懐疑論者の祈り


177-参-内閣委員会-6号 平成23年04月21日

平成二十三年四月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任   
     徳永 エリ君     平野 達男君
 四月二十日
    辞任         補欠選任   
     金子 洋一君     蓮   舫君
     山東 昭子君     佐藤 正久君
     中曽根弘文君     宇都 隆史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         松井 孝治君
    理 事
                相原久美子君
                大久保潔重君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
    委 員
                植松恵美子君
                江崎  孝君
                岡崎トミ子君
                芝  博一君
                牧山ひろえ君
                蓮   舫君
                岩城 光英君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                佐藤 正久君
                松村 龍二君
                谷合 正明君
                小野 次郎君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 枝野 幸男君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    中野 寛成君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、科学
       技術政策))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       行政刷新))   蓮   舫君
       国務大臣     松本  龍君
   副大臣
       内閣府副大臣   東  祥三君
       法務副大臣    小川 敏夫君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       厚生労働副大臣  小宮山洋子君
       厚生労働副大臣  大塚 耕平君
       農林水産副大臣  筒井 信隆君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  逢坂 誠二君
       財務大臣政務官  尾立 源幸君
       文部科学大臣政
       務官       笠  浩史君
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
       厚生労働大臣政
       務官       小林 正夫君
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
       経済産業大臣政
       務官       中山 義活君
       国土交通大臣政
       務官       小泉 俊明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       藤井 直樹君
       内閣府男女共同
       参画局長     岡島 敦子君
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       原子力安全委員
       会委員長代理   久木田 豊君
       原子力安全委員
       会委員      代谷 誠治君
       総務大臣官房審
       議官       三輪 和夫君
       法務大臣官房審
       議官       團藤 丈士君
       外務大臣官房審
       議官       山本 栄二君
       外務省北米局長  梅本 和義君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       厚生労働省職業
       安定局次長    黒羽 亮輔君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       経済産業大臣官
       房審議官     中西 宏典君
       経済産業大臣官
       房審議官     朝日  弘君
       環境大臣官房審
       議官       梶原 成元君
       防衛省地方協力
       局長       井上 源三君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (東京電力福島第一原子力発電所事故の収束に
 向けた政府の取組に関する件)
 (個人による寄附の促進に向けた制度の改善に
 関する件)
 (福島原子力発電所事故対策統合本部の設置根
 拠及び役割に関する件)
 (原発事故における原子力安全委員会の対応に
 関する件)
 (成年後見制度に係る政府の体制に関する件)
 (公益事業者への国家公務員の再就職規制の必
 要性に関する件)
 (男女共同参画の視点を踏まえた被災者支援に
 関する件)
    ─────────────

○委員長(松井孝治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳永エリ君、金子洋一君、山東昭子君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君、蓮舫君、佐藤正久君及び宇都隆史君が選任されました。
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○委員長(松井孝治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣参事官藤井直樹君外十五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(松井孝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(松井孝治君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○佐藤正久君 おはようございます。自由民主党の佐藤正久です。
 まず資料を早めに、これ代谷委員の方から先に配ってください、お願いします。
   〔資料配付〕

○佐藤正久君 時間が限られておりますので、答弁の方は簡潔にお願いします。委員長、よろしくお願いします。
 まず、資料二を御覧いただきたいと思います。
 これは文部科学省が作成をして、四月十日、原子力安全委員会に提出したものです。これを受けて原子力安全委員会は、住民の安全確保の観点から、二十キロ以遠で二十ミリシーベルトを超えるおそれのある区域を計画的避難区域というふうに設定することを提言いたしました。
 代谷委員、ここで、この資料二で青く塗っているところが飯舘村あるいは川俣町の山木屋地区であります。この赤で塗っている部分、これは飯舘村、川俣ではない伊達市あるいは二本松市の二十ミリシーベルトを入っているという地域です。代谷委員、この赤で塗り潰した部分、これは二十ミリシーベルトを超えるおそれのある部分というふうに認識してよろしいでしょうか。

○政府参考人(代谷誠治君) お答えを申し上げます。
 今御指摘のございました地域でございますが、モニタリングの結果によりますと、現在のところ、この等高線で書かれているようなところが二十ミリシーベルトを超えるというように認識しております。

○佐藤正久君 文部科学省も同じ認識でいいですか。

○副大臣(鈴木寛君) そのように認識しております。

○佐藤正久君 官房長官、これは文部科学省が作成をして、原子力安全委員会もこれを認めています。
 今回、住民避難区域、住民の安全確保の観点から避難をお願いすると、政府がこれから発表する予定の区域です。川俣町の山木屋地区、これは全てではないんですけれども、安全確保の観点から全ての地域で、山木屋地区全てで避難をお願いしますという地域になります。ということは、この伊達市や二本松市の一部も計画的避難区域というような扱いにしなくてよろしいんでしょうか。官房長官の御見解をお伺いします。

○大臣政務官(中山義活君) この避難のことはちょっと二つの考え方があると思うんです。
 プラントがまだ自律した冷却システムができておりません。ですから、まず二十キロ圏内はどうしてもここは避難区域として、この中には入らない。その外での話として、年間で二十ミリシーベルト、これについては、やはり官房長官と地元とよくお話をされる、これ官邸だけで決めるわけにはいきません、地元を説得してお話をするということが第一でございまして、地元が納得するようにしっかりやっていきたいと思っております。

○佐藤正久君 今、答弁ありました、官房長官が地元と調整をすると言われましたけれども。

○大臣政務官(中山義活君) 官邸がですね。

○佐藤正久君 官邸がですか。
 じゃ、官房長官、この赤で塗られた伊達市あるいは二本松市、これは二十ミリを超えるおそれがあるというふうな地域です、政府の今の答弁だと。これについて地元と調整はされていますか。

○国務大臣(枝野幸男君) 今、経産政務官からお話しになりましたのは、一般的なお話としてされました。
 今日、資料二で配付をされました資料に基づくと、今のような安全委員会と文部科学省から御答弁があったとおりでございますが、その上で、これはこの間の様々なモニタリングの結果と、さらにSPEEDIなどによるシミュレーション等いろいろと併せてこういう推計をした上で、さらに御指摘いただいた地域については、地域的な広がり性等を全部考慮した上で、なおかつ、きちっと今後のモニタリングを強化していくということの中で、現時点で計画的避難区域に含めるのは時期尚早と言うべきか、むしろもう少し様子を見て、これは一年間積算をした場合の推定で二十ミリを超えるおそれがある地域ということでございますので、当然可能性があることは否定をいたしませんが、更にモニタリングを充実した上で今後しっかりと、もしそういうリスクがあるのであれば考えていくということでございます。

○佐藤正久君 官房長官、これは人間の安全というものがかかわって、大事な話なんですよ。いいかげんな話では本当に済まない話であって、今まで自分が住んでいた土地、これを離れる。物すごい重たい決断なんです。ただ、それも安全という観点から政府が言うからやむを得ず受け入れないといけないと。すごく重たい判断なんですよ。政府がこういうデータを出している以上は、安全という観点で、地域的広がりで避難お願いしますと言うんであれば、可能性があるところ、これはやっぱり話合いをするというのが当然だと思いますよ。これは責任を持って政府が出している資料ですから、しっかりとそこは対応をしていただきたいと思います。
 特に、この二十ミリシーベルトの意義、これは物すごく大事なんですよ。今住民の方が不安なのは、二十ミリ以上が危なくて、じゃ、十九ミリシーベルト以下は安全なのかと。非常に、今この政府が出された絵で、二十ミリシーベルトより外の部分の方々が非常に心配をされている。本当に十九ミリシーベルトは大丈夫なのか、十五では大丈夫なのか。これ年間ですけれども、二年間たったらどうなんだと。
 官房長官、十九ミリシーベルトは避難ではなくて、二十ミリシーベルト以上は避難だと。これはどういうふうに国民に説明しておられますか。

○政府参考人(代谷誠治君) 今の件についてお答えしたいと思います。
 この二十ミリシーベルトというところが出てまいりましたのは、国際放射線防護委員会、それから国際原子力機関、そこで緊急被曝状況の放射線防護の基準値というのが二十から百ミリシーベルトということでございます。
 それで、その緊急時被曝の状況というところはやはり避難区域ということが私は適切ではないかというように考えております。

○佐藤正久君 全然国民には分かりにくいですよ。それは、今言っているのは、ICRPの方が二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトで、一番下の部分を取ったというだけでしょう。二十ミリシーベルトの医学的な意味を説明し切らないと駄目なんですよ。
 二十ミリが、これ、官房長官、本当に大事な話で、二十ミリシーベルトだと医学的にやっぱりこれは危ないから避難してください、十九ミリシーベルトだと年間大丈夫ですよと言い切ってもらわないと本当に困るんですよ。じゃ、十七はどうなんですか、十五はどうなんですかと、みんな不安を持っているんですよ、福島県民は、安全という観点から。
 官房長官、十九ミリあるいは十五ミリシーベルトが安全だと医学的にどういうふうに説明されておられますか。

○国務大臣(枝野幸男君) 被曝した放射線量に応じて将来リスクがどういう被曝を受けたら高まるのかということについては、過去の広島、長崎の原爆、それからチェルノブイリ等の様々な追跡調査の結果、受けた放射線量とそれからがん発生のリスクの増加との間に相関関係が見られるのは、放射線量が数百ミリシーベルト単位以上のレベルであるというふうになっております。
 したがいまして、実は相当ゆとりを持った数字で百ミリシーベルトという線量範囲が従来取られておりますし、緊急時の、一番緊急事態のところにおいてもこの百というのが一つの基準になっておりますが、さらに専門家の皆さんが非常に安全性を見て、こうした過去のデータから見て相当な安全性を見て二十という基準が国際機関においても設けられているということの中で、今回その中の二十から百の最も低い数字を取って、したがって、二十なら危険ということでもないわけであります。
 つまり、万が一のリスクということを考えたときでも二十であれば問題ないであろうということでございますので、逆に言えば二十なら危険であると直ちに言えるものではなくて、今申し上げたようなことの中から、相当な安全性に念を入れた中で二十ミリシーベルトという線が国際機関の中でも最低のところの基準として出されている。我が国としても、避難等いただくという大変な御負担をお掛けをする中ではありますが、最も安全性の高い側面の数値を取ったということがこの間の経緯でございます。

○佐藤正久君 官房長官、今の発言は、福島県民にとってはふざけるなという発言になってしまうんですよ。二十ミリシーベルトでもかなり安全だというようなことを言ってしまったら、避難しなくていいじゃないかとなってしまうんですよ、本当に。土地を捨てる、物すごく大きな決断なんですよ。いいですか。今みたいな発言だと、余裕を持って二十、百でも大丈夫だ、数百で大丈夫だという話をしてしまったら、避難しなくてもいいという人が出てしまうんですよ。
 じゃ、代谷委員にお伺いします。
 例えば、これから来年の三月十一日までの間、秋まで半年、今言われている飯舘村等で農作業をして、秋から来年の四月までこの計画的避難区域の外に出たら二十ミリシーベルトを超えませんよね。これは安全なんでしょうか。

○政府参考人(代谷誠治君) お答えさせていただきます。
 安全ということの考え方によろうかと思います。この場合の安全というのは、先ほど官房長官の方からもお話がございましたように、線量とそれからそれの影響ですね、それによる放射線の影響というのが比例関係にあるということで取っております。ということは、一つ、少し超えればリスクが増えることは確かなんですけれども、そこのところは、例えば二十を〇・一超えたら、〇・一下回ったらというような形で見ますと、その差は非常に少ないというのが現実でございまして、ただし、これについては国際的にいろいろと議論がございまして、こういうことで放射線防護というのはやっていこうという、そういうことでの合意がされております。そういうことでの、我々としては、安全の基準としての判断を行うときにそれを使わせていただくということが妥当ではないかというように考えております。

○佐藤正久君 そういう曖昧だと、せっかく気持ちを決めて安全の観点から避難を決断した人も残ってしまいますよ。今言われたように、二十ミリシーベルトであれば、半年間農作業をして外に出たら二十ミリ超えませんよね。代谷委員、超えませんよね、どうですか。

○政府参考人(代谷誠治君) 計算の上でそういう考えは成り立ちます。

○佐藤正久君 官房長官、成り立ってしまうんですよ。前提が崩れちゃうんですよ。
 今、じゃ、実際外に、川俣町とか福島市に住んで、飯舘とかの方に通勤をすると、屋内で、八時間工場で仕事をする、二十ミリ超えませんよ。こういうことをやりたいという人もいるんです、今、実際に。二十ミリというものを超えないでいいんであれば、外から通う、あるいは数か月仕事をしてそれから村を離れる、そういう意見もあるんですよ、官房長官も聞かれたかもしれませんけれども。この部分がはっきりしてもらわないと、そういうこともできてしまう。
 これは、政府の方は、例えば外から通う、半年間飯舘村におられてそれから外に出る、これも認めるという考えなんでしょうか、官房長官。

○国務大臣(枝野幸男君) 佐藤委員の御指摘は、特に住民の皆さん、土地を離れたくないというお気持ちの皆さんの心情を考えれば、一つ大変ごもっともなお考えだというふうに思っております。
 一方で、この放射線による影響というのは全てが解明をされているわけではありません。そうしたことの中で、過去の経験に基づいて、先ほど私が申しましたとおり、数百ミリシーベルトを超えるところではがんの発生のリスクとの関係で一定の相関関係があるということも分かっているわけでございます。
 そうしたことの中で、住民の皆さんに万が一にもこの原発事故による健康被害をもたらさないということのためには、国際的な様々なルール、基準に基づいて安全性に十分配慮した中で対応をしていただくということ、これはもう土地を離れたくないと、大きな影響を受ける住民の皆さんにとっては大変な御無理をお願いしますが、しかし、どこかできちっとした今のような前提の中で線を引かなければ責任を持って安全ですということを申し上げられないということも御理解いただければと。
 その中で、今委員からお話ありました、いろんな応用の中でできるだけ従来の生活に影響を与えないようなやり方で安全性を確保する、あるいはできるだけ早い段階で戻っていただく、あるいは戻っていただいたときに従来の生活をできるだけ早く復旧することに向けた様々な工夫については、安全性を前提としながらも、今地元の皆さんと、いろんな御意見を伺い、それについて柔軟に対応できるところは最大限柔軟に対応させていただこうという努力はしています。ただし、あくまでもその安全性、二十を超えないということについて、一定の基準に基づいた中で努力、工夫をさせていただきたいと思っております。

