益処分です。これをあなた方幹部も含め出そうという方針を、経営的な意思決定をされるその理由について、そしてまた責任を明らかにする答弁をお願いいたします。
○参考人(清水正孝君) この度の事故によりまして、私どもは、これから最大限の経営スリム化を進める、このことが大変重要だと思っております。また、私どもの基本的使命である電力供給、これに必要不可欠な資産以外は、これ聖域なきスリム化、合理化を図るということで取り組んでまいりたいと思います。
 御案内のとおり、そのスリム化、合理化の一環として、役員報酬の引下げあるいは従業員の賃金の引下げということで取り組ませていただきました。今後も更なる合理化に全力尽くしてまいりたいと思っております。
○桜内文城君 すっからかんになるまで、菅総理のことではありませんが、やっていただきたいと思います。
 総理にお伺いしたいと思います。
 原子力災害対策特別措置法あるいは防災基本計画等の指針、マニュアルはこれまで遵守されてきたんでしょうか。小佐古参与の指摘にもありますけれども、これらが守られていないというふうな指摘もあります。私が見ただけでも、例えば対策本部や会議が、数え方にもよるんでしょうが、二十八もつくられてきた。その中でも中央防災会議は、いろいろ指摘もあったんでしょうが、四月二十七日にようやく一年ぶりぐらいに開催されております。しかし、その中央防災会議で議論になったのは地震と津波のみです。自分の見たいものしか見えない、そういうリーダーの判断に陥っているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 委員にお答えを申し上げます。
 今般の原子力事故発生以来、政府としては、原子力災害対策特別措置法や防災基本計画に基づく手順に沿って防災活動を行ってきたところでございます。
 三月十一日、原子力災害対策特別措置法第十五条事象に該当する旨の通報を受けましたものですから、原子力緊急事態宣言を発出し、原子力災害対策本部及び現地対策本部を設置し、現地対策本部長として池田副大臣を任命しました。また、原子力発電所の状況を分析し、原子力災害対策特別措置法に基づく避難や屋内退避の指示等を行いました。さらに、現地対策本部における合同対策協議会の開催、モニタリング等の緊急事態対応対策の実施など、多くが中央防災会議において定められた防災基本計画等に沿って行われていると承知をしております。
○桜内文城君 防災基本計画には専門家の派遣体制や指定公共機関、日本原子力研究開発機構などの派遣が記載されていますけれども、私が聞いたところでは、原子力科学研究所は千四百人の職員のうち十日間にわたり一千人以上が自宅待機を命ぜられております。全くこういったマニュアルが遵守されていない。
 そして最後に、これだけは最後お聞きしておきたいと思いますのが、統合対策本部って一体何だということです。
 先般、枝野官房長官からこの予算委員会で説明がありました。
 東京電力が事故の収束に向けた道筋を公表したことは重要な一歩です。政府としても、定期的にフォローアップを行うとともに、必要な安全性確認を行ってまいります。
 何ですか。政府は全く責任を放棄しているじゃないですか。これだけの世界的な国際的な大事故を起こしておきながら、東電一つに責任をおっかぶせる。僕はそれは絶対に許せない。一体この統合本部は何なんですか。統合本部があるんであれば、統合本部で工程表を発表すべきではなかったんですか。最後にこれだけお聞きいたします。
○国務大臣(海江田万里君) 私も統合本部の副本部長を務めておりますので、お答えを申し上げます。
 統合本部を設けました意義については先ほど菅総理からお話のあったとおりでございます。実際に統合本部の会議に参加をしておりまして、従前と比べまして本当に一次情報が入るということは、これは大きな、今回の原子炉を安定させるに向けて一つの大きな成果ではあったんではないだろうかと思います。
 それから、もう一つお話のございました東京電力が作成しましたいわゆる収束に向けた道筋でございますけれども、これにつきましてはもちろんこの事業主体であります東京電力が作成をしたわけでございますが、その過程で私どもも相談にあずかりました。そしてアドバイスもいたしました。そして、特にこれからはその道筋がしっかりと実行されているのかどうかということをチェックしなければいけないわけですから、これは私どもが責任を持ってこの道筋が確実に実行されているということをチェックをしてまいりたいと思っております。
○桜内文城君 これで終わりますが、決断をしないことが責任放棄だと思います。総理は自分が途中で辞することを責任放棄とおっしゃいますが、それはむしろ責任を明らかにすることだと私は申し上げて、質疑を終わります。
○委員長(前田武志君) 以上で桜内文城君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(前田武志君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 大門でございます。
 三月の三十日に経済産業省は各電力会社に原発の安全点検の指示をされました。どういう中身でしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) お答えを申し上げます。
 三月三十日に発しました緊急安全対策としては、まず一つ、原子炉や使用済燃料プール用の電源を供給する電源車の確保でございます。二つ、冷却水を供給する消防車の配備でございます。三つ、淡水タンクや海水ピット等からの供給経路を確保する消火ホースの配備でございます。これらの設備などの配備につきましては、やはりこの間の、今回の東京電力福島の事故の教訓から、まず第一義的に今緊急にやらなければいけないということをこれは整備をしたものでございます。同時に、これらの整備面の対応だけでなしに、これらの整備を利用した緊急対応の実施手順を整備し、これに基づいた訓練を行うなどを求めたところでございます。
○大門実紀史君 資料もお配りいたしましたけれども、これは要するに原子炉の冷却装置が壊れた後の緊急対策が中心でございます。つまり、冷却装置、周辺設備そのものが津波で破壊されないようにするための抜本対策は中長期的課題になっておりまして、建屋、防潮堤などの完成は早くても二、三年先になるだろうというふうに思われます。もっと急ぐべきだと申し上げておきたいと思います。
 更に重大なことは、地震対策が全く欠落していることでございます。なぜ地震対策がないんでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 三月三十日につきましては今申し上げたような内容でございますが、その後、四月の七日の宮城県沖地震が、これは余震というんですか、発生をいたしました。それを受けまして、四月十五日にまた追加的な措置を指示をしております。この中には、送電鉄塔の耐震性強化を含む外部電源の信頼性確保対策を指示しておりまして、これは主に地震対策でございます。
○大門実紀史君 それも緊急の話でございまして、今やられているのは、調査、情報収集、そしてその後再評価して、実際の耐震補強はもっとうんと先の話になるんではないかというふうに思っております。
 今大臣おっしゃいましたとおり、四月七日にもありましたが、福島第一原発そのものが、まず最初にやられたのは地震でやられたわけですね。送電鉄塔が倒壊したわけでございますし、四月七日の今お話があったやつも、宮城県沖の余震で青森県の東通原発と六ケ所村と宮城県の女川原発、ここで外部電源が遮断されました。うち、女川原発なんですけれども、なぜ冷却装置が自動停止したんでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) これは外部電源が切れたというふうに承知をしております。
○大門実紀史君 いや、原因聞いているんです。
○委員長(前田武志君) 海江田大臣、その原因についての御説明を。
○国務大臣(海江田万里君) 地震が原因だと承知をしております。
○大門実紀史君 だから、地震が起きたもうちょっと詳しい理由なんですけれども、要するに縦揺れが起きたわけですね。それによって誤作動といいますか、水面が下がったときに自動停止したということで、縦揺れということでございます。