○佐藤正久君 官房長官、自分で答弁されていて、さっきの答弁とやっぱり変わっているという部分は気付いていると思います。安全性を優先すべきなんです、やっぱり。であれば、この赤いところについても当然議論しないといけませんし、そう言われるんであれば。
 また、二十ミリシーベルトということを政府が言った以上は、その数字に対して責任持たないといけないんですよ。いいですか。二十ミリが、それは数百ミリでもいいとか百ミリでも大丈夫だと言ってしまったら、みんな大混乱になっちゃうんです。安全ということで避難してくださいというんであれば、数字に対してやっぱりしっかりとした説明をし切らないと、曖昧なこと、百ミリでも大丈夫ですと言ってしまったら残っちゃいますよ。自分が意図していることと違うことが起きてしまう。
 これは本当に大事な話なので、やっぱり二十ミリシーベルトは、この科学的、医学的意味をやっぱり住民に分かりやすく説明しないといろんなことが起きてしまう。応用を認めていいとなってしまったら、それはそれで、じゃこの二十ミリはどうなんですかと。多分これはジレンマになるかもしれません。でも大事なことは安全確保ですから、そこの軸だけはぶれないようにしていただきたいというふうに強く要望します。
 そしてまた、今回学校の安全基準が出されました。この資料二の上の方にちょっと計算式を今書いています、資料二の上の方に。これ、三・八マイクロシーベルト掛ける八云々以降の部分は文部科学省が採用した計算式を採用しています。これは、これまでの累積の放射線量に加えてこれからの放射線の予測というものを計算した場合の計算式です。今までもう約四十日過ぎましたということを考えると、残りが三百二十五日、これが文部科学省の計算式を当てはめた場合、残りどのぐらいの積算線量があれば二十ミリを超えるかというと、簡単に言うと二・五ミリシーベルトがあると文部科学省が設定している二十ミリを超えてしまうんです。
 ということは、やっぱり場所によっては二・五、文部科学省が今まで出したデータでも、この二十キロの二十ミリシーベルトの外でも実際に二・五ミリシーベルトを超える地域があるんですよ、文部科学省が出したデータで。と考えたら、やっぱり学校の安全基準を考えるときに、生活の中で学校があるわけだから、これまでの積算線量とこれからの予測というものを合わせて二十ミリシーベルトにならないようにした方が私は適当だと思いますけれども、文部科学省の見解をお伺いします。

○副大臣(鈴木寛君) 今委員おっしゃったとおり、これまでの分とこれからの積算予想、これを足して二十ミリシーベルト以下に抑えていくという基本的な認識は同じでございます。

○佐藤正久君 であれば、文部科学省がおとといですか、発表された計算式、あれには積算線量は入っていないんですよ。片や計画的避難区域を政府が設定した文部科学省の前提では、積算線量とこれからの予測を合わせているんですよ。片方では計画的避難区域の二十ミリシーベルトに積算線量を入れておいて、片方の子供の学校という観点だと積算線量を入れずに文部科学省がこれからの予測という部分を重点に置いてあのような計算式を出されたと。私は、場所場所によってしっかり計算のモニタリングとか実績データがあるわけですから、積算線量とこれからの部分を、三百二十五でもいいですよ、三百二十でもいいです、加えたやつでも測り直すという方向が私は望ましいと思います。いかがでしょうか。

○副大臣(鈴木寛君) 今回は、五十二の学校については再調査をいたしました。それに基づいて、それぞれの学校のこれまでの四十日程度の、四月十四日までの、ですから一月ですか、以上の数値というものがこれでシミュレーションできます、推定できます、これ過去の分ですね。そして、それを踏まえてこれからどうなるのかということを算定して、それでもなお二十ミリシーベルト以内に入っているという計算というか、そのことを確認して行っておりますので、基本的に委員との認識にずれはございません。

○佐藤正久君 であれば、文部科学省のホームページですか、計算式を出している部分、あれ直した方がいいですよ。直した方がいい、入ってないんですから。単純にこれ、三百六十五で括弧の中を掛けているだけなんですよ、そうでしょう。副大臣がそう言われるんであれば、あの計算式を変えてください。
 実際にやっぱり二・五を超えているところもあるんですよ。実際に、文部科学省が出したデータのある地区は二・六とか出ているわけですから。今ここで、みんな不安に思いますからあえて地区名は言いませんけれども、実際出ているんですよ、この四月十日の安全委員会の出した資料の中にも。あえて言いませんけれども、その辺りは修正をお願いしたいというふうに思います。
 それと、官房長官、先ほど言われたように、一度計画的避難区域から避難していただいた後、やっぱり早く帰れるようにするためにはいろんな工夫が必要なんです。私も農家の出身なんですけれども、やっぱり土、土壌というのは農家にとっては命ですから、特に畑作農家にとっては命です。土がやられてしまった、これは農業をするなということと同じなんですよ。
 だから、そういう意味で、今回避難した後、田んぼや畑、余っていますから、そこを使って実験をするということも私は非常に大事だと思うんですよ。日本の英知を集めて、例えば田んぼであれば、ある田んぼはしっかりと稲を植える、ある田んぼは稲を植えずに水だけ流す、ある田んぼはそのままという形で、どういうふうにそれが影響出るかという実験も併せてやるということが、次に一日も早く帰るための手だての手段の一つかもしれません。
 いろんなことを、ただ避難だけではなくて、避難と併せて、その間どういうふうにこの手だてをするかということも併せて真剣に政府は考えるべきだと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(枝野幸男君) 今の点は御指摘のとおりだというふうに思っておりまして、一方で計画的避難で出ていただきたいということをお願いをする中で、どこまでの作業を実験的にでもできるかということについては今詰めの議論、検討をさせているところでございますが、できるところから、できるやり方から、まさに土壌をどうやって改良して、できるだけ早く農業を安全に、安心できる農業をやっていただけるかということに向けての作業は避難をしている間でもできるところから最大限やるということで、農林水産省中心に私の方から指示をして今検討をさせているところでございます。

○佐藤正久君 よろしくお願いしたいと思います。
 ただ、今も、もう実際に作業をされている方も一部いらっしゃいます。今から営農指導しておかないと間違っちゃうんです。例えば、アルカリ系の肥料なんかまいてしまったらどんどんしみ込んじゃいますから、どうせ肥料をまくんであればカリウム系をまくとか、もう今からやらないと間に合わない部分あります、どんどんしみ込んじゃいますから。これからではない、今から対応をお願いしたいと最後に求めたいと思います。
 次に、資料三を御覧いただきたいと思います。これからは原子炉の安全化に対する政府の協力という点についてお伺いいたします。
 これは、東京電力が発表した収束への道筋というものをまとめたものです。保安院の方は、海江田大臣も述べられておりますように、この道筋を作るに当たっていろいろアドバイス、御意見を述べられているというふうに伺っています。
 代谷委員、原子力安全委員会もこの道筋作成に関与され、あるいは意見等を述べられましたか。

○政府参考人(代谷誠治君) お答えいたします。
 この件につきましては、原子力安全委員会として、この道筋を作成するときにかかわったということはございません。

○佐藤正久君 かかわっていないという明確な答弁がありました。
 菅首相が政府挙げてこの収束に協力するともう言われている以上、やはり保安院あるいは原子力安全委員会併せて、これにやっぱりアドバイスあるいは評価、見直しというものが必要であればどんどんやればいいんですよ。これはあくまでも道筋ですから、状況が変わったら変えればいい。
 代谷委員、保安院の方からこの道筋について評価とかアドバイス、コメントを求められたら、委員会としてこれをお返しするという用意はございますか。

○政府参考人(代谷誠治君) 今の御質問でございましたように、まさに言われたところが安全委員会の役割というように考えておりますので、そこの部分については積極的にそういうことを進めてまいりたいと思っております。

○佐藤正久君 官房長官、やっぱり安全委員会の方はもう積極的にやりたいと言われています。今回、東京電力が主体に作られた。だけど、やっぱり政府が関与していないということで不安に思っている国民もいるんですよ。やっぱり大事なことは、一日も早く安全を確保しながら収束をする、これがポイントですから、保安院なり安全委員会、併せてこれ意見を述べる、評価をするという作業を命じたらいかがでしょうか。

○委員長(松井孝治君) じゃ、先に中山経済産業大臣政務官。

○大臣政務官(中山義活君) 政府の方も経済産業省はアドバイス等関与をいたしております。
 私たちの考え方としては、止める、冷やす、閉じ込める。で、どこが今の状態かといいますと、冷却を自律システムでやるということが今一番の課題でございまして、ここのステップを越えないと次に行かないというようなことで、それを早急にやるようにということをアドバイスはいたしております。

○委員長(松井孝治君) 枝野官房長官、補足答弁ございますか。

○国務大臣(枝野幸男君) 今、経産政務官からもお話ありましたように、アドバイスを私からすると、更に踏み込んで、これは統合本部、これについては御批判もいろいろございますが、東京電力とそれから保安院を中心として政府とがかなり一体的にこの工程表の作成に当たっても協議、検討をして出しております。そうした意味で政府が関与をしておりますし、この工程表については政府としても責任を持って進めていくという責任を持っております。
 その上で、安全委員会は、これはチェック機関という位置付けですので、中に入り込んでしまっては逆に第三者性が問題になりますので、当然のことながら今後のこの進み具合等については安全委員会から積極的に様々な声をいただいて、それも踏まえながらやっていくというふうに思っております。

○佐藤正久君 やっぱり、非常に何か責任逃れをしているようにしか聞こえないんですよ。この前の首相の発言も協力をするという表現なんです、全て。ここは本当、国がやっぱりある程度前面に乗り出すぐらいの覚悟でやらないと、福島県民、私も地元ですけれども、本当、不安なんですよ、なかなかみんな、何があると東京電力が、東京電力が。東京電力がではなくて、やっぱりこういうものを東京電力が主体として作ったと言っているわけですから、であれば、原子力安全委員会、もうプロ集団でしょう、その意見をやっぱり求める、当たり前だと思いますよ。そんなにちゅうちょする必要は私はないと思います。
 安全委員会の意見を求めると、もう一度明確に答弁をお願いします。官房長官。

○国務大臣(枝野幸男君) 当然、こうした原子力発電所の収束に向けたプロセスについても原子力安全委員会から厳しくチェックをしていただいて、意見を求めながらやってまいりたいと思っています。

○佐藤正久君 今、明確な答弁がありました。それを期待しております。
 では、じゃ、今のその前提となる現状についてお伺いします。
 保安院に現状をお伺いします。今、一号機から三号機の炉水、燃料棒よりも低い状態、言わばむき出し状態という認識でよろしいですか。

○政府参考人(中西宏典君) 今委員御指摘のように、現在、我々が知り得ておりますプラントの状況、炉水の位置、その測定値自身は今御指摘のように一部燃料棒が完全に炉水に浸っていないという数字は測定してございます。
 ただしかしながら、測定値自身、今回の事故を契機にいたしまして、本当に真の値を示しているかどうかといったとこら辺も併せながら、その数値を見ているところでございます。

○佐藤正久君 多くの国民はやっぱりそこは意外と知っていないんですよ、説明していないから。一号機から三号機は、あの爆発以来、ずっと炉心がこのデータによるとむき出し状態なんです。それで、燃料棒が損傷したり、あるいはもう溶融しているという部分がある。
 じゃ、一番深刻と言われている二号機についてお伺いします。二号機、なぜ今も燃料棒を水で満たすことができないんでしょうか。

○政府参考人(中西宏典君) 現在のところ、既に燃料棒に対しまして常に海水を掛けて冷やしているというところでございます。そういう意味では、一〇〇%燃料棒が水に浸っているという状況ではございませんけれども、全体の長さの、燃料棒の長さの半分以上は常に水に浸っているという状況を通じまして燃料棒自身を冷却しているというのが現状でございます。

○佐藤正久君 保安院からいただいた資料だと、十九日段階で約二メーターマイナスなんですよ。だから、二メーターぐらい出ているという状況。
 ということは、二号機については燃料棒を水で満たすことができていない、その燃料棒の一部は溶融している可能性があり、かつ圧力抑制室、これが破損している可能性があるという認識でよろしいですか。

○政府参考人(中西宏典君) 今の御指摘のところでございます。今の御指摘のところは、過去のこれまで発災以降の事象の進展、そういう進展の過程におきましては今御指摘のような状態が発生していたことはあると思います。しかしながら、現在は、先ほどの繰り返しになりますけれども、燃料棒自身は全体四メータープラスぐらいの長さのうち半分は冷却水に浸っているというふうに理解してございます。

○佐藤正久君 普通は炉水というのは燃料棒より高いんですよ。それが半分しかないと、普通はそう思います。だから、安定的というのは分かります、データ的に。ただし、現状として、一番心配な二号機、燃料棒が約半分ぐらいむき出し状態で、しかもそれが溶融というような状態の可能性が高いと言われています。なおかつ、そこからつながっている圧力抑制室、これに損傷が出ている。
 こういう辺りをうまく総理や官房長官に伝えないと、やっぱり間違っちゃうんですよ。特に、計画的な避難区域の原因とも言われている十五日朝六時の二号機での爆発音の事故。十五日の首相とか枝野官房長官の記者会見を見ていると、二号機に対する言及が少ないんです。十一時の総理の会見、一言も触れていないんですよ、二号機の朝の六時の爆発について。これが今回の飯舘、川俣の元凶でもあるのに一言も触れていない。本当にしっかり情報が伝わっていたのか。枝野官房長官の記者会見についても二号機についての言及は非常に少ない、ほかの三号機とか四号機はあっても。
 ここをしっかり伝えていれば、単なる二十キロ―三十キロ、三十キロの中の屋内退避だけではなく、風向きも、深刻だと思えば風向きも併せて言えばよかったんです。風向きを言えば、風下の方の川俣、飯舘、浪江の方々、これは注意してくださいと言えば、わざわざ南相馬の方々が、二十から三十の屋内退避と言われた方が自主的に避難をして飯舘とか川俣に行かなかったんですよ。わざわざ大きな被曝線量を受ける可能性があるところに移動してしまったんです。風下さえ一言言えば行かない、これは普通自衛隊では当たり前の話なんですけれども、風下の方には行かない、何かあったら。そういうことを言っていない。
 この原因は、この二号機の状況、これを保安院の方、あるいは東電さんの方から官邸の方にうまく伝えていなかったんじゃないのか。違いますか、保安院。


○政府参考人(中西宏典君) 二号炉の状況につきましてでございますけれども、確かに十五日の朝、早朝に圧力抑制プールと言われているところら辺で爆発の音がしたというようなことは公表してございますけれども、それらが具体的にどういうふうな事象だったのかというのは、その時点では詳細は分かっていなかったというのは事実でございます。

○佐藤正久君 じゃ、資料四を御覧ください。これに二号機の状況、これ保安院とあるいは東電からいただいたものを付けています。
 左は炉水位と、こう入っていますけれども、一号機、十二日に爆発しました。三号機、十四日に爆発しました。それぞれともここに書いていませんが、データ見ると、これ燃料棒が露出して半日から一日過ぎてどんといっているんです。そういう状況を踏まえて、今度二号機、十四日の十六、十五時ぐらいからどんどん減り始めて、十七時でもうマイナス八十センチ、で、計測不能、どんどん減っていると。
 前の一号機、三号機の状況を見たら、これやばいと考えるのは当たり前です。私だってそう思います。だからこそこの炉圧の方を、中が高まっている圧力容器の中の水蒸気を逃がしたんでしょう、これ、十七時から十九時の間に。明確に出ているじゃないですか。やばいと思って逃がしたんですよ。兆候を把握しているんですよ、もう既に、東京電力や保安院の方は。
 実際、それからずっと圧力が低いまま、
要は格納容器のところまでは、濃い放射性物質を含んだ水蒸気等がもう格納容器まで入っている状態。格納容器と、この一番右側に書いてあるサプレッションチャンバーという部分の、これは圧力抑制室です、の方にもつながっている。この圧力が十五日の五時から六時二十八分の間に三百キロパスカルからゼロになっているんです。
 音がしている。誰が見たって、これは破損したり抜けてる。それからずっと計測不能なんですから。誰が考えたって、圧力容器からつながっている、濃いものを出したつながっている圧力抑制室がどんといっている、やばいと思うに決まっているじゃないですか。それを伝えていない。だから、十一時の段階で首相は一言も二号機に触れていない。しっかり言っていないから、単なる同心円状で出してしまった。何やっているんですかと思いますよ。
 そのおかげで、本当に今回の計画的避難区域の飯舘も川俣もそうですけれども、実際、南相馬から、政府の指示で二十から三十の人たちは屋内退避してくださいと言われましたよね、十五日の十一時に。みんなそれで自主的に避難した人が川俣とか飯舘に行ったんですよ。この辺の、誰が見たって、このデータ見たら、専門家が見たら、私より専門家が見たら分かるに決まっているじゃないですか。濃いものが漏れた。
 官房長官、やっぱり東電からしっかり情報を取るという体制、まだ原発災害続いていますから、これは強化しないと本当にいけないと思いますよ。この資料を見ていかがですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、ちょっと時系列、私も非常にいろいろなことが起こった数日間のところなので、正確に今記憶に基づいてお話がどこまでできるかなんですが、二号機でサプレッションプールから爆発があった模様だということは早い段階で報告を受けて、私から記者会見で発表しているというふうに記憶をしております。
 同時に、これは結果的に今二号炉が一番濃度が高かったのではないかと予測がされていますが、一号機、二号機、三号機、いずれも運転中のものを止めた直後、あの地震によって止めた後、そこから放射性物質が出ているということ、その放射性物質が出るプロセスというのは、水が空っぽになって空だきになってということが原因になっているということでありますので、一号炉、二号炉、三号炉、いずれにおいても高い濃度の放射性物質が大気中に出ると、二号機もこのサプレッションプールの爆発と思われる事象が生じたことによって出ている可能性が高いということは認識をいたしまして、そのことを前提に対応してきたつもりではございます。
 ただし、さらに、御指摘いただいた東電から情報を早く出させるということについては更に強化はしたいと思っております。

○佐藤正久君 もう覚えていないかもしれませんけれども、十五日の朝の段階で、プラントの周り、すごく上がったんです。官房長官も記者会見で述べていますよ。今までと違う、もう何万ベクレルも上がったと言っているんですよ。放射線濃度がかなり上がったと。一号機、三号機とは全然違うんですよ、周りの濃度が。でも、誰が考えても水素爆発と圧力抑制室の破損とは全然意味が違うと。こんなのみんな分かりますよ。一号機、三号機と同じだという認識を持つこと自体が、やっぱり保安院又は東電からの説明が不十分だと思います。今の官房長官のそういう認識はちょっと違うなと思いますよ。実際にデータ的に上がったと御自身でも言われているんですから、十五日の朝、二号機が爆発してから。一号機と三号機と違うと言われているんですよ。であれば、この辺の対応、しっかりしないといけない。
 私はもう、批判ではなくて、まだまだ災害は続いているので、しっかり保安院とかがチェックしないと、東京電力を、やばいと思っているんですよ。実際に、この十五日から二十二日の間、サイトには保安院誰もいなかったんですよ。誰が東京電力の数字をチェックするんですか。みんな、オフサイトセンター、福島市に移動したために、サイトに十五日から二十二日の間は誰もいなかったんです。東京電力の数字を信用するしかないんです。これはやっぱりおかしな話であって、政府の保安院という組織があるわけですから、そこはしっかりしないといけないと。保安院がしっかりしてもらわなければ、誰も信用できなくなっちゃうんです。だから今言っているんです。
 今回の工程表一つ取っても、人間工学を考えたとは思えないんですよ。今、現場の所長から東京電力の本店に物すごく苦情が来ている、官房長官、御存じでしょう。人が足らない、もう四十日、疲弊しまくっている、生活環境も厳しい、人を増やしてくれ、この工程表、多正面でとても無理だと。しかもこれから暑くなる。あの防護服を着て今までみたいな作業をできないでしょう。みんな言っているんですよ。だからこそ、やっぱり安全委員会等いろんな方々のアドバイスを得ながら工程表を修正したっていいんですよ、大事なことは安全ですから。だから、そこは政府の方がしっかり関与しないと、この原子炉の安全化、ここをやらないと、本当大変なんですから。そういう意味で今日はいろいろ、政府の、原子炉の安全や協力について今まで質問をさせていただきました。
 最後に、厚生労働副大臣来られていますので、昨日に続きますけれども、やっぱり冷たいですよ、厚生労働省。やっぱり二十キロから三十キロ圏内で事業をされている方々に対しても雇用調整助成金、出してあげるべきです。失業保険でいいといっても、今度は失業の形になりますから、やっぱり事業主と従業員とのきずなという関係でもこれは問題だし、あるいは従業者の観点からしても、取りあえず失業状態、やっぱりなかなか再開しないから新しいところに就職しましたと、でもそこでもうまくいかない、じゃ、それを辞めました、もう一度失業保険をお願いしますと言ったときに、やっぱり不利益を被るわけですから。
 ましてや、枝野官房長官、今度、緊急時避難準備区域が設定されます。これは屋内退避でもありません。もっと多くの人が帰りますよ。そのときに、緊急避難準備区域指定した後、本当に雇用調整助成金まだまだ出さない。政治家が決めればいいわけでしょう。昨日は出さないと言ってましたよ、二十―三十の間は。
 小宮山副大臣、やっぱり政治として、本当にあの現場で困っている人がいる、ましてや緊急時避難準備区域、こういうものが設定されるというのであれば、これは認めますということを言ってほしいですよ、本当に。いかがでしょう。

○副大臣(小宮山洋子君) 昨日から答弁を何度もさせていただいていますが、雇用調整助成金は、御承知のように事業主が納めました雇用保険料のみで運用されておりますので、災害や法令の規制等で休業をしたといったような事業主の共同連帯で対応すべきものでないものについては、これは適用ができないのです。それで、原子力災害特別措置法に基づく屋内避難指示を理由とした休業は、その労働者が賃金や休業手当を受けることができなければ雇用保険の特例措置でやるということが今まで御説明してきたとおりです。
 ただ、現在屋内退避指示の対象となっている地域でも、これが解除をされまして、今おっしゃった緊急避難時準備区域になりました場合には、実態として事業活動がある程度自由に行えるものと考えられますので、要件を満たせば、こうなった場合には雇用調整助成金を利用できると考えております。
 このようにそれぞれのケースによって、冷たいと言われましたけれども、労働者の雇用を守れるように最大限可能な方法を考えてやっておりますので、今御指摘の緊急避難時準備区域になった場合には雇用調整助成金を適用できるように、要件が満たせばですね、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○佐藤正久君 ありがとうございます。昨日よりも一歩踏み込んでいただきました。
 昨日は、計画的緊急避難準備区域、二十―三十も駄目だという話だったんです。ただ、官房長官、普通に考えて、三十キロ圏外の地震、津波で経済上の理由により事業が縮小したときはそれは雇用調整助成金が出ます、でも原発の二十―三十は駄目ですと、これはなかなか分かりにくいですよ。実際それが弊害となって、ハローワークで失業手当の方も駄目だと言っている状況ですから。
 この辺り、官房長官、最後に一言、今後ともこういう混乱がないように頑張りたいと、一言でいいですからよろしくお願いします。

○国務大臣(枝野幸男君) 私も昨日の朝刊を読んだときに、何だこれはと思いましたので、一般の皆さんがそう思われるのは当然だと思います。ただ、きちっと説明を聞くと理屈立てが非常によく分かったんですが、しかし、それがちゃんと現場に、特にハローワークすら下りていなかったという実態は大変深刻だと思っておりまして、これについては厚生労働省に対して厳しくしっかりと、ただ、福島のハローワークじゃなくても避難者は全国にいらっしゃいますので、どこのハローワークに行ってもちゃんときちっと説明して十分な対応ができるように指示をしたところでございます。

○佐藤正久君 終わります。

○牧山ひろえ君 参議院議員の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 今回の東日本大震災を受けて、復興の資金づくりのために、子ども手当など政府が行おうとしていた様々な政策に関して見直しをせざるを得ない状況になってきています。そんな中で、平成二十三年度税制改正法案に盛り込まれている市民公益税制、認定NPOへの寄附金に対する税額控除の導入は予定どおり実施されるのでしょうか。

○大臣政務官(尾立源幸君) お答えをいたします。
 牧山委員におかれましては、これまで寄附文化の醸成や、またNPOを支援をしていく、そういう活動に積極的に取り組まれておることをまず心から敬意を表したいと思います。
 その上で、今御指摘の平成二十三年度税制改正法案におきましても、新しい公共の担い手を税制面からバックアップしていくという思想の下で、一つは、認定NPO法人等への寄附金に係る所得税の税額控除制度の導入、これはフィフティー・フィフティーという考え方で国税、地方税で五〇%持つということでございますし、さらに、新たな認定NPO法人制度の要件緩和ということでPST基準の見直しなどを盛り込んだところでございます。
 この二十三年度税制改正の狙いというものは、経済の活性化とそして財政健全化を主としております。そしてまた、全体といたしまして、税制抜本改革の中で緊要性の高いもの、重要性の高いものを盛り込んでおります。そういう意味でこの市民公益税制もその一つでございまして、今衆議院の方で御議論をいただいておりますが、一体的に一刻も早く与野党の合意を得て成立させていただければと、そのように思っておるところでございます。

○牧山ひろえ君 大震災後に活発になっている個人の寄附活動を税制面でどういう形で御支援していく御予定でしょうか。

○大臣政務官(尾立源幸君) 委員御承知のように、今般、非常に個人の方々からの、さらにまた大口の寄附というのも、驚くべきような額も含めて集まっておるのは事実でございます。
 それを更に一層税制面から促進するという意味で、一つには、この四月の十九日に閣議決定をし、そして国会に提出をさせていただいております震災関連税制の中におきまして、大震災関連寄附については、まず一つ、現行で総所得の四〇%となっております寄附金控除の可能限度額というものを八〇%に大幅に引き上げることとさせていただいております。
 そして、二点目につきましては、認定NPO法人や中央共同募金会が大震災に関連してさらに救援活動を行うに当たって募金をする際にこの指定寄附金制度というのを導入させていただきました。この指定寄附金につきましては、税額控除制度四〇%というものを提案をさせていただいたところでございます。
 いずれにいたしましても、この二つの八〇%への引上げと四〇%の新設税額控除で大口、小口含めて双方に寄附をしていただきやすくしたところでございまして、さらに、先ほど御説明しました平成二十三年度税制改正の中に盛り込まれております市民公益税制の一部を先行して導入をこの震災関連税制でさせていただいたということでございます。

○牧山ひろえ君 復興復旧に向けて国民の多くが募金や物資支援に今参加している中ですけれども、この新しい寄附制度、すなわち寄附したお金の大部分が控除となって戻ってくるという仕組みですけれども、これを知ったら、きっと多くの方々がもっと寄附に参加したくなるのではないでしょうか。
 私は、野党時代から当時の与謝野大臣と寄附制度の改革について議論してまいりましたけれども、当初は与謝野大臣からは、日本はアメリカと違って寄附文化はなかなか成り立たない旨を伺いました。しかし、アメリカのような人種のるつぼである国に寄附文化が成立しているのは、私はそれは制度だと信じておりました。そう思って、私は、制度が寄附文化をつくる、だから日本においても制度をつくれば成り立つ、そう信じて寄附制度改革を訴え続け、そして進めてきたわけでございます。
 今回の震災をきっかけに、総所得の八割まで寄附金控除が適用されるという世界でも本当に例を見ない画期的な制度をつくるのですから、この制度を是非広報担当の方にしっかりと国民にお知らせしていただきたいと思います。役所のホームページだとなかなか一般の人にお知らせが行き渡らないと思いますので、皆様に分かりやすい方法で是非これを周知していただきますようお願い申し上げます。
 そして、復興復旧にはこれからたくさんの人々の手が必要だと思います。復興復旧そのものを仕事を失ってしまった被災者の雇用につなげる方法についてお伺いしたいと思います。
 その一つとして、「日本はひとつ」しごとプロジェクトという計画が始まったかと思いますけれども、その具体的な中身と進捗具合を教えていただけますでしょうか。瓦れきの撤去、また仮設住宅の創設、避難所でのお仕事など、なるべく詳しく教えていただきたいと思います。厚生労働省の方に。

○政府参考人(黒羽亮輔君) お答え申し上げます。
 「日本はひとつ」しごとプロジェクト、フェーズ1は、私どもの小宮山副大臣を座長といたしまして、被災者等就労支援・雇用創出推進会議において取りまとめを行った当面の総合対策でございます。被災した方々の仕事と暮らしを日本中が一つになって支えると、こういった基本的対処方針の下に、三本の柱、一つ目は復旧事業や雇用創出基金事業など確実な雇用創出、二つ目は被災した方々と仕事とのマッチング、それから三つ目は被災した方々の雇用の維持確保、この三本の柱を立てまして、関係省庁が連携して強力に対策を推進しているところでございます。
 この緊急雇用対策の主な実績等を申し上げますと、一つ目の被災した方々の雇用創出に関しましては、雇用創出基金事業に震災対策対応分野を追加いたしまして、当面の復旧に関する事業、被災者支援の事業、さらには、被災地復興に向けた事業などにつきまして原則被災した方々を雇用することといたしまして、これによりまして、岩手、宮城、福島の三県だけで約六千六百人の新たな雇用を創出する動きがありますほか、他県におきましても基金を活用した雇用創出について検討されているところでございます。
 雇用創出事業の具体的な取組例といたしましては、瓦れきの片付け、流出した漁具の収集、支援物資の仕分、運搬、ガソリンスタンドの誘導、避難所の支援、被災地のパトロール、高齢者の見守り、避難所の清掃、義援金の給付補助事務などがございます。
 被災した方々と仕事のマッチングに関しましては、ハローワークによる避難所へのきめ細かな出張相談を行うとともに、被災者を雇い入れる企業の開拓、住居の確保に取り組んでいるところでございます。これによりまして、被災者を対象とした全国からの求人件数は四月十五日現在で六千四百四件となっております。
 三つ目の被災した方々の雇用の維持確保に関しましては、雇用調整助成金につきまして特例措置の適用地域の拡大等を図ったところでありまして、事業主の方々からの御相談件数は四月十七日現在、岩手、宮城、福島の三県合計で一万二千二百二十六件となっております。
 今後とも、補正予算、法律改正などの対応、政府全体の復興構想を踏まえた中長期的な対策など、切れ目なく雇用対策に取り組んでまいる所存でございます。