 この福島原発でも女川原発でも、原発事故を防ぐ最初の一歩というのは、地震に施設があるいは装置が耐えられるかどうかということでございます。この間、事故の最大の教訓の一つでもあるわけですけれども、そもそも現在ある原発はこういう地震対策がちゃんと取られているんでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) もちろん取っておりますが、ただ、それが不十分であったことがあるわけでございますから、それに対してまず緊急対応の措置を講じております。これから中長期的にやはり更に地震に対する備えというものをしっかりしなければいけないと考えております。
○大門実紀史君 資料の二枚目でございますけれども、現在、全国の原発の全てが十メートル級の津波を想定しておりません。それだけではなくて、上段の数字なんですけれども、それぞれの原発が想定している地震の縦揺れの数値を示しました。ガルというのは何かというと、地震の揺れの勢いです、揺れの勢いのことでございます、これが重要なんですけれども。従来、保安院は横揺れの数字ばかり公表しておりまして、これは特に縦揺れを出してくれということで、なかなか出さなかったんですが、出してもらって作成いたしました。
 つまり、阪神・淡路大震災のときは直下型の縦揺れが来たわけでございます。ちなみに、阪神・淡路のときは何ガルの縦揺れが来たか教えてくれますか。
○委員長(前田武志君) どなたが答えますか。防災大臣ですか、国土交通大臣ですか。
○大門実紀史君 通告はもうしてあるんですが、八百四十八ガルでございます。
 要するに、今の全国の原発、言いたいことは、十メートル級の津波も阪神・淡路レベルの地震も想定していないわけですね。今や、もう十メートル級の津波にしても阪神・淡路レベルの縦揺れにしても想定外とは言えないときでございます、まさにですね。
 こういうことが今、総理、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今の全国の原発の現状です。もう想定外とは言えないレベルでこんな状況ですが、総理、いかが思われますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 今改めて全ての原発について安全性の点検ということでありますが、確かに一時的な対応が進んではいるけれども、根本的な対応はまだまだ進んでは、時間が掛かる等を含めて、おりません。
 また、今お話のありました、地震そのものによって、どこまで安全性が確保できるのか、この面についてももう一度しっかりと検証する必要があると。もちろん今回の原子力事故の検証は、そう遅くない時期に調査委員会を設けたいと思いますけれども、その結論が出るのを待つというのではなくて、同時並行的に、もう一度現在日本の、非常に地震が多発してきている時期にも来ているのかなと感じますので、地震と原発の関係を改めてしっかりと検討する必要があると、そう感じております。
○大門実紀史君 また、この間、もう阪神・淡路レベル以下の地震でも事故が発生しているわけです。例えば、先ほどありました四月七日の余震で女川原発が一時的にストップしたんですけれども、これは基盤上の測定なんですけれども、想定していたのが四百五十一に対して四百七十六ガルの縦揺れが既に来ております。
 つまり、阪神・淡路を想定するのは当然なんですけれども、まず今の想定値そのものが、もうそれを超える余震が、地震が来ているということでございますので、現在の想定値そのものを抜本的に早く見直すことが必要だと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(海江田万里君) おっしゃるとおりだろうと思います。
○大門実紀史君 じゃ、早急に見直されるということでよろしいですか。
○国務大臣(海江田万里君) これにつきましては早急に見直しをしたいと思っております。
○大門実紀史君 こういう状況で、ちょっと時間の関係で、東電の社長さん、済みません、聞きません。こちらで総理大臣に聞きますけれども。
 こういう中で、柏崎刈羽とか浜岡原発の運転再開の話があるわけですが、とってもこんな状況の中で再開を許可していいんでしょうか。海江田大臣、いかがですか。
○国務大臣(海江田万里君) 先ほどお話をしました三月三十日の私どもの一斉の検査については報告書が出てまいりました。そして、それに立入検査も今行っておりますが、ちょうどもう一月を過ぎましたので、さらにこれは厳重にやっぱり精査をしなければいけないというふうに思っております。その上での判断でございます。
○大門実紀史君 総理に伺いますけれども、昨日も森ゆうこさんから大変すばらしい脱原発を求めるという質問がございました。本当にほれぼれする質問でございましたけれども、具体的には、やっぱりこういう柏崎刈羽とか浜岡の運転再開を政府が認めるのかどうかというのが行政転換の最初の試金石になると私は思っております、抽象的な話じゃなくて。そこのところで総理としてやっぱり厳しい判断を、この柏崎刈羽そして浜岡についてはされるべきだと思いますが、ちょっと総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の大震災を受けて、御指摘がありますように、原子力発電所全体に対して、地震そして津波の想定が従来よりも大きいものが現実にあったわけでありますから、それを前提とした見直しが行われなければならないと思っております。そういう点では、浜岡については従来より地震の影響を受けやすいといいましょうか、そういうところに立地しているんではないかという指摘もいただいております。
 一方で、現在の電力供給の状況なども全く無視するわけにはいきません。しかし、改めて今回、再開するといったような場面においては、地元の意見もいろいろ出されているようでありますが、政府としても本当に国民の皆さんに安心してもらえるかどうか、そういうところをしっかりと見極めて判断しなければならないと、このように思っております。
○大門実紀史君 よろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
○委員長(前田武志君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(前田武志君) 次に、中山恭子君の質疑を行います。中山恭子君。
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 先ほどから事故対策統合本部についての言及がありました。政府が発表している資料からでは、この統合本部につきましては法的根拠がない組織であると言えます。法的根拠のない組織が行うことは何の意味も持たないばかりでなく、混乱を助長させることでございます。このような組織があること自体、ある意味では問題であろうと思っています。内閣はその職務を法律によって実行すると憲法で決められております。ただ、現政権は法律に沿ってやろうとしていないというところに大きな問題があると思います。
 この点だけ申し上げて、質問に入ります。
 三月十五日に総理指示が出されました。どのようなものだったでしょうか、総理、お答えをお願いいたします。
○委員長(前田武志君) 中山委員、もう少し具体的に御質疑願います。
○中山恭子君 それでは、三月十五日、総理、覚えていらっしゃいますか、屋内退避の指示が出されました。これは原子力発電所からの距離二十キロメートルから三十キロメートルの圏内では屋内退避をするようにという総理指示でございました。
 この圏内でその後どのような状況が起きたか、覚えていらっしゃいますか。
○国務大臣(枝野幸男君) 屋内退避指示については、原子力発電所から放射性物質が大量に放出をされて被曝による健康被害の生じる可能性があったものですから、それを避けていただくために、距離的に考えて、屋内にとどまっていただければ健康に影響を及ぼすような被曝の可能性がないということで屋内退避の指示をお願いをいたしました。