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 今回みたいな大災害があった場合は、迅速な施策を施すために特別措置を講じるべきだと思います。ガソリンの輸送が滞ったという問題がありました。ほかにも、例えば船やヘリコプターでの物資輸送のための通常の規制を一時的に緩和する手だてはなかったのか。また、医師、看護師、介護士も、他国の免許も即座に認めるようにすることはできなかったのか。今回の災害を検証し、あらゆる緊急事態に対応できる法整備を早急に進めるべきだと思います。該当する省庁と緊急災害対策本部などで是非御提案いただきたいと思います。
 また、ガソリンの輸送に関してですけれども、例えば自衛隊員、消防隊員、警察官などの養成のカリキュラムの中に危険物取扱免許取得を入れて、この免許の持ち主を増やすことも御提案したいと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(東祥三君) 牧山委員にお答えさせていただきたいと思います。
 過去の震災、これを踏まえた上で常に起こる震災に対しての対応、この改善が図られてきておりまして、今回もこれまでの震災の政府の対応を踏まえた上で、その全てではありませんが、一部分は改善されてきていると、このように思います。その上で、とりわけガソリンの問題についての御指摘がございました。
 御案内のとおり、これほどの大規模な、また面的な、被災地が大きい、こういう被災というのは過去に例がなかったことは皆さん御案内のとおりであります。
 問題は、最初、この発生が起こってから七十二時間というのは人命を徹底的に救助しなくちゃいけませんし、その間起こったことは、通信が完全に途絶してしまう。その間なかなか、現場で何が起きているのかというまず情報収集、ここが最大の課題になりました。
 翌日から、ガソリンが枯渇している、重油が枯渇している、こういう情報は入ってきたんですが、しかし例えば、もう牧山先生御案内のとおり、陸前高田やあるいは南三陸町あるいはまた多賀城といったところは、そこにあったガソリンスタンドそれ自体がもうせん滅してしまっている。どうやってそこに近接させるのか、そういう情報把握にも相当時間が掛かったことは事実です。その上で、これらのものに対してどのような対応をしていったらいいのかということで遅れ、多くの被災地の皆さん方、被災者の皆さん方に不都合を与えてしまった、改めてこれを反省しているところです。
 ただ、特別立法の話になりますと、基本的に、震災が起こったときに、牧山さん御案内のとおり、道路も遮断されている。危険物取扱いという免許証を与えるわけでありますが、その人たちは果たして多くなっていいのか。個人の気持ちとしては分かります、被災地にできるだけ早く届けたい。しかし、道路も完備されていない、基幹道路もきちんとしていない、じゃ、輸送手段どういうふうになっているのか、そういうことを考えたときに、そこでもし渋滞が起こり、危険物取扱者がたくさんいることになると、また別の災害を起こす可能性もある。
 しかし、御指摘の本質は何かといえば、災害が起こったときに今まで、まあ昨今では想定外、想定外という言葉がはやっておりますが、想定外があってはならないんでありまして、何が起こったとしてもそれに対応することができると、そういう体制強化に向けて全力で頑張っていきたいという意味におきましては、御指摘の点も踏まえた上で更に検討させていただきたいというふうに思います。

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 復興復旧に要する財源確保のために、省庁のお金の使い方も見直す必要があると思います。村井衆議院議員を始め中塚衆議院議員、そして藤末参議院議員など数人の議員の方々と勉強会を重ねてまいりましたけれども、例えばPCですとか文具などの注文は今まで役所ごとの縦割りの注文だったんですけれども、これを全省庁一括購入のバルクで注文して安く購入するべきだと思います。今、一部の省庁だけが一括購入をしているということですけれども、これを是非全ての省庁に一括購入をやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(蓮舫君) 御指摘のように、復旧復興のために財源を確保していく努力を政府としても積極的に行っていかなければならない。
 今、共同調達なんですが、平成二十一年から財務、総務、経産省の三省で物品の共同購入を開始をしました。これ対象品目は、事務用消耗品、清掃用品類、OA消耗品、紙類で行ったんですが、制度を導入しますと、前年で、毎年買う総量が違うものですから単純比較はできませんけれども、総購入金額を比較をすると、制度を導入したら四割程度削減することが可能になりました。
 そこで、政府としては、昨秋、行政刷新会議の下に公共サービス改革分科会を設けて、そこでどういう共同調達が可能なのかを議論をしてまいりまして、今年度より霞が関の全府省、これ防衛省を除きますが、全府省で六グループに分けて共同調達を行い、対象品目も、従来の事務用消耗品に加えてガソリン等の新たな品目、あるいは速記、配送等のサービスまで広げて行っていくこととしております。

○牧山ひろえ君 蓮舫大臣ももう既に御存じだと思いますけれども、競り下げ方式というものがあります。これはアメリカとかEU、韓国などでも、諸外国における財政再建の切り札として使われている方式ですけれども、より安い入札を繰り返すことで公的機関でも民間並みの適正価格でいろんなものを購入できるという制度です。これは国の本庁、出先機関、公益法人、独立行政法人の全てで使えるものです。そしてこの方式は、特にコピー用紙、コピー機、机、パソコンなどの汎用品に強いという特徴があります。日本でも多くの民間企業がこの方式を既に導入されて、コスト改善に絶大な効果を発揮しています。省庁の中でも是非この方式を導入していただきたいと思います。
 また、今まで定価以上の金額で物品を調達していた事例も見てまいりました。特に、いわゆる少額での随意契約については公開義務がないので、民間価格より高い価格、いわゆるお役所価格で買っているようです。具体的にどういう場合が少額随意契約になるかと申しますと、予定価格が二百五十万円を超えない工事又は製造をさせるとき、また予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき、また予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき、こういった場合です。この場合が入札ではなくて担当者による不透明な随意契約となるわけです。そしてその金額も、民間価格ではなくて高いお役所価格になっています。この契約のうち、何と八九%が少額随意契約となっているにもかかわらず、会計検査院ですらこの件数と総額を把握できないほどです。しっかりこの少額随意契約について把握し、対応する必要があると思います。
 党政権で推進することになった、先ほどお話しした共同調達によるコスト改善にはこの少額随意契約の解明は欠かせないと思います。まとめ買いをすることで、百六十万円の少額随意契約の壁を越えて透明性を向上して、結果的にコストの抑制につながるものと思います。また、リサイクルできるものもないか、新品を買う必要性の見直しなども併せて厳しくチェックするべきだと思います。
 今現在、この点に関してどうなっていますでしょうか。

○国務大臣(蓮舫君) 御質問の前段の部分の競り下げですが、既に試行を行いました。今年の二月初めに公告を実施しまして、三月の下旬にシステム上の競り下げを、試行的ではあるんですが、実施をしたところでございます。これは、内閣府、内閣官房等が使用する平成二十三年度分のコピー用紙を対象に競り下げを行ったんですね。A4のコピー用紙が結果として単価が千八十円になりまして、過去三年間の単価、千二百五十九円に比べると確かに安く調達すること、落札することはできたんですが、昨年と比べると、昨年は千十円で、実は昨年よりも高くなってしまっている。
 市場の動向であるとかあるいは発注する数量によってもなかなか過年度と比較をすることが難しいんですが、実際に、じゃ、どれぐらいまで行政改革に資するかというのは、この試行的に行った競り下げの分析も含めて今後十分な検証を行い、ほかの省庁でも試行的に検討をしていただきたいとお願いをしているところでございます。
 質問の後段の部分の少額随契なんですが、まさに御指摘のとおり、この少額随契の中をもっと細かく検証することによって、寄せて集中的に競り下げであるとかあるいは共同調達に振り替えることによってコストを更に削減する効果はあるものと私も思ってはおりますが、実際、今、少額随契が全体で幾らぐらいあるのか、どういうものが行われているのかを網羅的に一覧するシステムがないものですから、それを、まずどういうものが行われているのか各省庁で明らかにしていただいて、その中から競り下げあるいは共同調達に移行できるものはないかというのを公共サービス改革プログラムで私の下でまとめたときには是非提言として入れたいと考えております。

○牧山ひろえ君 また、リサイクルできるものの分かりやすい例として、毎日私たちがもらっているあの厚い立派な封筒、あれも役人の数と国会議員の数を考えると毎日何万枚も使っていると思いますので、こういった点からも見直す必要があるんではないでしょうか。
 また、新しい公共の中の考え方としては、寄附者に今までと比べ優遇税制を図ることによって市民活動を盛り上げていくというのが趣旨の一つだと存じます。しかし、今は災害後の財政困難な状況ですから、税制優遇ばかりにこだわらず、例えば寄附者の名前を公共プロジェクトに付けてさしあげるというのはいかがでしょうか。億単位でいえば例えば病院や学校、十万円単位でいえば井戸やトイレなどが考えられます。例えば学校でしたら、一人の寄附者では賄い切れないかもしれませんので、教室ごとに寄附者の名前を付けるとか、あるいは被災に遭った子供の教育費を寄附する方がいるとします。その子供の学年に寄附者の名前を付けるとか、工夫すれば幾らでも人の名前を付けてあげることができると思います。
 実際に私が卒業しましたロースクールなんですけれども、各教室に寄附者の名前が付いており、その方の名前が金色のプレートに彫ってありました。また、学年ごとに学校に寄附をしている方の名前が付いていましたので、私の卒業年度にも名前が付いておりました。
 以上のように、公共の事業であっても、寄附した人の名前を、例えば何とか記念病院などと名付ける方法を広く紹介してはいかがでしょうか。特に、外国人の中には、税額控除よりもこのような御自身の名前を何かの形に残すことを望んでいる方もたくさんいらっしゃいます。生きているうちに何か形として残そうという方もたくさんいらっしゃいます。
 今までのやり方に加えてこのようなやり方も追加すれば寄附金ももっと集まると思いますが、いかがでしょうか。玄葉大臣。

○国務大臣(玄葉光一郎君) 震災があって、阪神大震災とまず今回の事態が違うというのはこれまでも申し上げてまいりましたけれども、大変広域にわたる被害である、原発事故、残念ながらまだ事態が収束していない、そういったこともありますが、財政も違うんですね。ですから、あのときの、阪神大震災のときの財政状況は、国、地方合わせての借金が三百七十兆、今はたしか平成二十二年末で八百七十兆です。ですから、牧山委員がおっしゃるように、この寄附、善意の寄附というものをいかに活用するかということは、これからの復旧復興を考える上で極めて大切なことだというふうに思います。
 先ほど尾立政務官が答弁をしていただいた、また今日ここにいらっしゃる皆様の御協力によって今寄附税制が進行中でございます。画期的な税制が生まれてくるというふうに思いますが、そういった税制のみならず、今御提案があった名前を付ける寄附というのも確かにもっと広く推奨していくべきだなと。まあ、タイガーマスク現象のように匿名がいいという方も、特に日本人は、これ日本人の一つの私は特質じゃないかと思いますけれども、そういう方々もいらっしゃいますけれども、また一方で、今、牧山さんがおっしゃったような、いやむしろ名前を付けて、別に売名ではないけれども、やっぱり後世に残したいという思いを持っておられる方々もたくさんいらっしゃると思うんですね。
 ですから、現に今回の震災後も、地方公共団体あるいは例えば独立行政法人とか、あるいは国立大学法人でもそうなんですけれども、そういったところに使途を限定しての寄附だっていいですよ、名前を付けることもできますよということをあえて実は被災者の支援チームが各地方公共団体に通知をしたというところでありまして、そういう考え方をできる限り広めてまいりたいと、そう考えております。

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 ここで資料配付をお願いしたいと思います。
   〔資料配付〕

○牧山ひろえ君 NPO主体ではありますけれども、寄附者の名前を付けてあげる制度として前例を御紹介したいと思います。
 配付資料の中に矢印で記したんですけれども、カンボジアの村であなたの名前が付いた学校を建ててみませんかという言葉が書いてあります。カンボジアですから日本とかなり物価が違います。寄附者は一万三千ドル出資し、そしてカンボジアの教育省の協力を得ながらアジア開発銀行からも出資していただくというシステムです。このプロジェクトは一九九九年に始まりまして、これまでに何と四百七十以上の学校が設立されています。
 是非とも、日本においても寄附者の名前を付けてあげる寄附システムを確立させ、ありとあらゆる方法で災害地域の立て直しを図っていただきたいと思います。例えば、公園のベンチなどにそのベンチの寄附者の名前が書いてあったり、植えてある桜の木に寄附者の名前が書いてあるなど、日本にも前例が多くありますから、実現は可能なはずだと思います。
 是非、早期復興復旧のために、新しい寄附控除制度と一緒にこの名前を付けてあげる寄附システムをはやらせていただきたいと思うんですけれども、具体的にどのように進めていけばいいのか考えなくてはいけないと思います。何も募集がないところに寄附者が自治体の望むものに寄附をするわけがないと思いますから。そこでちょっと考えたんですけれども、自治体が必要な建物、例えば図書館ですとかホールなど、あるいは公園や校庭で必要な遊具、木やベンチなど、数万円から億単位のものまでおよその金額を明記した要望リストを作ります。そのリストの中の一つ一つに対し寄附をしてくれる人や団体を募集して、それに対して寄附をしてくれた方にはその方や団体の名前を付けるというインセンティブを与える。このように、たとえ制度としてこれが既に自治体に存在しているにしても、何か特別な行動を起こさなくては復活につながるほどの大きなプロジェクトには至らないと思います。
 もちろん、公募にするとしても、お金の出どころなど問題がないか調べた上で自治体が選ぶというシステムにしていかなくてはいけないと思いますけれども、名前を付けてあげるこの寄附のシステムの進め方の一つとして、自治体側から要望リストを作って寄附者を募るという私の提案について御意見をいただけたらと思います。玄葉大臣。

○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、カンボジアの例がございましたけれども、私の友人も、パキスタンの学校をつくるということで奔走されて、同じようなことをされておられました。同時に、今回の事態に当たっても、地方公共団体が要望リストを具体的に作るというお話は大変興味深い貴重な御提言だというふうに思います。
 まずは地方公共団体に考えていただくのがいいと思いますが、具体的には。ただ、新しい公共を担当する立場の責任者としては、四月の十四日でありますけれども、新しい公共推進会議の下に、今回の被災者の支援活動のために必要となる制度の在り方などを検討するためのワーキンググループを実はつくりました。ですから、今おっしゃったようなことも含めて、こういったワーキンググループなどで被災者の支援等に当たりどういう具体的な手法があるのかということについても検討しながら、我々としても提言していきたいというふうに思います。
 ありがとうございます。

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 今、この災害の中で、不景気の中で、多くの市民活動、NPOの活動活性化が望まれますけれども、寄附の認定制度や税制優遇を受けるNPOの増加が進む中で、いま一度、根本的な信頼にかかわる問題はないだろうか、今だからこそ立ち止まって考えていただきたいと思います。公益性が高い団体の信頼性までもが制度を悪用する団体が存在するせいで崩されないようにしていきたいと思います。このような趣旨で御質問させていただきたいと思います。
 また、前回の質問への答弁で五十嵐財務副大臣から、認定NPO法人に関するホームページでの公開について、更に寄附者の利便性を考えるという観点からどのような方法が取れるか検討してまいりたいというお話がございました。その後、先ほど申し上げた事業年度報告書の公開以外に、財産目録、貸借対照表、収支計算書、全事業年度の役員名簿、全事業年度の社員のうち十人以上の者の名簿について、現在まで何かほかに御検討はなされたんでしょうか。

○大臣政務官(尾立源幸君) お答えいたします。
 NPO法人制度というのがそもそも市民の皆様の監視によって成り立っているということ、さらに、認定NPO法人につきましては税制優遇を与えておりますので、そういった意味で何よりも情報公開が大事だということは共通認識として持っております。その上で、昨年の十月二十一日の委員からの御質問に五十嵐副大臣がお答えをさせていただきました。
 国税庁におきましても、どのような情報開示がホームページ上でできるのかということについて検討してまいりましたが、その検討に当たっては二点考慮をさせていただきました。一つは、答弁でも五十嵐副大臣から申し上げたとおり、更に寄附者の利便性を高める、考えるという観点から、寄附をされる方にとってどういう情報が本当に有効なのかどうかと、こういう観点。そしてもう一つは、これは庁内の問題でございますけれども、提出いただいた資料をコピーをして、PDF化してホームページにアップするという、そういう事務量とか予算の面、この二つの面から考えまして、やはりNPOの皆さんの活動実績を端的にコンパクトに一覧で表しております事業報告書、これをホームページにアップをさせていただくのが今の段階ではベストではないかと、こういう観点から、今年の四月の一日からホームページ上にアップをさせていただいたところでございます。
 さらに、それ以外の書類についてもどうかということでございますが、先ほど申し上げましたような趣旨の観点から、これからも慎重には検討してまいりたいと思いますけれども、現状ではそのようになっております。

○牧山ひろえ君 アメリカにおいては、寄附金控除の対象となる団体に対しては内国歳入庁による調査が申請時と承認後、毎年行われています。その中で年間収入二万五千ドル以上の団体は、内国歳入庁にフォーム九九〇と言われる年度報告書の提出と公開が義務付けられています。その報告書の中身ですけれども、幹部職員、管理職、財団管理者、主要な職員の名前と住所やその人たちの給与額、勤務時間数、福利厚生の中身などを記載する必要性があり、非常に透明性が高いものとなっています。
 一方、日本はどうでしょうか。認定NPO法人に対しては、役員の氏名、住所、報酬の有無は記載する必要がありますけれども、実際に各々が幾ら報酬を受け取っているかは記載しなくてよいことになっています。実際には、給与を得た従業員の総数とそれら従業員に対する給与の総額を記載する必要があるのみです。認定NPOは、ほかのNPOとは異なり、税制優遇を受けるわけですから、一層の透明性、公益性、公開性が求められると思います。
 また、ユナイテッドウエイという団体がアメリカにあります。ユナイテッドウエイというのは、NPOの活動資金を効率的、効果的に集め、分配するために設立されたとても大きな巨大な資金調達機関です。ところが、始まってから二十二年間その会社の社長の座にいた人が、詐欺、脱税、寄附金の悪用などの罪で七年間の実刑判決を受けています。日本でもこのようなことが起きるかもしれないです。それを防ぐためにも、罰則そして情報の公開が必要不可欠だと思います。
 公益性の高いNPOに対し一層の信頼と協力が集まるように、寄附文化が定着しているアメリカに負けない公益性、透明性の根本がしっかりした認定制度をお願いしたいと思います。
 三月十一日、東日本大震災が起こり、より一層医療のニーズが増えた中で、医師や医療スタッフの人材確保について質問していきたいと思います。
 前回も質問をいたしましたけれども、医師不足が問題になって久しい中、女性医師の復職支援に関しては、女性医師等就労支援事業、病院内保育所運営事業、女性医師支援センター事業などの離職防止・復職支援策が政府の方で講じられていると理解しております。ただ、前回も指摘させていただきましたけれども、このような復職支援、離職防止の施策があることをほとんどの女性医師の人たちは知らないのではないかと思われます。
 現在、医師は二十八万七千人、そのうち女性の医師は五万二千人と言われています。そのうち、事情があって現在職を離れている女性医師は相当な数に上ろうかと思っていたんですけれども、先日のレクでたった六百十四人と伺いました。そのうちの四十九名が再就職できたと聞いております。
 無職の女性医師が非常に少なくてびっくりしました。無職である女性医師の数は一体どういう方法で調べたのでしょうか。

○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 現在、無職の女性医師の数の把握でございますけれども、医師法の規定がございまして、医師の方については二年ごとに従事しておられる施設あるいはその業務の中身、そういった点につきまして厚生労働大臣に届けていただくということになっております。
 直近で申し上げますと、平成二十年十二月三十一日のデータでございますけれども、こちらによりますと、女性医師の方で無職の方は六百十四名という数字が出ておるわけでございます。

○牧山ひろえ君 二年に一度無職の女性に自主的にこのアンケートを取りに来てもらって答えてもらうという方法は、そもそも高い回答率は期待できないような気がします。
 そこで提案なんですけれども、医学部など学校の授業でも、入学時や卒業時のガイダンスのときなどはもちろんのこと、それ以外の機会、例えば診療研修の中でも就職支援事業について積極的にPRしていくべきだと思いますが、笠政務官、いかがでしょうか。

○大臣政務官(笠浩史君) 今、牧山委員が御指摘のように、今の医師不足の解消へ向けても女性の医師の方々の復職へ向けた様々な支援をしっかり充実させていくということは大変大事だと思っております。
 今、厚生労働省の方で、例えば大学には保育所を国立ではもう一〇〇%、私立でも七割以上そういった施設を造っておりますし、そういう様々な支援を文科省も含めて行っております。
 ただ、御指摘のように、これをまだまだしっかりと周知徹底ができていない、知らない方々もおられるということでございますので、適宜適切にあらゆる機会を通じてしっかりと周知できるように努めてまいりたいと思いますし、御指摘のことは大変重要なことだと考えております。

○牧山ひろえ君 看護師も不足しておりますので、是非看護学校においても就職支援事業についてお知らせをしていくようにお願いしていきたいと思います。
   〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕
 経済連携協定、EPAによるフィリピン、インドネシアからの看護師、介護士受入れについてですけれども、今年行われた看護師国家試験において、フィリピン、インドネシアから受け入れた看護師候補者の十六人の方々が合格いたしました。そのうち、この夏に滞在期間を迎えるインドネシアから来日した九十一人の中から十三人が合格したそうです。前回質問した際に御答弁いただきましたけれども、難しい専門用語を易しい言葉にすることや問題文にルビを振るなどの改善策を受けた今年の試験の結果、去年と比べて大分合格者が増えたというふうに伺っております。
 また、報道では、インドネシア人の看護師候補者の滞在期間、現在は三年間となっておりますけれども、これを一年間延長するというお話が出ておりました。滞在期間の延長ということも一つの策かと思いますけれども、せっかくやる気があるのに合格できないまま本国に帰ってしまう前に、せっかくの貴重な人材なので、例えば准看護師で働いてもらうなど検討すべきことはほかにいろいろとあろうかと思います。
 また、現在年に一回という試験の回数を二回に増やすことも検討すべきと思い厚労省に伺いましたけれども、試験作成や会場確保が難しいと伺いました。
 確かに、一定の基準を満たさない方を合格させるわけにはいかないというお考えは正しいと思います。ですが、試験にすれすれの点で落ちた方があと一年間浪人する経済的な余裕がなくて断念してしまう場合もたくさんあると思います。看護師不足が叫ばれている中で、試験を二回やることが困難であっても、看護師を増やす方法として一理あるのではないでしょうか。それをもしやるのが難しいということであれば、ほかにどのような方法で看護師不足を解消するお考えでしょうか。

○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 看護師さんの人材供給でございますけれども、これは医療上大変重要な問題であるかというふうに私どもも同様に考えているところでございます。
 看護職員の確保対策ということになりますと、これはやはり基本的なところからやっていくということが必要だろうというふうに考えております。したがいまして、養成をするという課程が当然掛かってまいりますので、養成についてしっかりいろいろ助成含めてさせていただくということがございます。
 それからもう一つ、定着のお話がございます。養成課程を経て資格を取られましても、その後は医療機関で経験を積んでいただきまして、より高度な技術なりを身に付けていただくということもございます。新人の方が定着し、そこでいろいろ技術を磨くということもございますので、その定着促進ということが重要でございます。この点につきましては、時間、勤務体系でございますとかいろいろな点があろうかと思います。
   〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕
 それから三つ目には、今先生もお触れになりました再就職のお話でございます。再就職、御家庭の事情とかいろいろな理由がありまして一度医療の現場を離れた看護職員の方もいらっしゃいますけれども、そういう方がいろいろ情報を得てまた医療の現場に戻っていただくということも大変重要な方法かというふうに考えておるところでございます。

○牧山ひろえ君 今回の東北震災において、三十か国の医師団が手を挙げていると伺いました。ですが、三十か国のうち、たった一か国のイスラエルの医師団だけが受け入れられていると聞いております。
 実際に被災地で活動している医師に伺いましたら、特に小さな村では医師がまだまだ足りていないとのことでした。外国からの医師団がなかなか受け入れられない理由には言葉の問題が大きいと伺いましたが、JICAのボランティア経験者も含め、通訳を付けるなどあらゆる方法で被災地の医療のニーズにこたえていただきたいと思います。
 ちょっと提案なんですけれども、日本の医師免許がなくても医療活動ができるようになったそうなんですけれども、最近、被災地の医療のニーズと、手を挙げてくださっている残りの二十九か国の医師団とのマッチングについての現状はいかがでしょうか。

○政府参考人(山本栄二君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、三十以上の国から医療支援の申出がございまして、これまでのところイスラエルが南三陸町で活動していただいたと、こういうことでございます。それ以外のところにつきまして、私どもとしてはできるだけ現場のニーズとマッチングさせる努力を行っておりますが、具体的には、イスラエルの例が成功例でございますので、これをホームページあるいは自治体に送ってきちんと広報するとともに、大事なことは、ニーズのマッチングもさることながら、やはり現場の被災地の御負担をできるだけ少なくするということで、例えば、来るチームは自己完結的に来る、全部自前でやる、あるいは通訳もきちんと付ける、外務省からもその調整員を出すと、こういうような考え方も併せて自治体に伝えておりまして、今きめ細かく自治体及び厚生労働省、文部科学省等と調整しながら更に受入れを増やせるよう努力しているところでございます。

○牧山ひろえ君 是非、例えば日本の医師団やこれから行こうとする日本人の医師団に交じって同じチームとして行けば現地の対応もスムーズにいくかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 質問を終わらせていただきます。

○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。官房長官、小川副大臣、お忙しい中、本当にありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 早速質問に移らせていただきますが、まず本日は、四月十八日に出ました那覇検察審査会、この起訴相当の議決の質問から入らせていただきます。
 公務執行妨害容疑で逮捕されながら不起訴処分となった中国人船長に対し、検察審査会は起訴相当と、こういう議決をいたしました。
 当時の処分保留のまま釈放にした那覇地方検察のこの理由が六点実は当時述べられた。これをちょっと振り返ってみたいんですが、当時このような理由から、処分保留のまま釈放が妥当ではないかという判断がなされました。一つ目はけが人が乗組員の方に出ていなかったということ。これは巡視船の方の乗組員の話です。二つ目に計画性の有無。とっさに取った行動であり、計画性までは認められないんじゃないかと。三つ目に物損の程度。巡視船が航行に支障が生じるほどではない軽微なものであった。四点目に初犯であったということ。そして五点目、六点目が国民生活への影響と今後の日中関係という、このような六点がこの理由に出されたわけです。
 しかしながら、今回の起訴相当の議決の理由を読みますと、私、今ここに文書を持っているんですが、いかに当時の検察の判断理由が不当であるか、このことについて詳しく述べられております。
 全てを読み上げるような時間はありませんので、かいつまんで御説明いたしますけど、まず、巡視船の乗組員の証言からも、非常に恐怖であったり、あるいは当時の状況に対して焦り、こういうものが発言されていると。要は人命を危険にさらす行為であったことを否定できないと、このような理由が述べられておりますので、けが人が出なかったどうだという話は理由にそぐわない。あるいは、二点目、逃走できれば船をぶつけても構わないんだということをこの中国人船長は逮捕後に述べているというところからも、船長が海上保安庁の警備を非常に軽視し逃走を図る意図が明白であったこと、このことが述べられております。あるいは衝撃は相当なものであった、あるいは修理費用も多額であったことから軽微な損傷とは到底言えない、このようなことがこの理由の中に書かれているわけですが。
 小川副大臣、当時の処分保留とした検察の六つのこの判断理由のうち三つはまず完全に覆されているわけです。また、五点目、六点目、国民の生活への影響あるいは今後の日中関係に関しては、そもそも地検に判断させるようなことではないんではないか、これは国会の中でもさんざん論議されたことでありました。唯一この理由の中で合致しているといえば初犯であったというこれだけなんですが、これでも当時の検察の判断は適当であったと思われますでしょうか。

○副大臣(小川敏夫君) 検察審査会におきまして、御指摘のような判断が出たということは承知いたしております。
 ただ、検察審査会のそうした判断につきまして、法務副大臣という立場におきまして個々的にそれを論評する、あるいはそれについて意見を言うという立場ではありません。あくまでも個別の事件でございますので、そうした検察審査会の判断を受けて那覇地検の方で改めて適正な対応をするものと思っております。

○宇都隆史君 当時、この事件が起こったときの官房長官は仙谷官房長官でしたが、仙谷官房長官は、那覇地検の判断は適切であったと、このように官房長官として判断しておりますし、当時、小川副大臣は、そのまま副大臣の立場として、この発言に対して追認するような態度を示しているわけなんです。
 枝野官房長官に質問をしますが、幹事長代理時代ですね、当時は。幹事長代理時代に枝野当時幹事長代理はインターネット番組において、この検察の対応に対して、私は半分悪意があるんじゃないかと、政権の足を引っ張ろうとしていると、こういう発言をなさったわけですが、これ何を根拠にこういう発言をされたのか、また、この真意はどこにあったのかというのを今ここで述べられてもらえませんか。

○国務大臣(枝野幸男君) 私は、当時は政府の人間ではございませんでした。そうした立場から私の推測を申し上げたものでございますが、現時点で私、政府の一員でございますので、政府の一員ではないときと同じようなレベルでの推測で物を申し上げることは許されない立場だというふうに思っております。

○宇都隆史君 これは、政府の一員であるかないかにかかわらず、政治家である以上、正しい根拠、あるいは何らかの根拠を持たずに推測で物を言うことは非常によろしくないことだと私は思いますけれども、当時の発言、これはよくなかったんであるということで撤回をされてはどうですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 政府の人間としては申し上げるような内容ではないというふうに思っておりますが、その当時の立場において、その当時私が知り得た情報に基づいて推測して申し上げたことについてでございますので、現時点で政府の立場としてどうかと言われれば、そういった認識はいたしておりませんが、当時の認識はそのとおりであったということでございます。

○宇都隆史君 なかなか、今の官房長官という立場から、いろんなことが申し上げにくいという、そういうことなんでしょう。
 ただ、当時この発言をなさった背景には、私はこうだと思うんですね。枝野議員自体が弁護士としてやはりいろんなケースを見てこられた見識の高い方ですので、今回の検察の対応を一弁護士と見たときに、これはおかしいと、どこかでそういうことを感じたんじゃないかと。その発言があの真意に表れたんじゃないかと、私はこのように当時から判断をしておりました。
 撤回等はできないという立場上のことは分かりますので、この件に関してはあれなんですが、この検察審査会の議決において、付言として、やはりビデオの公開を国民にすべきではないかと、このようなことが付けられております。今後改めて、政府として当時のビデオを公開する、このような御意図は官房長官、ございませんか。

○副大臣(小川敏夫君) ビデオはあくまでも証拠物でございますので、その捜査の過程で得られた証拠物を公開するということは行わないのでありますが、今回のビデオにつきましては、衆議院及び参議院から要請を受けまして公開しておるところで、公開というものはどういうことかあれですが、国会の方には提出しておるところでございます。
 ただ、審査会が言われているその公開の趣旨が、それよりも更に一般的なこと、例えば国民一般に公開するのかといいますと、やはり捜査資料を一般に公開するというのは余りなじまないかなというふうには考えております。

○宇都隆史君 捜査は終了しているわけですね。もう既に証拠物としての価値を失っているものであり、また一部、もうこれはユーチューブでも出ている。あるいは国会の中ではもう既に公開されている話、それを国民の目にさらさない、そこに対して国民は非常に不信感、何か隠しているんじゃないかと逆に疑心暗鬼を生じるんですが、そこについてはどうお考えですか。