 原子力発電所の状況が劇的に改善をするという状況がなかったものですから、その後、長期間にわたって屋内退避指示という状況が継続することとなりまして、屋内退避というのは、一時的に屋外に出るということ自体がまずいということではないわけでございますが、必ずしもそうしたことが徹底できなかった、それから、外からそういった地域にはなかなか入っていただくということができなかったということで、当該地域にお住まいの皆さんには特に物資の欠乏等で大変な御迷惑をお掛けをいたしました。
 繰り返しそのことについてはおわびを申し上げておりますが、安全を守る、放射線による安全を確保するためとはいいながら、大変厳しいことをお願いを申し上げたことについては大変申し訳なく思っております。
○中山恭子君 屋内退避の場合、ほかからの支援、今官房長官おっしゃられたように、入らなくなって非常に厳しい生活を強いられるということは、この屋内退避の指示を出す段階でちょっと考えれば、その地域の人の身になれば必ず想像できた、想定できた事柄であろうと考えています。
 したがって、この屋内退避を出す場合であれば、それに対応する何らかの措置が必要だったかと思いますが、その支援等についての指示は出されましたでしょうか

○国務大臣(枝野幸男君) 特に、当該地域の中の入院施設等の皆さんについては、屋内退避ではありますが、屋内退避の状況の中で医療、介護等の状況が大変困難であろうということ等を含めて、早い段階で外の施設に移っていただくということに向けた事実上の努力はいたしたものでございます。
 それからまた、順次外から中に物資を運んでいただくということについての努力はいたしましたが、必ずしもこれは、特に民間業者の皆さんに強制もできないことから、そうしたことが十分に対応ができなかったというふうに思っております。
○中山恭子君 屋内退避で家の中に閉じ込められ、又はその区域の中に閉じ込められて耐えられる期間というのは、そう長い時間は無理でございます。私だったら多分一週間が限度であろうと考えております。
 ただ、今回の総理指示の後、生活を支援するための件について、生活支援の促進、官房長官が会見で言及されましたのは三月二十五日、二週間もたってからのことでございました。
総理が指示を出すときには、思いをその区域に住む人々の身に置いてもらいたい。人々のことを思う気持ちが欠けているという様子が見えて大変残念に思っております。
 ところで、四月四日に官房長官から放射性物質を含む水が海水に放出されるとの発表がございました。このとき総理はどのような指示を出されましたでしょうか。
○国務大臣(海江田万里君) 私からお答えを申し上げます。
 この海水注入につきましては、原子炉等規制法の第六十四条第三項に基づく私からの命令を受けて行われたものでございます。もちろん本件は大変重大な事項でありましたため、総理にその意見を求めました。総理は、海水注入の必要性や妥当性、安全性について、原子力安全・保安院、原子力安全委員会等に検討をさせ、その結果の説明を受け実施することが必要と判断され、そして私に指示をされました。
 これが事実関係でございます。(発言する者あり)
 それから、もう一つございます。
 海洋放出でございますけれども、これは原子炉等規制法第六十四条第一項による応急措置として、これは東京電力が行ったものでございます。そして、これにつきましては、真にやむを得ないものか否か、安全や環境に配慮しているか否かを確認するため、この同法第六十四条第一項の規定に基づき同社に報告徴収を求め、そして原子力安全委員会の助言も受け、やむを得ない措置であると判断したものでございます。判断は私がいたしました。
○中山恭子君 両方についてお答えいただきまして、ありがとうございます。
 この汚染された水を海洋に流すということについて官房長官は、東京電力から海水に放出することがやむを得ないということで了承をいたしましたという官房長官発表していらっしゃいます。また、先ほど申されましたように、注水については総理指示で行われております。
 この四月四日の官房長官記者会見での発言を伺いまして、昨年九月、中国漁船の船長を処分保留のまま釈放するとの那覇地検の決定を了したと当時の官房長官が申されました。この発言を思い出しました。原子炉への海水注水より放射能に汚染された水を海洋へ排出することの方が重大で、かつ国際問題となるということが分かっておりながら、責任を問われそうになると、これは東京電力の問題であると言って責任逃れをする。その様子を見て、これが日本政府かと思うと情けなくなります。国際社会の一員としての意識もないのではないかと思っております。
 国際社会から日本が信頼を得るということは、まさに国政の問題であり、政府の最重要課題でございます。この点について信頼を失ってしまっているということ、大変残念なこと、情けなく思っておりますが、もし何か御意見がありましたらどうぞ。総理指示の問題でございますので、総理、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど経産大臣の方からもお話がありましたけれども、最終的に私が経産大臣と相談をしたりあるいは官房長官と相談したものであっても、政治的責任が私にあることは間違いありません。
 ただ、法律的に誰が指示をするかというのはそれぞれの項目で一定の決まり、決まっておりまして、そういう意味で、先ほど経産大臣が言われたように、海水の注入に関しては私と相談の上で経産大臣が指示を行われたわけでありますし、また東電が海洋放出したものについても、いろいろやむを得ない事情があったということを含めて判断をして、最終的に東京電力が行ったということで、決して責任を逃れるために他の機関がやったということではありませんので、そこだけは明確に申し上げておきたいと思います。
○中山恭子君 責任問題もありますし、しっかりした、国際社会において、また国内に対して温かい心で接していただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
○委員長(前田武志君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
○委員長(前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 東電社長は、一号機のベント、海水注入についていつ指示を出されましたか。
○参考人(清水正孝君) ベントと海水の時期の問題でございます。
 ベントといいますのは、その準備から実施に至るまで発電所長がその具体的な指示を出すわけでありますが、極めて重大な措置であるということから、私自身、対策本部長として、現地とのテレビ会議あるいは電話連絡を通しまして、その実施にかかわる発電所長の指示を確認、了解すると、こういうプロセスを経ます。
 それで、具体的に申し上げますと、一号機、二号機のベントの実施につきましては、三月の十二日、午前一時から一時半の間に私が確認、了承をいたしております。また、三号機のベントにつきましては、当時様々な作業がふくそうしておったということもございまして、恐縮ですが、やや曖昧な部分もございますので具体的な時間をちょっと申し上げるのは難しいと、こういう状況でございます。
 それから、海水でございます。
 海水につきましても、これは早い段階から検討をしてきております。それで、これも発電所長がその準備あるいは実施に向けての具体的な指示を現場で出すわけでありますが、これも海水を注入するという大変大事な措置でございますので、私自身も対策本部長として実施にかかわる発電所長の指示を確認し了解すると、こういうプロセスを経ております。
 それで、最初は淡水を注入しているわけでございますが、淡水注入後、海水に切り替える、特に一号、三号機がそういうプロセスを経たわけですが、当然、その淡水の量には限度がありますので、海水に切り替えるということを予見した上で、淡水注入中にその確認、了承というのはもう既にいたします。
 また、その詳細な時間でございますが、これも大変恐縮ですが、大変様々な作業がふくそうしている中での若干曖昧な部分もございますので、具体的な時間についてはちょっとここでは大変お答えが難しいと、このようにお答え申し上げます。
○福島みずほ君 いや、教えてください。海水注入の時間をはっきり言ってくださいよ、重要なことです。あなたがいつ指示出したのか。
○参考人(清水正孝君) 海水を実際にやった時間は、これは判明しています。