○副大臣(小川敏夫君) 既にインターネット上、四十四分に及ぶ映像が流出して、これはもう様々な形で報道されたりして国民が、ほとんどの方が知っておるわけでございますが、それ以外の部分につきましても、やはり捜査の内容あるいはどのような対応をしているのかとか、様々な捜査の遂行上あるいは業務の遂行上、必ずしも、それを全部明らかにするということの弊害というものが考えられるということもございます。
 そうした観点、それから検察庁の立場としましては、やはり捜査資料は基本は公開するものではないという原則でございますので、そのような対応をさせていただいております。

○宇都隆史君 当時の政府としての意見も、それから今の副大臣の御意見、御答弁も、やはり国民としては納得のいかないものだと思いますよ。
 法的に、確かに法廷が終結している、捜査は終わっているとはいえ証拠物を余りみだりに出すものではないという、その考えについては賛同するところもあります。ただし、やはり出すことでそれが国の国益につながることであれば、私はそこは出す必要があるものではないかと、このように思います。
 ビデオについては是非、国民がこれは求めている、民意であるというふうにとらえて、公開をするような方向を考えて検討いただきたいと、このように思います。
 なお、確認をこれはまたしたいんですが、今回の那覇検察審査会において起訴相当という議決が出たわけですけれども、これでまた新たに捜査を進め、また検察審査会が起訴相当という判断をしたときに、強制起訴ともしこれがなった場合についてはこれどのような対応を取られるおつもりでしょうか。

○副大臣(小川敏夫君) 個々の事件についてこうすべきと言いますと、何か我々が、政治が捜査に関与、干渉したのかと、あるいは指揮権の発動かというような誤解を招いてしまいますので、個々の具体的な事件ということではなくて一般論という形でお話しさせていただきますと、やはり二回目の不起訴が仮にあったとして、それに対してまた検審が起訴ということになれば、これは強制起訴という手続になっておりますので、そのような手続が進むものと思います。

○宇都隆史君 もう少し具体的に踏み込んでお聞きしたいんですけど、そういう場合にはやはり中国政府に対して身柄の引渡し要求等を政府として行う、こういうような選択もあり得るわけでしょうか。

○副大臣(小川敏夫君) なかなか、個別の事件についてどうするかというと、やはり個別の事件について、我々がそれについて干渉すべきではないという立場でございますのでお話し申し上げにくいんですが、ただ、現実に被疑者が我が国の主権が及ばない地域にいるとなりますと、起訴状が送達できないなという問題があるということは認識しております。

○宇都隆史君 ありがとうございました。
 なかなか今の段階で、まだ決まっているわけでもないですから、個別的な話についての言及はできないのは承知しておりますが、何しろ国民が望んでいる非常に関心事の高いことですから、政府として誠実に検討いただきたいと、このように思います。
 ちょっと若干話を、元に戻りますけれども、この尖閣の問題に対して本年の二月十日に、第十一管区海上保安本部から中国人船長に対して巡視船の修理費の支払要求が出されております。総額について千四百二十九万円の支払要求が出ているわけなんですが、この件につき、同じく本年の二月二十二日提出の我が党馳浩議員からの質問主意書におきまして、船長が支払を行わない場合の対応についてどうするのかということを質問しております。
 閣議決定された答弁書におきましては、国の債権の管理等に関する法律に基づき、船長に対して督促状を郵送するなど必要な措置を実施すると、このような回答が返ってきているわけですが、既に二か月以上が経過をしているわけです。支払がされたというような事実は聞いておりません。追加の措置が行われたかどうか、この件に関してお答え願いたいと思います。

○副大臣(小川敏夫君) 突然の質問なんでありますが、一般的な話としてお話しさせていただきますと、やはり我が国の主権が及ばない地域におきましてそうした強制手続ができるという性質のものではございませんので、現状におきましては特に進展がないのではないかというふうに思っておりますが。

○宇都隆史君 いや、一般的な話を質問しているんではないんですよ。
 このケースについて、質問主意書で向こうからの処置が何ら返答がなければどうするのかという質問に対して、政府側から閣議決定された内容で、それについては督促状を郵送するなどと具体的な行為も付けた上で必要な措置を実施するという回答が出ているんです。
 実際に具体的な行為は何もしていないわけですね。それだけ確認させてください。

○副大臣(小川敏夫君) 済みません、その点、あらかじめ通告いただいていなかったものですから、具体的な事実関係について確認できないのでありますが、ただ、一般論とすれば、郵便は届くのかもしれませんが、例えば法的な効果を持つあるいは我が国の主権が及ぶような、司法権が及ぶような送達というものができるという状況じゃございませんので、督促状が仮に着いたとして、それが履行されない場合にどうするかといいますと、やはりそれはその状況に応じて対応しなければならないということだと思いますが。

○宇都隆史君 これ、済みません、事前に通告していなかったので、今ここで詳しい回答を最後まで求めるつもりはございません、また別の機会に確認させていただきますけれども。今確認しているのは、向こうがその通知を受け取った後にどういうアクションを起こすかではなくて、追加措置として我が方が何をしているのかというのを質問しておりましたので、これについてはまた別の機会に確認をさせていただきます。
 同じような地検が絡んだ件に関して、ちょっと震災関連に移らさせていただくんですが、福島地検です。釈放した容疑者三十一人のうち一人が再びまた逮捕されたと、こういうような事件がございました。
 私、これは前回の内閣委員会の中で質問をさせていただきました。そのときに小川副大臣の方から、検察官それぞれの判断でやっていると、釈放してよいと考えられる者は釈放したと、このような回答をいただいたわけなんですが、実際には強制わいせつ容疑、あるいは覚せい剤取締法違反容疑等で逮捕された暴力団組員、こういうのも含まれており、実際にうち一名はこのように再逮捕されているということが起こっているわけなんですが、この件に関して江田法務大臣はどのように述べているかといいますと、会見の中で、これは大いに疑問がある、適切さを欠いていたのではないかと、そのように今思っておりまして、大変残念に思っております、このような答弁されていますけれども、副大臣としてもこれはお考えは一緒ですか。

○副大臣(小川敏夫君) 釈放そのものは検察官が判断して釈放してよいということで釈放したということだと思いますが、前回のこの内閣委員会におきましても宇都委員あるいは山谷委員からその点御質問いただきました。しかし、現実問題として、釈放した後再び犯罪を犯して逮捕された者がおると。あるいは、釈放した後改めて逮捕状を請求して執行したものもあるというような状況を考えますと、やはり大変に地域の方に御迷惑をお掛けした面があるとも思います。
 前回、全て軽微な事件であるかのような印象を持っていただくような答弁をいたしましたが、しかし、一つ一つの事件を更に詳細に報告を受けますと、確認しますと、全てが全て問題がないというような事件でもなかったのかなというふうに思いまして、反省すべき点は反省しているところでございます。

○宇都隆史君 私は、先ほどの中国人船長の件と似ていると思いますよ。そのときの判断については地検が行ったから全く問題はないと。でも、実際それが問題が起こってみたら、後から、いや、やっぱりおかしかったんじゃないかと、それは疑問が残ると。そんなことじゃやはりいけないと思うんですね。私は、是非、この件は中国人の船長とも絡んでくるような話ですので、何でもかんでも一地検の判断だと、政府が対応しないんだということではなくて、やはり法務省としての何らかのしっかりとした指導はあるべきだと、このように思っております。
 さて、震災関係の質問に移らせていただきますが、枝野官房長官に質問させていただきますが、福島原子力発電所事故対策統合本部というのが東電内につくられておりますが、この法的根拠、これを教えてください。

○国務大臣(枝野幸男君) これは法律上に基づく組織ではございません。

○宇都隆史君 ありがとうございます。
 これは首相の強い意志でつくられたというふうな私の認識でありますけれども、では、法的根拠のないこの組織、この任務は何なんでしょうか。それが一点と、もう一つ、細野豪志首相補佐官がいろいろと現地において指示を出しているようなんですが、彼の統合本部における職責というのは一体何なんでしょう。

○国務大臣(枝野幸男君) 原子力災害については、法律に基づいて原子力災害対策本部として政府の対応をいたしております。一方で、一義的には、これはもう法律上も含めて事業者である東京電力がある意味での主体であるということ、そしてもう一つ、事実上現地からの一次情報が入ってくるのが東京電力であるという状況の中で、残念ながらそこでワンクッション入るものですから、政府に上がってくる情報のところにどうしても時間的なずれ等が残念ながら生じていたということの中で、政府の意思とそれから東京電力で持っている情報、そして東京電力の判断や行動というものが事実上一体的に進まないとこれは事故を拡大することになるということの中で、政府としての今のような考え方や情報の意思疎通等をしっかりとやるための事実上の場として、東京電力の責任ある立場の皆さん、そしてそこの実務者の皆さん、そして政府において政府の意思等を適切に伝えることのできるしかるべき立場の人間と実務的な人間ということで一体的な場をつくったということでございます。
 細野補佐官においては、補佐官という立場で内閣総理大臣に対して様々な、これは正確に法律上の言い方は直ちに記憶はしておりませんが、助言等を行うような立場でございますので、同時に、原子力災害対策本部長である総理、そして総理の下に集まってきている政府の情報あるいは意思というものを適切に東京電力と意思疎通するのに適切と考えて、法律ではない、事実上の組織としての統合本部の事実上の事務局長の役割を担っていただいております。

○宇都隆史君 この原子力災害対策特別措置法の中では本部長がいろんな権限を委任できるような形でちゃんと書いてあるわけですけれども、明確な委任は細野首相補佐官にはされていないですよね。これは、委任する場合についてはそれを明確にしなければならないというふうに法律でなっているんですけど、それもされていない。
 私は、この組織というのは総理の指示によって特別につくられた組織でありながら、法的根拠もなく、また原子力緊急対策、対処の責任と権限のない首相補佐官の指示によって今回の応急対策が行われている、こういうふうにとらえているんですけれども、いろいろ連絡がすぐに及ばないとか、今回の場合は非常に現行の法律の中では対処し切れない部分があるというのがありつつも、そういう認識は間違いないですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 原子力災害対策本部としての意思決定あるいは政府としての意思決定は、細野補佐官が東電に赴いている統合本部ではなくて、政府の原子力災害対策本部あるいはその本部長である菅総理がいたしております。それから、東京電力においても、東京電力としての会社としての意思決定は東京電力において行われております。
 補佐官という立場でございますので、政府の意思決定等をそこに委任をして、そこで意思決定をするというような権限は与えられませんし、与えておりません。ただ、それぞれの独立して行わなきゃならない意思決定についての連絡調整であるとか、そういったことについて行っているということでございます。

○宇都隆史君 いや、私が、中に実際関係者以外は入れないですから、これは伝聞でしかないんですけれども、指示をしているような話も聞いております。
 どうも御答弁を聞いていると、責任あるいは権限の所在が明確にならないんですね。ですから、どうしてもうがった考え方で見ていくと、今回のこの統合本部という組織が、総理が東電に対する不信感を持っていてそこから生まれた、何か東電を監視するような、あるいは上からはめるような組織のように感じてしまうんです。もしそれが事実だとすると、やはり余計に現場を萎縮させて、実際に動かなきゃいけないところが動かなくなるので、是非もう少し東電も現場でやっている皆さんたちもスムーズに動けるような、首相のリーダーシップの下にしっかりと動けるような体制をもう少し考えていただきたいなと、このように思います。
 三月三十日の記者会見において、この統合本部の議事録の公開が求められているんですがという記者の質問に対して枝野官房長官は、統合本部は関係者間で随時情報交換を行っているので議事録は作成していないと、このようなことを述べているわけです。ただし、一体、中でどのような議論、対処が行われているのかというのは関係者以外分からないわけですから、今すぐ公開できないにしても、やはりいろいろ後日、ここで行われたこと、議論、それから政府からあった指示、これが妥当であったのかどうだったのか、これを検証するにはやはり記録をしていく必要、録音であったり録画であったり、これが必要だと思われるんですが、官房長官、こういうのをするような意図はないんでしょうか。また、現在していないんでしょうか。

○国務大臣(枝野幸男君) この統合本部は、何というんでしょう、会議をするためにつくった本部ではありません。いわゆる、何時何分から、これから会議が始まりますと言って、出席者がこういう顔ぶれで一時間とか一時間半とかやってというようなことを行う場ではありません。まさに、日々、それぞれの担当者同士であるとか、それから担当者同士の話がしっかりと、例えば具体名で言うと東電の副社長さんと細野補佐官、細野補佐官を通じて総理なり私なり経産大臣がしっかりと把握をするなどということを日々日常的にいろんなところと連絡調整をしているという場でありますので、これを記録に取るというのは、その事柄の性質上、会議を行っているのであれば、あるいはそこで会議で物を決めているのであれば、当然その物を決めるための会議は録音するなどなりして事後的にでも公表する必要があるかと思いますが、それがまた可能だと思いますが、そういう場でありますので、まさに、もしそこでやっている仕事を全部記録に取るということであれば、本部員の全員の、少なくともそこで仕事をしている間の全部の発言を記録を取るみたいな、こういうことの世界でございますので、事柄の性質上、そういった性質のものではないという御理解をいただければと思います。

○宇都隆史君 官房長官、それは認識が全く逆だと思いますよ。
 今回、緊急対策、緊急対処のオペレーションとしてやっているわけなんですね。こういう緊急対処のオペレーションのときの大原則、イロハのイは、ちゃんと時系列で大事なところはしっかり押さえていく、何時何分に誰が何という行動を発して、その後何分後にどういう行動を誰が行ったのか、あるいは行えなかったのか、行えなかったとしたら何の理由で行えなかったのか、そういうのを時系列をしっかり取っていく、これ基本なんですよ。
 議事録、一人一人が何を言ったかを取りなさいと、そういうことを言っているんじゃないんです。主要な判断、あるいは政府からの指示、それを受けて東電がどういう回答をし、できるんだったら何分後にやったのか、できなかったんだったら何の理由でできなかったのかというのがちゃんと議事録で残っていく、議事録でないにしても記録されていく、それがなければ検証も何もできないんですよ。
 三月三十一日に菅首相はサルコジ大統領、フランス大統領ですね、会談で、五月のG8、これで原発事故を議題にすることで一致したと。共同記者会見の中で首相は、今後のエネルギー政策に対して、事故拡大化、なぜこんなに大きな事故になってしまったかという原因の検証、それから、今後原子力の利用の在り方を議論していくということを述べているわけです。このためにも必要なんですよ。何でこんなに拡大化していったのか。もちろん、東電が今まで管理をやっていたことに対する責任、あるいはそこに不備がなかったか、これも問われることになるでしょう。ただし、この事故が起こってからの対処、これが適切であったのかも問われなければ、今回の原発対処の全ての検証にはならないわけなんです。
 首相が共同記者会見の中で最後に述べているのは、同時に、原発事故収拾にめどが付いた段階で東電の経営形態や責任問題が焦点になるとの認識を示したと、このようなことを言われているんですけれども、責任転嫁も甚だしいんですね。いや、東電も確かに責任はあるんですよ。ただ、現在は、国家としてこの対応に当たっているのは政府も当たっているわけですから、この政府の指揮、これにも問題がなかったのかというのは是非検証をしていただきたいと思います。
 東京電力はこの事故の収拾に向けて工程表を十七日に発表したわけですが、この工程表の件について確認をいたします。
 これは菅総理の指示によって東電に作成させたものと、このように私認識しております。先ほどの佐藤正久議員の質問の中では、これは安全委員会もこの中で作成にはかかわっていないんだというような話がございましたけれども、私はやはりこの一事業者に事態の収拾の工程表を発表させるのはいかがなものかと、こういうふうに思うんです。
 確かに、原子力災害対策特別措置法の中では、この中の第三条において、「原子力事業者の責務」というところで、実際の事業者自体がこの拡大の防止に対して誠意を持って必要な措置を講じなさいと、こういうふうに書いてあるんですけれども、同時に第四条において「国の責務」として、この緊急事態応急対策に対し、事業者に対して指導し、助言し、適切な措置をとりなさいと書いているんですよ。協力しろとは書いてないんです。指導、助言、適切な対処を取れと書いているんです、国が。
 やはり私は、どこか国が自分たちのことじゃないんだと。主語、主体があくまで東電の今回の問題であって、政府はそれに対して二次的に協力をする、関与をしていくにすぎないんだというふうな認識が強いんじゃないかと思うんですが、官房長官、どうですか。