○福島みずほ君 違います。あなたがいつ指示出したか聞きたい。指示した時間を言ってください。
○参考人(清水正孝君) それは、今申し上げましたように、それぞれの号機について、海水だけではなくて様々なオペレーションが行われている中での判断でありましたので……(発言する者あり)
 これは、時間のやつは、発電所も含めた、これからのいわゆる調査委員会でも時間の検証をこれからしてまいりたいと思いますので、現時点では正確な時間がちょっと申し上げられないと、こういうことでよろしくお願いいたします。
○委員長(前田武志君) 清水参考人、清水参考人、質疑の時間でございますから、この点について今明確にできないなら後刻しっかり調べて言うか、お分かりならここで誠実にお答えください。
○参考人(清水正孝君) 分かり次第、後ほど報告申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 ただいまの福島委員の質問にきっちりと答えてください。
○参考人(清水正孝君) これは大変繰り返しになりますが、各号機それぞれの了解、確認をした時間というのがちょっとまだ正確な時間が現時点で分かっておりませんということでございます。是非御理解を賜りたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 福島委員、もう一度質問してください。
○福島みずほ君 東電は、一号機、二号機、三号機の海水注入についていつ指示を出しましたか。
○参考人(清水正孝君) まず、海水を注入した時間をちょっと確認させていただきます。それを遡って、いつ判断したかと、こういうことに相なろうかと思います。
○福島みずほ君 いや、客観的に答えてくだされば結構です。
○参考人(清水正孝君) まず、一号機であります。海水注入した時間が三月の十二日の二十時二十分ごろでございます。それに先立ちまして、十四時五十分ごろにはそれまで入れておった淡水を停止しております。それで切り替えています。したがって、海水指示というのはその淡水停止の前の時間、その範囲ということは当然考えられるわけです。
○福島みずほ君 何時ですか。
○参考人(清水正孝君) 正確にそこは、ちょっと申し訳ないですけれども……(発言する者あり)それ以前の範囲で指示を出したと……(発言する者あり)
○福島みずほ君 海水注入の指示を出した時間を言ってください。
○参考人(清水正孝君) ですから、今申し上げたように、一号機につきましては、十四時五十分に淡水を停止して、それ以前の時間というところまで分かっておりますが、その具体的な時間がちょっとはっきりしていないということを申し上げております。
 それから、二号機でありますが、これは三月十四日の十九時五十分ごろに海水を注入いたしております。したがって、それ以前の段階で当然海水注入を指示しているということでございます。その時間が非常に作業ふくそうの中で正確にまだ把握できないと、こういうことでございます。
 それから、三号機は、三月十三日の十三時十分ごろに海水を注入しておりますが、それ以前はやはり淡水を注入しておりました。それで、淡水から海水に切り替える時間、これが三月の十三日の十三時十分ごろでございますが、それ以前に発電所長の指示を確認、了解しているということで、正確な時間は申し訳ありませんが、様々なふくそうの中で何時何分というのがちょっと定かに申し上げられないということで御理解を賜れればと思っています。
○福島みずほ君 そもそも、指示出したんですか。
○参考人(清水正孝君) これは、発電所長の指示を私は確認、了解をいたしております。(発言する者あり)いたしております。
○福島みずほ君 発電所長の指示の時間を教えてください。そして、あなたが指示を出した時間を教えてください。
○参考人(清水正孝君) その発電所長の指示の時間もちょっと今調べております。これから……(発言する者あり)あっ、発電所長の指示ですね。
○福島みずほ君 じゃ、あなたが指示を出した時間言ってください。
○参考人(清水正孝君) じゃ、それちょっと調べさせていただけますか。ちょっと待ってください。
○福島みずほ君 いや、待ちます。待ちます。
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午前十時三十一分休憩
     ─────・─────
   午前十一時四分開会
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十三年度補正予算三案を一括して議題とし、締めくくり質疑を行います。
 清水参考人に申し上げます。
 本委員会は、被災地の方々が待ちに待っている補正予算の最終的な段階の締めの総括質疑をやっております。そして、内閣総理大臣を始め政府、閣僚全てが出席の下に、当予算委員会で最終的な議論をやっているその参考人であるということを十分自覚をしていただいて、福島みずほ委員の質疑に対して正確に誠実にお答えを願います。
○福島みずほ君 東電社長は、一号機、二号機、三号機の海水注入について、いつ指示を出しましたか。
○参考人(清水正孝君) 大変お時間を取らせて申し訳ございません。
 一号機、二号機、三号機、それぞれ正確な時間については現在調査中と先ほどちょっと申し上げました。
 それで、一号機につきましては三月の十二日の午前十時から十四時五十分の間、そして二号機は三月の十四日の十三時三十分から十九時五十分の間、それから三号機は三月の十三日の九時十分から十三時十分の間ということは分かっております。
 それで、御質問のその正確な時間というのは、これから実は第一線の発電所長とのやり取り、これをしっかり我々としてもう一度確認させていただいた上で、改めてお答え申し上げたいということで御理解賜ればと思います。
○福島みずほ君 質問通告していますし、これ随分論点になっているんですね。
 では、東電社長、所長が海水注入について上申した時間、あなたが判断した時間、具体的に指示した時間を教えてください。
○参考人(清水正孝君) ただいま申し上げました、今のその時間の幅で申し上げましたが、その間の正確な時間は、これから第一線の発電所長との確認作業をしっかりさせていただいた上でということで御理解賜ればと思います。
○福島みずほ君 質問通告しているでしょう。
○委員長(前田武志君) 清水参考人、なぜ確認が遅れましたか。
○参考人(清水正孝君) 御案内のとおり、現在、最前線の福島第一は、事態の収束に向けて大変今まだ様々なオペレーションに取り組んでおるという、そんな事情もあって少し時間が掛かっているという事情も御理解賜ればと思います。
○福島みずほ君 理解できません。
○委員長(前田武志君) 福島みずほ君、質疑の方を。もう一度お願いします。
○福島みずほ君 今まで明らかにしなかった東電の姿勢が問題です。きちっと調査の上、大至急この委員会に出してください。あるいは、本日中、所長に電話をして確認して、本日中にでも委員会に言ってください。
○委員長(前田武志君) ただいまの福島委員の御質疑に対しては、当委員会において理事間で協議いたします。
 どうぞ、福島みずほ君。
○福島みずほ君 十二日夜六時、総理は福島第一について海水注入すべきと指示を出しています。なぜ二号機、三号機、二日間遅れるんですか。
○委員長(前田武志君) これは。
○福島みずほ君 いや、東電。
○参考人(清水正孝君) 海水注入の二号機、三号機のお話でございますが、二号機はいわゆる原子炉の隔離冷却系が起動しておったということであります。したがって、それが停止するまではその機能を維持しておったということで、三月十四日の十九時ごろになったということでございます。
 それから、三号機でございます。
 三号機も、これはやはり隔離時冷却系が作動しておりましたが、三月の十三日にこれが機能を停止いたしました。それから淡水を入れ始め、海水に切り替えたと。この時間が三月十三日の十三時十分ごろということで、時間差があるということでございます。
○福島みずほ君 総理の指示があったにもかかわらず、なぜ遅れたんですか。
○参考人(清水正孝君) 海水の注入作業、御案内のとおり、外部電源が喪失され、大変厳しい状況の中で作業を続けるという極めて難しい環境の中での作業になりました。それで、その準備作業等々に時間が掛かってしまったということでございます。
○福島みずほ君 うそじゃないですか。だって、あなたは三月十四日の一時から十九時の間に判断したって言っていて、総理の指示は十二日ですよ。海水注入が遅れたからこんな事故が広がったんじゃないですか。何で三月十二日にやらなかったのか。
○参考人(清水正孝君) これは、現場の状況としましては、今もちょっと申し上げましたとおり、大変様々なオペレーションが重なる中で、煩雑している中での作業ということでございましたので、少し時間が掛かってしまったということで御理解を賜ればと思います。
○福島みずほ君 違うんです。私がなぜ東電社長の指示の時間にこだわるか。現場が混乱しているんじゃないですよ。あなたの指示が遅れているんじゃないですか。
○参考人(清水正孝君) 今、二号、三号で申し上げましたとおり冷却系も動いておったというようなこともありまして、それで、私の指示する時間、その幅でありますけれども、それが少し号機によっては変わっておったということでございます。
○福島みずほ君 海江田大臣、ベントと海水注入が遅れた、あるいはこの経過について説明してください。
○国務大臣(海江田万里君) これを一つ一つについて、例えば今お話のありました炉に対する海水注入でございますが、これは先ほどお話のありました十八時、総理からの指示というのは、これは第一号機でございます。
 やはり、一番最初に一号機に注入をいたしましたけれども、これにつきましては、先ほどこれは社長からもお話がありましたけれども、十四時五十三分に、まずそれまで約八万リットルですけれども、消防車を用いて真水を注入をしていたわけでございますが、これが十四時五十三分の時点で停止になりました。
 そうしますと、この真水での注入が終わってまいりますとまさにもう水で冷却をする手法がなくなりますから、そこで一刻も早くこれは真水が駄目なら海水で注入をしなければいけないということを、まさにこの十四時五十三分が終わってからずっともう議論、そして度重なる指示をやっておりまして、そして最後に、先ほどお話をしたように十八時に、総理からの指示もあり、私が保安院に対して指示文書の準備をするよう指示をしたところであります。
 そうしましたところ、十九時〇四分に、これは私どもの資料でございますが、一旦東京電力が福島第一原子力発電所の一号機の海水注入試験です、試験の注入をこれを開始をして、そしてこれが十九時二十五分に停止をしました。ですから、二十分間ぐらい試験をやりましたけど、停止をしました。
 そして、時刻は刻一刻と過ぎていきますので、再度重ねて総理からの本格的な注水をやれということで、そこで私が、先ほど答弁をしましたように二十時〇五分、これで原子炉等規制法の第六十四条三項の規定に基づいて、福島第一原子力発電所の一号機の原子炉容器の健全性を確保することをこれは命令をしたと。そして、二十時二十分、福島第一原子力発電所一号機に対して、消火系ラインを使用して海水、そして同時に硼酸による、硼酸も混ぜました、これは、水素爆発の可能性がありますので。そして注入を開始をしたということでありまして、これが一号機についての説明でございますが。
 今、このほか、一つ一つについてお話をすると大変長くなりますけれども、私どもはやはりまず水での冷却というのは大変大切な要素だと思っておりましたから、淡水が、それがもうなくなればこれはもう海水にすべしということを申しておりましたし、ベントにつきましてもやはり、もちろんベントを行うことによって放射性物質が環境中に飛散をされるということはございましたけれども、やはり炉の爆発によって大量にこれが環境中に飛散されることに対して、やはりそこで判断をして、その意味では指示あるいは命令をしたところでございます。
○福島みずほ君 ベントも海水注入も大変遅れます。そもそも地震があった直後、冷却系が失われていることが明らかで、初動がやっぱりまずいです。東電、いろいろな事実関係を明らかにしてください。
 次に、今朝の新聞にラジエーター、熱交換器によるものを断念とあります。これは事実ですか。
○委員長(前田武志君) 東電に聞いておられますか。
○福島みずほ君 はい、東電です。
○参考人(清水正孝君) そのラジエーターというのは……(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 福島みずほ君、立ってもう少し具体的に質問をしてください。(発言する者あり)
○参考人(清水正孝君) ラジエーターというのはどこの、ちょっと……(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 福島委員、ちょっと立って御質問を。
○福島みずほ君 本来の冷却システムである熱交換器の復旧を断念とありますが、そうですか。
○参考人(清水正孝君) その件は、ちょっと後ほど確認させていただきたいと思います、事実関係をですね。
○福島みずほ君 今朝、これが載っていてびっくりしました。つまり、工程表の冒頭からつまずいているわけですね。
○委員長(前田武志君) どなたに質問されていますか。
○福島みずほ君 東電です。
○参考人(清水正孝君) これ、ちょっと正確に事実関係を確認させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 断念しているんですか、してないんですか。
○参考人(清水正孝君) 断念していると思いますが、その経過、正確なところをちょっとはっきり把握させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 断念しているということは、工程表の冒頭、冷却系、熱交換器でやることが冒頭からこれつまずいているんですよ。よろしいですね。
○参考人(清水正孝君) やや曖昧な申し方で申し訳ございません。これは未確認でございますので、これをしっかり確認いたします、これからですね、それから御返事したいと思います。(発言する者あり)それから、確認してから、しっかりと事実関係を……(発言する者あり)
 これはちょっと未確定な状況なんで、もう一回確認させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 さっき断念したとおっしゃったじゃないですか。
○参考人(清水正孝君) これは大変申し訳ございません、これ未確認でございますので、これからしっかりと確認させていただきたいと思います。
○福島みずほ君 あなたの判断はどうなんですか。
○参考人(清水正孝君) これから確認させていただきたいと思います、事実関係を……(発言する者あり)
○委員長(前田武志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(前田武志君) 速記を起こしてください。
○福島みずほ君 海江田大臣、どうですか。
○国務大臣(海江田万里君) おっしゃるように、熱交換器のことはこのステップワンの対策の十三で書かれております。これは大変重要なポイントでございます。原子炉の熱交換機能の回復という形で、括弧しまして、熱交換器の設置も検討ということで、私どもがこれ東電から聞き取りをやりましたのは、今の熱交換のシステムがございます。建屋の中にあります。ですから、これを修繕をして使えるのか、あるいは使えない場合は外に熱交換のシステムをつくるということを最初から言っておりましたから、ですからその意味では、外につくるかそれとも中のをしっかり修理をしてつくるかはまだ、それは東京電力に聞いてみなきゃいけませんが、そういう二つの方法を考えていたというふうに承知をしております。
○福島みずほ君 いや、これ、熱交換器を使うことを断念と書いてあるので、工程表を作り直さなければ。
 社長、熱交換器を断念したら工程表の作り替えをしなくちゃいけないですね。
○参考人(清水正孝君) 熱交換機能を確保するというのは、これはもう極めて大事なことでありますから、その方法は今、海江田大臣からもありましたように、これはこれからどういう方法にするかということをしっかり確認したいというふうに申し上げているわけでございます。
○福島みずほ君 東京電力は、発電、送電を分離し、送電部分を売却し、損害賠償に努めるべきだと考えますが、いかがですか。