○国務大臣(枝野幸男君) まず、先ほど御指摘いただいた議事録というお話でしたので先ほどのような御答弁申し上げましたが、御指摘いただいたように、どういう段階で何がなされていたのかということについては、これは当然事後的な検証が必要だと思っておりますし、そういったことについては、しっかりと把握している部分については整理をする必要があるというふうに、ですから、まさに何時何分に何をそこで決めたとか、そういったことがあれば、それについてはしっかりとテークノートできているはずですので、それは整理をして将来検証の用に供する必要はあるというふうには思っています。
 その上で、御指摘の点でございますが、これは、もうこの事故は東京電力が事業者でありますし、今のように、法律上政府は二次的に助言や何とかするという立場に法律はなっていますが、しかしこれを収束させる責任ということについては、政府としての何よりもの大きな責任であるということは当然の前提であると思っておりまして、そのことは私自身も会見その他の場で何度も申し上げてきているところでございます。例えば工程表の発表主体が誰であるのかということについては、これは、実際にこの工程を進めていく作業をされるのは東京電力や東京電力の協力企業、例えばプラントの企業であったりとかということでありますので、これ、そこのところの実態把握をせずにあれやれこれやれと政府が主体で決められないと。実際にどういうことが可能であるのかを、一番現場を分かっていらっしゃるのは東電であるということも含めて、東電が作って、それを保安院がしっかりと共同作業をして、いろんなアイデアとか、東電が直接できないことについてはいろいろとこういうやり方がある、ああいうやり方があるということの支援を、作る過程でもしてまいりましたし、今後もやっていくということでございます。
 そして、その上で、発表とほぼ同時ぐらいに、経産大臣の方からもこういう工程表を国として責任を持って進めていくということについては申し上げているところでございます。

○宇都隆史君 官房長官、逆説的になって大変恐縮なんですけど、今現場で実際に行うのは東電の社員あるいはそのプラント関係企業だという話を示されましたけれども、それだけでできないでしょう、今回の収束に関しては。実際、自衛隊もやっていますし、消防等の手も借りている。これ、東電の一つの計画で、東電だけにやれって、できる話じゃないんですよね。政府側が積極的に中に入っていって、東電でできないところは、じゃ、自衛隊がやりなさい、あるいは消防がやりなさい、やっていかなきゃいけない話ですから、やはり、一義的に東電がやるにしても、積極的に政府がここにかかわっていく必要がある話だと私は思っています。
 今ちょうど海江田大臣の会見というお話もありましたけれども、海江田大臣は会見の中で、この工程表、どうしても作業は遅れがちになると、まあ言ってみたら工程表のとおりには進みませんよというようにも受け止められる発言をなさっているわけですね。ただ、やはり、こういう工程表を出したからにはしっかりとこの工程表に乗っかってやっていく、こういう意思を政府としても示していただきたいんですが、工程表は内閣が責任を持って確実に実行をしますと改めて官房長官の方からここでおっしゃっていただけませんか。

○国務大臣(枝野幸男君) 今御指摘された海江田大臣の記者会見等での発言のちょっと趣旨はあらかじめ把握をしておりませんが、この工程表を実現することは決して容易なことではないということは共通認識として持っております。
 したがって、これを実現するためには相当、東京電力もですし、政府としてもですが、相当な努力をして壁を乗り越えていかなければならないという認識は共有をしておりますので、多分その趣旨ではないかというふうに思いますが、その壁はしっかりと乗り越えていくと。そしてそれが十分可能であるという認識の下に、東電も、それから保安院も、つまり政府もですね、今回の工程表を発表することにしたということでございます。
 ただもちろん、一方ではプラントが安定しておりません。このプラントの状況が悪化をするということになってはこの工程表は実現できないということにもなりかねませんので、一方でこのプラントを悪化をさせないということをしっかりと進めながら、同時に壁を乗り越えてこの工程表を実現するということに向けてしっかりと進めてまいりたいというふうに思っております。

○宇都隆史君 ありがとうございます。
 非常に前向きな御答弁いただいたと、今認識をしております。
 さて、この東電の関連に関してはもう一つ質問させていただくんですけれども、四月十三日の枝野官房長官の記者会見で、この放射能漏れ事故を起こした東電の会社に対して監督官庁である経済産業省OBが天下りをしている、このことについてチェック体制が甘くなったのではないかと疑義を持たれるのは当然だと、法律上、天下りに該当するかどうかにかかわらず、社会的に許されるべきではないと、このようなお話をされているわけです。
 私、これ非常に正しい発言だと思うんですね。特権的に高収入で再就職が許されるという行為、これ自体も許されざる行為ではありますけれども、それよりも、お互いに、なれ合いあるいは先輩後輩の関係から監督、チェック機能が及ばなくなるその危険性、これに対して言及されたんだと、このように思っていますが。
 であるとすれば、官房長官、ちょっと遡りますけれども、この事故が起こる前、二月二日の記者会見で、これは国会でもさんざん言われたことですね。石田徹前資源エネルギー庁長官が一月に東電顧問に再就職したことに対しておかしいんじゃないかという、このような話があったときに、官房長官は、いや、これは昨年六月に閣議決定された退職管理基本方針にのっとったものであると、経産省を通じて報告があるから問題ないと許容しているわけです、この中で。今回のやはり発言と非常に矛盾を感じる。官房長官自身が社会的に許されざることの後押しを二月にしているわけですよ。
 このことに対して、やはり今回の東電のこういうような体質、全てとは言いませんけれども、それに若干なりとも御自分も関与していたと、そういう責任を感じられませんか。

○国務大臣(枝野幸男君) その御指摘をいただいた発言は、まさに今回の再就職、前資源エネルギー庁長官の再就職についていろいろ御指摘を受けたことに対して、これは現在の法律では事後チェックしかできないということ、それから、あっせん等がなければ現在の法律ではいわゆる天下りには該当しないという法律になっているということの中で法律に違反をしたものではないということについて申し上げたものでございまして、その限りにおいては間違っていないというふうに思っております。
 ただ、一方で、現在の法律に基づくいわゆる天下り規制が結果的に今回、国民の皆さんの不信を招くような事態を認めるような内容になっていたということになるわけでございますので、これは今後、今のままの法制でいいのか、あるいは、もし法制度が今のままだとした場合にどこまで法律以外のやり方でこうした疑義を招かないようなことができるのかということについては考えていかなければならないというふうに思っています。

○宇都隆史君 官房長官、それはおかしいですよ。官房長官が四月十三日の記者会見でされた発言は、この天下りの実態が法律上該当するかどうか、これは関係ないという話をされているんです、官房長官は。そうじゃないんだと、実際に監督省庁である経産省から監督をされる側の会社に対して自分の立場を移す、そこにチェック機能が働かなくなることが非常に問題であると。だから私は、これは正しいと言ったじゃないですか。
 だからこそ、おかしいんであれば、この二月二日に言われた発言、この石田元エネルギー庁長官の件に関しても、これは天下りであるがどうだろうが、法律がどうだろうが、国民の皆さんがそれを受け入れるが受け入れまいが、そんなのは関係なく、監督省庁から監督されるべきところに移っていくことに対する国としての在り方の問題、これは変わりませんよね。

○国務大臣(枝野幸男君) これは、社会的に許されるかどうかというのと、法治国家ですので、法律上許されるかどうかというのは、これは別次元の問題としてとらえざるを得ないというふうに思っておりますし、法治国家で行政権をお預かりをしている以上、法律上どうなのかと問われれば、法律に反していなければそれは問題ないとお答えせざるを得ないと。
 一方で、社会的に問題であるということについて、今回、当該元資源エネルギー庁長官は御退職をされるそうでございますが、これは何ら法律で何か規制をしたわけでもあるいは行政権を行使したわけでもございませんが、まさに社会的要請に基づいてお辞めになるんだろうというふうに推測をいたしておりますが、この再就職問題については、これまでの法整備の歴史も、いろいろな御議論の中で、現状では事後チェックで事前の規制なしということで、そんな昔からある制度ではなくて、逆に最近そういう制度を改革としてつくられたということの中にありますので、その中で法律上は運用を当面はしていかざるを得ない。そうしたことの中で、まさに国会の皆さんの様々な御意見、御議論もそうですし、あるいはメディアの皆さんそして国民の皆さんの様々な社会的要請の中で許されざるものについては、民間企業も消費者、ユーザーとの関係の中でそれぞれ存在しているわけでありますので、社会的に許容されないということでそうしたことが抑止される面、そして現状の法制度でいいのかどうかという側面と、それは議論していかなきゃならないと思っています。

○宇都隆史君 官房長官、そんなこと言っちゃ駄目ですよ。せっかく国としてのチェックがしっかり動かないということに対して言及したんですから、やはりそこをしっかりとついていかないと、法治国家なんだから法律に触れてなければというように今取られましたよ。そうじゃなくて、チェック機能をしっかりするためにはやはりそういうことをしていかなきゃいけない、そういうことなんですよ。別に天下り云々が直接悪いわけではないんです。監督機能が働かないようなところであれば再就職したって別に構わないじゃないですか。そうではなくて、いろんな利権が絡むところに行ってしまうとちゃんとした政府のチェックが働かない、そこが問題だとせっかく言われたんですから、やはりそれを貫いていただきたい、私はこのように思います。
 やはり言われていることと、それから実行に移すことに非常に矛盾を感じる。混乱しているのかもしれません、もしかすると。でも、国民からすると非常に矛盾に感じて、心の中に何か妙なものを持っているんじゃないかと、そういうような目を逆に向けられることは、私は政府にとって非常に良くないことだと思うんですね。
 言動が矛盾していることについてもう一つだけこれ最後に指摘をしておきますが、全国電力関連産業労働組合総連合の機関紙「つばさ」百六十八号に、第十七回統一地方選挙、間近に迫ると題して電力総連候補の顔写真がだっと載っているのが掲載されているんですね。この中で八十七名の候補者に対して民主党が公認をしていると。しかも、これだけ社会的に大きな混乱を巻き起こしている東電の社員、これも八名公認しているんですよ。こういうことに関して、今回この件に関しては今朝の産経新聞の五面にも、東電ブランドひた隠しというふうな形で大きく取り上げられておりますけれども、こういうこと自体がやはりちょっとおかしいんじゃないかなと国民の目に映ると思うんです。
 一方で、官僚が自分たちの傘下にあった、監督下にあったところに移って、そことの癒着、チェック機能が働かなくなることに対しての危惧を表明しながら、政治家として政府の機関にある人間が、そういう国が監督しなければならないところからの支援をいただく、あるいはそこから今度は立ち上がる人間を支援する、こういう、蜜月の関係と言っては大変恐縮かもしれませんけれども、やはりそういうところにもしっかりとメスを入れていく、こういうことが必要だと思いますが、官房長官として最後にこれに関して御発言いただきたいと思います。

○国務大臣(枝野幸男君) 私自身は今官房長官という立場にありますが、公務員の再就職問題についても、私自身の認識と言動は一貫をしてきておりまして、従来から、官房長官就任前から、当選一回のころから一貫して関連業界に対する再就職は禁止をするべきだということで私自身の見解はずっと一致をいたしております。
 ただ、残念ながらこの間、私が力及ばず逆方向の法改正がなされて、その法律に基づいて今行政権を預かっております。その範囲の中でお話しできることということについては最大限私自身の信念に基づいてやっておりますし、それに応じて電力会社との関係については海江田経済産業大臣において、これも法的強制力はありませんが、省内の人間に対する自粛を指示し、なおかつ電力会社に対する自粛の協力を求めるということで、少なくとも電力会社と経済産業省の関係については最大限今の法律の中でできることは実施をしております。
 その上で今御指摘の件でございますが、これは公務員の再就職の話とちょっと次元が違うとはいうふうに思っておりますが、私は、特定の企業なり特定の業界が全面的に特定の候補を応援をするというような形での選挙の在り方については、私個人は望ましくないという姿勢でずっとやってきております。

○宇都隆史君 同じ質問、小川副大臣にも是非御回答いただきたいんですけれども。小川副大臣も今回の参議院選挙で電力総連から大きな支援をいただいているわけですが、こういう傘下にある組合からの支援をいただき、またこうやって支援をすることに対する、私は官僚の天下りあるいはチェック機能がなくなることと似たような構図ではないかというふうに思っているんですが、御自分の御意見をいただきたいと思います。

○副大臣(小川敏夫君) 電力総連から支援を、確かに連合の推薦をいただいた中で傘下に入っていますからそうしたことにはなるのかなというふうに思いますが、ただ、様々な人の集合体からそれぞれの判断で推薦をいただくということは、それは本来の政治の基本的な姿ではないかというふうに思っております。
 ただ、事故を起こしたそことの関係で様々な悪い影響力を及ぼすとか、あるいは様々な悪い圧力を受けるとか、そうしたことは決してないということは自信を持って言えます。

○宇都隆史君 ありがとうございます。
 是非そのような形であることを願うわけですが、最後に、やはり今回の事故は未曽有の事態です。国の存続にかかわるようなこういう大きな事故になっているわけですから、是非とも菅内閣にはしっかりとこれを責任を取るという覚悟で臨んでいただきたいと思います。仮にいろんなことをやったことで結果責任を問われてたとえ政権を失ったとしても、これは国を存続させるために、あるいは国民を守り抜くために最後までやるんだという意思をしっかりと示して頑張っていただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。

○委員長(松井孝治君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会

○委員長(松井孝治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○岩城光英君 原子力災害現地対策本部、これは今福島市に置かれております。原子力災害対策特別措置法によりますと、原子力災害現地対策本部は緊急事態応急対策実施区域に置くと、このようにされておりますが、福島市はその区域の中に入っておりません。地元の声は、できるだけ法の趣旨に基づき現場の近くに置いてほしいということであります。
 そこで、十八日の予算委員会で私は、この区域に一部が入っております南相馬市あるいは田村市、いわき市、又はJヴィレッジのある広野町に置いたらどうだという質問をさせていただきました。海江田経産大臣は、今の場所が適切なのかどうなのか、その他候補地がないのか検討していきたいと、このように御答弁されておりますけれども、その検討はどうなされておりますでしょうか。