○参考人(清水正孝君) これから私どもは合理化、スリム化に最大限取り組んでいくつもりでございますが、その前提としましては、やはり電力の供給に必要不可欠なもの以外はもう聖域なくやりたいと思っておりますが、送電設備等々はこれは電力供給の必須の設備ということでございまして、これを売却するという考えは今のところございません。
○福島みずほ君 地域独占であぐらをかいた結果が今回の事故ではないですか。自然エネルギー促進のためには、発電と送電を分けるべきだと思います。
 東電、送電線を売ってちゃんとやるべきじゃないですか。
○参考人(清水正孝君) これは電力の供給システム、体制の在り方ということにも相なろうと思いますが、現在、福島第一原子力の事態の収束に全力を傾けている現状において、その在り方、体制論については、現時点では私の方から言及はちょっと避けたいと思います。
○福島みずほ君 経産大臣、どうですか。
○国務大臣(海江田万里君) お答えをいたします。
 これは本当に慎重に検討しなければいけないと思っておりまして、そして、特にやはり今、一都八県に東京電力は電力を供給をしているわけでございますから、この義務をしっかりと果たしてもらわなければいけないと思っております。
○福島みずほ君 地域独占はやめるべきです。
 官房長官、東京電力の賠償に上限はないという理解でよろしいですね。
○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のとおり、原子力損害の賠償に関する法律では、原子炉の運転等の際の事故により損害を生じた場合には、原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずるという無過失責任が規定をされております。これにはただし書で、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときはこの限りではないという例外規定がございますが、昭和三十六年の法案提出時の国会審議において、この異常に巨大な天災地変について、人類の予想していないような大きなものであり、全く想像を絶するような事態であるなどと説明されております。
 今回の事態については、国会等でもこうした大きな津波によってこうした事故に陥る可能性について指摘もされておりましたし、また、大変巨大な地震ではございましたが、人類も過去に経験をしている地震でございます。そうした意味では、このただし書に当たる可能性はない、したがって上限はないというふうに考えております。
○福島みずほ君 浜岡原子力発電所が位置する東海地域で三十年以内に地震が起きる可能性は七〇%ということでよろしいですね。
○委員長(前田武志君) これはどなた。
○福島みずほ君 経済産業大臣。
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 中部電力浜岡原子力発電所が位置いたします東海地域を震源域とする想定東海地震の発生確率等につきましては、今年、文部科学省地震調査委員会が本年の一月一日を基準日とした算定結果を公表してございます。これによりますと、三十年以内にマグニチュード八程度の想定東海地震が発生する確率は八七%というふうになってございます。
○福島みずほ君 浜岡原発の耐震設計についての最終結論は、経済産業大臣、出ておりませんね。
○国務大臣(海江田万里君) 浜岡原発につきましては、マグニチュード八の東海地震やマグニチュード八・五の南海トラフ沿いの地震を考慮し、安全が確保されて余裕を持っていることを安全審査において確認をしております。しかし、津波におきましては六メートルを想定しておりましたけれども、地震動、津波とも東海、東南海、南海の三つの震源が連動することを想定するなど、新たな知見を取り入れて今、耐震バックアップチェックの確認を行っているところでございます。
○福島みずほ君 浜岡原発は地震のバックチェックが終了していない、つまり保安院安全マークが付いてないということでよろしいですね。
○国務大臣(海江田万里君) 今そのバックチェックをしているところでございますから、今の時点ではまだということでございます。
○福島みずほ君 経済産業大臣は、原子炉等規制法三十六条一項、電気事業法四十条に基づき使用停止命令が出せます。浜岡は、さっきあったように八七%、三十年内に地震が起きる、かつバックチェックが行われてないんです。まだ安全だって保安院ですら言えないんですよ。だとしたら、さっき言った条項に基づき、海江田大臣、停止命令出すべきじゃないですか。
○国務大臣(海江田万里君) 私も現地に行ってしっかりと見てきたいと思っております。
○福島みずほ君 津波対策はこれからですよね。防潮壁をこれから何年か掛かって造る。つまり、津波対策もできてない、地震対策も保安院も安全マーク出してないんですよ。だったら、停止命令出してくださいよ。
○国務大臣(海江田万里君) まず、この浜岡原発につきましては、三号機の問題がございます。この三号機につきまして今これからどういう判断をするかということがまず迫られますので、それに対するしっかりとした判断をしていきたい、そのように思っております。
○福島みずほ君 総理、安全でない原発は動かさないとかつて委員会でおっしゃっています。
 浜岡、津波対策できてないんです。それから、耐震設計についてもゴーサイン、保安院も出していません。地震が三十年以内に八七%起きる。万が一地震が起きて事故が起きたら、政府の責任ですよ。危ないものは止めてください。
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、浜岡原発は四号機、五号機が運転中で、三号機が定期検査中と承知をいたしております。そういう中で、今回の原子力事故を経験して、より地震あるいは津波に対する安全性の確認が必要だと思っております。
 このいわゆる東電福島の原子力発電所の事故についても、これから事故調査委員会等をつくって、他の原子炉についての安全性についてもいろいろ議論が必要でありますが、今御指摘の問題も含めて、必ずしも福島の問題の結論が出るまで待つことなく、しっかりと検討をしてまいりたいと、こう思っております。
○福島みずほ君 文科大臣、二十ミリシーベルトについて、大人と子供で同じでいいというお考えなんですか。
○国務大臣(高木義明君) 福島委員にお答えをいたします。
 この暫定的な考え方については、まず第一に、できるだけ放射線量を浴びないようにする、そういうことで設定された数字でありまして、直ちに二十ミリシーベルトの放射線を浴びるという意味ではありません。
 そして、今お尋ねの大人、子供の問題ありました。これは、いまだ福島第一原子力発電所が事態は収束をしていない状況の中で、国際放射線防護委員会、いわゆるICRPの勧告を踏まえて、これは大人にも子供にも適用されるというふうにされております。
 したがって、緊急時の被曝状況における参考レベル、これは年間百ミリシーベルトから二十ミリシーベルトのうちの最も厳しい値である二十ミリシーベルトを出発点、そして、事故後の復興期における参考レベルである年間一から二十ミリシーベルトを暫定的な目安として、今後できるだけこの線量を減らしていく努力をすることが私たちに求められております。
 なお、福島県の地域の状況も十分に勘案しなければなりませんし、当然にして、子供の心理的ストレス、これにつながらないようにしなければなりません。したがって、私どもとしましては、この考え方を、原子力安全委員会の助言を得て、原子力災害対策本部の見解を踏まえて決めさせていただいたものでございます。
 なお、日常的に私どもとしましては正確なモニタリングが必要だと考えておりまして、特に比較的線量の高いところには、教師の皆さん方に時間線量計を、携帯の線量計を持っていただいてつぶさに測っていくと、このことについて安全を確保していきたい。
 なお、私どもとしましては、これはあくまでも夏休みまでの暫定的な措置でございまして、この点について日々注意深くこの数値を見守っていきたいと思っております。
 なお、数値がずっと下がらないところについては、これまた特別な配慮もしなきゃならぬと思っております。
○福島みずほ君 ICRPは大人と子供が一緒でいいと言っているんですか。文科省は大人と子供が一緒でいいと考えているんですね。
○国務大臣(高木義明君) もちろん、そのような見解を専門家の皆さん方からもいただいております。
○福島みずほ君 大人と子供と一緒でいいと文部科学省考えているということでよろしいんですね。

○国務大臣(高木義明君) この数値については、私たちはそのような基準に基づいて判断をさせていただいております。
○福島みずほ君 大人と子供で一緒でいいということですね。確認させてください。
○国務大臣(高木義明君) そのように判断をいたします。
○福島みずほ君 水道水は、乳児、違うじゃないですか。大人と子供で一緒だって文科大臣言うこと大きいですよ。
○委員長(前田武志君) 福島みずほ君、どなたに質問をされておりますか。
 じゃ、ちょっと待ってください。もう一度。
○福島みずほ君 総理、震災対策本部、二十ミリシーベルト出したのは総理なんですよ。これ、大人と子供と一緒でいいと答えているんですよ。いいんですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、こういった問題について決定をするときには原子力安全委員会の助言を求めるという形で物事を進めるべきだし、またこれまでも進めてきているつもりであります。
 もちろん、専門家の皆さんの中にもいろいろな意見があって、今、福島さんが言われたような御意見もいろいろと議論されたというふうに聞いております。そういう議論の上で、現在の、先ほど高木文科大臣が申し上げたようなことについて、原子力安全委員会もそういう扱いでいいという助言をされたことを踏まえてそうした決定をいたしたところであります。
○福島みずほ君 でたらめな原子力安全委員会の助言なんて聞かないでくださいよ。大人と子供は違うべきなんです。大人と子供は違うべきであるにもかかわらず、それをいいと言っている内閣は駄目ですよ。
 総理、先ほど浜岡の件で、事故が収束しなくても検討しなくちゃいけないとおっしゃいましたね。それ、浜岡原発、考慮して止めてください。事故が起きたら政府の責任ですよ。日本が破滅するのを誰も見たくないんですよ。段階的廃止、とにかく浜岡は止めてください。
 総理がそれはできるんです。経産大臣も実は法律でできるんですが、総理、決断をお願いします。
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど申し上げましたように、いろいろな意味での御指摘を十分踏まえて検討してまいりたいと思います。
○委員長(前田武志君) 福島みずほ君、時間が……
○福島みずほ君 G8で総理がフランスに行かれます。これだけ世界に迷惑を掛け、あるいはすさまじい事故が起きて、現在進行形。
 総理、段階的原発の停止であれ、日本がそれについてメッセージを出すことが日本の再生のメッセージにつながると確信をしています。自然エネルギー促進を含め、総理の決断をお願いします。
○委員長(前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 以上をもちまして、平成二十三年度補正予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
○委員長(前田武志君) それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。礒崎陽輔君。
○礒崎陽輔君 自由民主党の礒崎陽輔です。
 私は、自由民主党を代表して、補正予算案に賛成の立場から討論を行います。
 東日本大震災発生後、自由民主党は、一日も早い復旧復興のため、全国で義援金を募り、自ら救援物資を収集して被災地へ運搬するとともに、政府に対して数多くの政策提言を行ってまいりました。今後とも、被災者の支援、被災地の復興、原発事故への対応に全力で取り組むことを国民の皆様にお誓い申し上げます。
 さて、補正予算案についてでありますが、まず、大型連休前に第一次補正予算が成立しなかったことは遅きに失することを指摘しなければなりません。また、その内容は、歳出面においては特別地方交付税の増額、災害復旧のための公共事業費の計上など、自民党の要望も組み入れたものとなっていますが、歳入面においては非常に問題が多いものとなっています。特に、財源として国債を発行せず、約二兆五千億円を基礎年金の臨時財源の流用によって賄おうとしていることは極めて問題です。
 菅総理は国会の答弁で、第二次補正予算の編成に当たり国債の発行は不可避であり、復興国債の発行を行うことを明言しています。そうした中で、この第一次補正予算についてのみ国債を発行しないことに何ら合理的な理由は認められません。菅総理お得意の政治的パフォーマンスではないのでしょうか。
 また、国債に代わる財源をなぜ基礎年金の臨時財源としたのでしょうか。全く納得がいきません。子ども手当を始め、マニフェスト関連のばらまき四K政策をまず撤回して財源をつくるのが本来のあるべき姿です。
 そうした中、先日、自民、公明、民主の三党政調会長の間で、子ども手当や高速道路無料化などのマニフェスト関連施策の見直し、復興のための国債の発行、年金臨時財源流用の見直しを含む各党間の検討について合意がなされました。早くも与党民主党内から異論が出されていますが、公党間の約束である以上、この合意の完全かつ速やかな履行を強く求めます。
 さて、震災発生から二か月近くたった今でも政府・与党の意思決定体制の混乱は目に余ります。政府内部では多くの本部や会議が乱立し、情報や指揮命令系統が錯綜する状態です。そのため、国民への的確な情報提供が行われず、被災地の皆さんに多大な不安を与えています。菅政権は、この危機に対処するコントロールを失っているようにも見受けられます。また、与党民主党内部では誰がどのような決定権を持っているのか全くもって分からず、先ほどの三党合意締結に当たっても民主党の党内手続が踏まれているのかどうか、老婆心ながら心配しております。
 昨日の予算委員会で、震災対応について総理は、初めてだからうまくいかない部分もあるといった趣旨の答弁をされました。少し前の仮免許発言にも通ずる物の言い方であり、これでは一国の責任者として国民の信頼は得られません。
 また、第二次補正予算案は今国会には提出しないものと報道されています。このことは被災地の皆さんの期待を大きく裏切るものであり、一刻も早く次の補正予算案編成作業に着手すべきです。やる気がないのであれば菅総理の退陣を求めます。総理も真剣に震災対策に取り組んではいるのだろうと思います。しかし、今回の震災の規模と複雑さは、菅総理、あなたの処理能力を超えているものと申し上げなければなりません。
 どうか総理、この第一次補正予算の成立を花道として御勇退いただくことを衷心よりお勧め申し上げて、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(前田武志君) 次に、石川博崇君。
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題になりました平成二十三年補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 震災から五十三日目の今日になってようやく第一次補正予算案が成立する見込みとなったわけですが、政府の被災者支援や原発の放射能汚染の情報提供を始め、ありとあらゆる対応が余りにも遅く、場当たり的でスピード感が全く感じられません。義援金や原発事故、賠償一時金もいまだに被災者の手に届いておりません。避難所暮らしを余儀なくされている約十三万人の方々の避難所生活はもう限界にあります。政府は、総力を挙げて仮設住宅の早期建設に全力を尽くすべきです。また、農業、水産業、鉱工業、またさらに被災自治体への被害も大きく、復旧のめどは立たないままです。
 本補正予算案には、その意味で、仮設住宅の建設、中小企業や農業、漁業への災害関連融資の拡充など、公明党が要求してきた緊急性のある施策が盛り込まれており、歳出面では評価できます。これが本補正予算三案に賛成する主な理由です。
 しかし、歳入面では大きな問題を抱えていることを指摘せざるを得ません。本来であれば、子ども手当など不要不急な民主党マニフェストを抜本的に転換すれば一層の財源確保が可能になるにもかかわらず、いまだにこれに固執していることは全く理解できません。また、今回の震災以降、世界各国から支援の協力を得たにもかかわらず、その恩をあだで返すかのようなODA予算の削減は国際社会における日本の信頼を失墜させる暴挙であります。さらに、基礎年金の国庫負担分として確保した二兆五千億円を今回の補正予算の財源に回すことは、年金制度の安定性、信頼性を揺るがせるものであり、看過できません。
 これだけの大規模震災の復旧復興に国債の発行がやむを得ないことは明白です。にもかかわらず、あえてこれを避けて国債を発行せず、逆に狙い撃ちするかのように年金財源に穴を空けることは、明らかに今後の税制抜本改革を推し進めるための踏み絵としたいという意図ではないですか。
 こうした被災者への支援よりも、そして年金制度の安定性の確保よりも政権運営を優先させるこそくな対応は、今回の大震災に乗じた火事場泥棒と言えるものであり、甚だ遺憾です。猛省を促すとともに、二十三年度分の年金財源は、いつ実施されるかも分からない税制抜本改革を待つことなくきちんと確保すべきであると強く求めておきます。
 なお、今回の補正予算が成立しても、被災者の方々に支援策が届かなければ意味がありません。政府においては迅速な執行に全力を尽くしていただきたい。また同時に、今後の復興に向けた第二次補正予算案も今国会中の提出も視野にすることを政府に要望しておきたいと思います。
 政治の最大の責務は、国民の生命と財産、生活を守ることであり、そのためにはリーダーシップと迅速な対処が求められます。しかし、これまでの菅内閣の震災対応は、原発の初動対応を誤ったばかりか、数多くの対策本部を乱立させ、意思決定が遅くなり、さらに政権の延命策や野党対策にかまけ、被災者救済、復旧復興に十分な力を発揮しているとは到底評価できません。これはさきの統一地方選挙でも示された国民の民意でもあります。
 震災対策へのリーダーシップもなく、党内すらまとめることのできない菅総理そして菅内閣には今後の復興を主導することはできません。日本の復興のためには、一刻も早く退陣を決断していただくことが望ましいと最後に申し上げたいと思います。
 以上、被災者の生活支援と復旧復興に公明党は今後とも全力を尽くすことをお誓いし、私の賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(前田武志君) 次に、小野次郎君。
○小野次郎君 みんなの党を代表して、平成二十三年度補正予算三案について賛成の立場から討論を行います。
 今回の震災では、日本社会は地震、津波による未曽有の被害ばかりでなく、原発事故による広域の放射能汚染に今なおさらされています。放射能の大量放出による汚染から国民の生命と財産を守る対策に全力を挙げなければなりません。さらに、今なお大規模な放射能放出の危険が残る原発プラントの速やかな事態収拾が喫緊の課題です。
 私たちは、原発事故による大規模な放射能汚染という深刻な試練を民族の教訓として、安全で健康な社会をつくり上げていく責任があります。安全の保証のない経済効率性は成り立たないという当たり前のことが改めて証明されました。早急に国家のエネルギー政策を見直して、脱原発依存、自然エネルギー立国を大方針として掲げる必要があると考えます。
 本補正予算の歳出面に関しては、地震と津波による被害の復旧及び放射能汚染対策に緊急に必要な措置に要する経費が含まれています。今後は、被災地の復興及び原発の安全対策などに更に大きな財政措置が必要になります。しかし、その財源を賄うために増税を行うことは、デフレ下の不景気に加えて震災の大きな被害を受けた我が国社会の速やかな復興を難しくするものであり、絶対に避けるべきです。財源は、公共分野の人件費の大幅な削減など既定経費の徹底した見直しと、子ども手当や高速道路無料化などばらまき政策の撤回に求めるべきです。また、国債費償還の自動繰入れを停止するなど、いわゆる埋蔵金からの捻出に一層努めるべきです。
 復旧復興、さらには自然エネルギー立国に向けて必要とされる財源の検討は、広く国民の理解を得るためにも、与野党を通じて国会で十分に議論されることを強く求めます。
 以上を指摘した上、東日本大震災への対応として緊急を要する措置に必要とされる本補正予算案にみんなの党は賛成であることを申し上げて、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(前田武志君) 大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。補正予算三案に賛成の討論を簡潔に行います。
 今重要なことは、今なお厳しい状況に置かれている被災者の方々の救援、生活再建を急ぐことです。本補正案は、被災者が一刻も早くと望んでいる仮設住宅や瓦れきの処理などの費用、また中小企業や農漁業に対する融資等、必要な対策が取られております。しかし、内容は必要最低限のものであり、生活再建、復興に向けて更なる拡充が必要であります。
 また、財源問題では、年金財源の在り方、今後の震災財源については大いに異議があります。また、消費税増税につながる民主党、自民党、公明党の三党合意にくみするものではないことをはっきり表明しておきます。
 こうした財源上の問題点はありますが、震災の復興復旧のため、極めて急を要する予算案であることから賛成するものです。
 以上。(拍手)
○委員長(前田武志君) 中山恭子君。
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革を代表して、平成二十三年度第一次補正予算案に賛成の立場から討論を行います。
 本補正予算案につきましては、被災者緊急支援、被災地の一刻も早い復旧復興のための予算措置であり、歳出内容も緊急性、必要性の高い項目が含まれている点異論はなく、これが賛成の第一の理由であります。
 一方、財源調達方法につきましては、年金財源の流用、ODA予算の削減など問題が多いと考えますが、一昨日、野党側と民主党で合意文書が取り交わされ、ばらまき四Kを含む民主党マニフェストに基づく歳出を見直すこと、年金財源については第二次補正予算編成の際に見直しも含め検討を行うことが明記されました。この合意文書には我が党の主張が盛り込まれており、この点が賛成の第二の理由であります。
 この上は、本補正予算の迅速な執行と三党政調会長合意文書に基づく二十三年度予算の歳出の見直し、東日本復興に向けた速やかな第二次補正予算の提出を強く求めまして、賛成討論といたします。(拍手)
○委員長(前田武志君) 福島みずほ君。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 補正予算案に賛成の立場から討論をします。
 東日本大震災、原発震災の一刻も早い救援、救済をしなければなりません。補正予算の提出が非常に遅れたことは極めて問題です。仮設住宅の建設や医療の再建、雇用の創出などは社民党も提案してきたことであり、命の支援が一刻も早く必要であるという観点から補正予算には賛成をします。
 しかし、原子力予算、エネルギー対策特別会計、米軍への思いやり予算などを更に削減し、震災復興に充てるべきです。
 また、日本はレベル7という世界的にも極めて深刻な原発事故を起こし、事故は現在進行形です。政府は、今こそリーダーシップを発揮して、新規の原発は建設せず、古い原発は順次廃炉にし、危険な原発はすぐに止めるという脱原発宣言をし、実行をすべきです。自然エネルギーを促進させ日本を再生させることが世界にも希望を与えることになります。
 学校の校庭を二十ミリシーベルトでよいとした震災対策本部の決定は、子供たちの命を余りに軽視をしていて許すことができません。社民党は命を大切にする政治を実現すると申し上げ、討論といたします。(拍手)
○委員長(前田武志君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成二十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に賛成の方の起立をお願いいたします。
   〔賛成者起立〕
○委員長(前田武志君) 全会一致と認めます。よって、平成二十三年度補正予算三案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会