○大臣政務官(田嶋要君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、原子力災害が発生した場合には、現地対策本部はいわゆるオフサイトセンターに設置することが法定されてございます。そういう意味で、今回の三月十一日の事故直後から、この法に基づきまして、福島第一、第二原子力発電所のOFCとして指定をされてございますセンターが、これは大熊町にございますが、三キロ離れたところでございます。その大熊町、第一から三キロ離れたところでございますが、そこに現地対策本部を構えました。
 実際にスタートをいたしましたが、問題がいろいろ出てまいりまして、一つは放射線量が高いことに加えまして、電源の確保が困難であり、通信状況も悪くなったということで、OFCとしての機能を確保することが難しいということで、四日後、三月十五日、福島市内に現地対策本部を移動させたわけでございます。
 おっしゃるとおり、現地への指示も含めまして、地元自治体との調整を行うという観点では、なるべく発電所に近い場所に設置すべきということは御指摘のとおりでございますが、一方で、自治体や住民、事業者の方々との連絡調整の防災拠点として機能するためには、放射線量の状況のみならず、電源や通信等の一定のインフラ確保が大事であるというふうに考えてございます。
 そういう意味で、現在は福島県庁という、そういうふうなインフラがしっかりしているところに間借りをしている形でやらせていただいているわけでございますが、現時点での判断はそういうことでございますが、更に適切な場所に移ることができるかどうかは引き続き検討していきたいというふうに考えてございます。
 以上です。

○岩城光英君 そういうことですから現地の緊迫感が伝わらないんですよ、福島市までかなり距離ありますから。これは引き続き御検討いただきたいと思います。
 と同時に、現地に近いところに現地対策本部を移すことは風評被害の解消にもつながるんです。十二分に御検討をいただきたいと思います。遠く離れたところで、安全なところでやっているから我々の声が聞こえない、それが本当に地元の皆様方の声ですよ。しっかり対応していただきたいと思います。
 それから、予算委員会でも申し上げました、現地の対策本部の本部長がこれまで六回替わり、副本部長が三回替わっている。これも海江田大臣は陳謝をされましたけれども、実は昨日、災害対策特別委員会で佐藤正久委員の方から、緊急災害現地対策本部、これは大震災にかかわる、これの本部が宮城県に置かれ、そして岩手県と福島県には現地連絡対策室ということで責任者が置かれておりますけれども、この責任者も替わっておりますし、何回もですね、そして誰もいない空白の日にちも、日数もございました。これは昨日の質疑で明らかになっております。
 こういったことを考えますと、本当にやる気があるのかどうか、現地の皆様方の声をしっかりと政府に伝える役目を果たしているのか、疑問に思うところであります。やはり責任や権限を現地本部に与え、迅速に意思決定できる体制を取らなければこれはいけないと思います。
 一九七九年、スリーマイル島の原発事故のときには、アメリカの原子力規制委員会の原子炉規制部長ハロルド・デントンという人を現地に向けて、それで情報源をこのデントンさんに一本化するようカーター大統領が指示をされたそうであります。そして、大統領と直接つながるホットラインの電話も現地に置いて様々な問題に適切にスピーディーに対応したということでありますが、これからそういった対応を取れますか。

○大臣政務官(田嶋要君) 御答弁申し上げます。
 原発の事故が起きましてから、現地福島で、まさに福島にふだんお住まいの方中心に必死になってやっているさなかに本部長が替わったというのは私は良くなかったというふうに思ってございます。大臣からも反省の弁がございました。そういう意味では、現在、池田副大臣が本部長を務めてございますけれども、今後は、こういうころころ替わるような状況を起こさないようにということで、しっかりとやってまいりたいというふうに考えております。
 以上です。

○副大臣(東祥三君) 地震、津波に対しての御言及もありましたので話をさせていただきたいと、昨日、佐藤委員のときに手を挙げさせていただきましたが、拒絶されましたので。
 基本的な見方というのは、あくまでも、宮城県に現地対策本部をつくり、御指摘のとおり、岩手、福島に連絡室をつくらさせていただいております。私たちの基本的な方針というのは、とにかく政府と県と市町村、この連携が第一でございますので、その視点に、方針に基づいて運営させていただいております。
 ただ、それのみならず被災地の現場、これを踏まえなければならないということで、例えば宮城県においては被災されている市町村、約三十五市町村ありますが、政務三役、それぞれにかかわる問題に対して全員を派遣させていただき、こぼれている情報、また市町村では酌み取れない、あるいは県でも酌み取れない、そういう情報を踏まえた上で、松本本部長の下で始動していただいております被災者支援、その対策本部に基づいて連携を取らさせて対応させていただいているところです。
 現場で政務三役がいないではないかと、こういう御指摘ございます。政務三役がいないときでもきちんとした形で、宮城県本部においては五十名、そして岩手県においては三十名、さらにまた福島県においても三十名、この体制でやらさせていただいております。
 具体的に何か落ち度がありましたら遠慮なくおっしゃっていただきたいと思いますし、具体的な問題点があればそれに対してすぐ即応させていただくと、こういう形でやらさせていただいていることを御報告申し上げておきたいというふうに思います。十分ではないと思いますが、全力で頑張ります。

○岩城光英君 こういう声も上がっているんですよ。様々な問題で現地に赴いている副大臣、政務官に要望したら、政府に伝えるとの返答だけで何も方針を示さない、政府の代表なのに、同じ政府内に伝達するだけで何も問題が解決できない。この辺も十二分に考慮してこれから対応をお願いしたいと思います。
 さて、防災基本計画では、原子力安全委員会は、緊急事態応急対策調査委員から成る緊急技術助言組織を設置し、緊急時にはあらかじめ定められた原子力安全委員会委員及び緊急事態応急対策調査委員を現地に派遣し、発災現場等の情報の収集、分析を行わせ、国、地方公共団体及び原子力事業者等が行う緊急事態応急対策に対し的確な技術的助言等を行えるよう必要な体制を整備するものとすると、このようになっております。
 今回の原発の事故に際して、三月十一日に、当日でありますけれども、緊急技術助言組織の招集はなされましたが、全ての委員に対してではなかったようであります。また、専門家の派遣についても、あの事故が発生してから一か月以上がたった四月十七日に至るまでなされておりませんでした。
 平成十一年の東海村、ジェー・シー・オー放射能漏れ事故の際には、十時三十五分に事故発生しました。その当日の十五時三十分に緊急技術助言組織が招集を決定し、そして十八時には原子力安全委員会二人、助言組織の専門家二名の派遣を決定して、翌日には現地に派遣して対応に当たらせております。今回の対応とは、際立って素早く当時は行動しているわけですね。専門家が実際に現場を見て分析することでより的確な情報を得ることができたのではないかと思います。
 また、今回も緊急事態応急対策調査委員を事故発生当日に招集しておりますが、派遣対応は取っておりません。その理由をお聞かせ願います。

○委員長(松井孝治君) 御答弁はどなたがなされますか。

○政府参考人(久木田豊君) お答え申し上げます。
 原子力安全委員会では、四十名の専門家から成る緊急時助言組織を構成しておりますが、この内容は、放射線被曝、放射線計測、環境影響、施設といった専門分野に分かれております。
 今回の事故におきましては、事故の発生いたしました三月十一日に助言組織の立ち上げを決定いたしておりますが、御承知のように、当時、携帯メール等による連絡というのは極めて困難な状況でございまして、そのことと交通の途絶ということから、当日、実際に招集できましたのは数名でございました。その後、合計十六名の委員によりまして、延べ三百人日にわたって原子力安全委員会の助言活動に対して御協力をいただいているところでございます。
 原子力安全委員会では、様々な関係省庁から寄せられます助言要請、それから情報提供に対しまして二十四時間体制で対応してまいったわけでございますが、その間、現地対策本部への派遣が遅れたということは事実でございまして、この点についてはおわび申し上げたいと思います。

○岩城光英君 その理由が説明ありませんので、もう一度御説明を願いたいと思います。

○政府参考人(久木田豊君) 原子力安全委員会といたしましては、原子力安全委員会、東京の現場におきまして、ただいま申し上げましたように、多数の助言要請、情報提供に対して多くの外部の専門家の先生方の協力を得て努力してまいったところでございます。そのことに時間を取られて派遣が遅くなったということでございます。

○岩城光英君 現在はどうなっているんですか。十七日に二名の方を派遣されたということは伺っておりますけれども、現在はどういう状況ですか。

○政府参考人(久木田豊君) 御指摘のように、四月十七日に原子力安全委員一名と調査委員一名を派遣いたしまして、原子力安全委員は福島第一原子力発電所の視察をいたしました。調査委員については、引き続き現地にとどまっていただくというふうに考えております。

○岩城光英君 この辺は、専門家としての現地での調査、そういったものをしっかりと収束に向けた工程の中で、あるいは現地対策に生かしていただきたいと思います。しっかりと対応いただきたいと思います。
 ただ、先ほど説明ありましたとおり、緊急技術助言組織のメンバーの中には招集の連絡すら受けていない委員がいる一方で、内閣官房には多数の専門家がこれは参与として入っているんですよね。これもおかしな話ですよね。政府に都合の良い意見を提供するそういった方、専門家を参与として招いているだけではないんですか。かえってそういったことが意見を多くして、その対応を遅くしているのであれば、大きな問題であります。いかがでしょうか。

○国務大臣(松本龍君) 御指摘のとおりだというふうに思っております。
 三月十一日の十四時四十六分に発災をいたしまして、約一時間後に全交流電源が停止をいたしました。またその後、一時間後に冷却装置の注水が不能になりました。その後、私は日本国中の全知見を招集するようにという指示はいたしましたけれども、その指示が届かなかったということは私の責任の一端があろうかというふうに思っております。
 そういう意味では、今言われましたとおり、これから政官業、そして原子力安全委員会は学の部分ですけれども、それぞれがやっぱりニュートラルコーナーに立ちながら、経済産業省と保安院の関係、また原子力安全・保安院と東京電力の関係、電力会社との関係等々をしっかり切り分けていきながらやっていかなければならないと思いますし、原子力安全委員会も、私は先ほど日本国中の知見と言いましたけれども、世界中の知見をやっぱり集めて深掘りをしていく必要があるというふうに今考えているところであります。

○岩城光英君 原子力安全委員会は、今大臣もおっしゃいましたように、まさに原子力政策の日本の頭脳ですよね。これを生かさない手はないんですが、今回の対応を見ていますと影が薄いんですよ。存在感がないんですよ、全く。ジェー・シー・オーの事故の際には、原子力安全委員会はもう連日記者会見を開き、専門的な見地からの助言も行ってきたようでありますが、今回の事故に際しては三月二十三日に初めて記者会見が行われているんですよね。本当にどういう仕事をしてきたのかという面で非常に疑問であります。
 この点について、もう一度改めて答弁をお願いします。

○国務大臣(松本龍君) おっしゃるとおり、三月、私は実は三月十一日からずっと危機管理センターにおりまして、その辺の行き届かなかった点はあろうかと思いますけれども、本当に対応が遅かったというふうに思いますし、これからしっかり対応していくということで、原子力安全委員会の方にももう何度も対応が遅いという話はしましたけれども、これからも、今、岩城先生の御意見を伺いながら、しっかり対応してまいりたいというふうに思っております。

○岩城光英君 まさに国難の時期でありますので、今お話がありましたとおり、しっかりと対応をお願いしたいと存じます。
 ところで、昨日午前中に私のところにいわき市の女性から電話が入りました。内容は、朝、通勤しているときに車を運転している中でラジオを聞いていた、ラジオの番組の中でゲストにおいでになった女性の方が、今度福島の三春に炊き出しに手伝いに行く、そこで、四十キロ圏内は危険だから入るなと言われているが、三春は四十五キロだから大丈夫だと、こういう話をされたということなんですね。会社に行って同僚の皆様に話をすると、おかしな話だけれども本当にそういうことになるんでは四十五キロ、五十キロ危ないのかと皆さん大変不安に思ったということです。会社のある方がこのラジオ局に電話をしまして確認をしたら、いや、そういうふうに言っている団体もあるからそういう話をしたんだということですね。こういった様々な情報が流れると本当に現地の方々不安になるんですよね。
 小学生をお持ちのあるお母さんも私に手紙をよこしました。いろいろと長いんですけれども、ちょっとだけ御紹介申し上げます。
 自分の生まれ育った町、愛する家族と共に一生暮らすはずだった町、自分の人生を懸け事業に専念された方々もおられたことでしょう。住民はこの地を離れたくないのです。政府が言うように本当にこの地が安全であるならば、人口流出を抑え、復興するためにも、この三十から五十キロ圏内の安全性について徹底的に調査していただき、安心してこの地に住めるよう、風評被害を打ち消すことができるよう、根拠を持って証明していただきたいのです。あと何か月住めるかなどと心配せず、ふるさとを復興したいのです。
 こういった内容のお手紙でありますけれども、やはり現地の、三十キロから離れたといいながらも、様々な情報が飛び交う中、大変不安に思っている方々が多いんですね。特に小さなお子様をお持ちの方や妊婦の方などはそうだと思います。
 そこで、そういった御家庭が自主的に、避難指示等の対象外の地域であっても自主的に避難されておりますので、幼稚園それから保育園、そういったところが大幅な定員割れが起きております。また、妊婦の方が遠方に避難しておりますので、産婦人科のお医者さん、ここの経営も大変困ってきております。
 こういった自主避難の影響による、幼稚園あるいは保育園、そしてまた産婦人科、こういった経済的な被害は補償の対象になるのでしょうか。なるとすれば具体的にどのような補償がなされるのでしょうか。

○大臣政務官(林久美子君) お答えをさせていただきたいと思います。
 今回の事故につきましては、事故との相当因果関係が認められるものにつきましては、先週、第一回の会を開催いたしましたが、原子力損害の賠償に関する法律、いわゆる原賠法に基づいて適切な賠償が行われるということになっておりまして、先週に原子力損害賠償紛争審査会が開かれたところでございます。
 委員御指摘のように、第一原発の三十キロ圏外で生活をされておられた方が自主的に避難をされることによって様々な影響が出ているということも承知をいたしております。そうしたことも踏まえまして、今回のこの審査会の中で相当因果関係の考え方を整理をいたしながら、原子力損害の範囲の判定などの指針に沿って判断をされていくということになるかと思います。
 当然、第一義的には原子力事業者である東電がその責任を負うということになると考えておりますが、政府としても、今回の災害によってもういろんなところで大きな不安、大きな影響が出ております。そうした皆さんに対して十分な支援ができるように全力で当たってまいりたいと思いますし、先生から御指摘をいただいたこともしっかりと審査会での議論の場に上げていきたいというふうに思います。

○岩城光英君 これは、原賠法でどうしてもカバーできないときにはほかの財政措置を国が責任を持って考える必要があろうと思っております。指摘だけしておきます。
 それから、いわゆる風評被害で様々な分野に影響が出ているんですけれども、観光面でもそうですね。これは福島県内だけではありません、全国各地で同じような状況にあろうかと思います。
 こういった観光面での支援策、救済策につきましては観光庁から情報提供が行われていると、このように伺っておりますけれども、具体的にどういった支援策を講じようとされていますか。

○大臣政務官(小泉俊明君) 岩城委員、今御指摘いただきましたように、今回の震災、そしてまた風評被害等により、旅行者がかなり減少しております。訪日外国人約五〇%、国内旅行につきましても二割から約四割減少しており、大変深刻な状況にあるものとまず認識をしているところであります。
 この風評被害対策、一番大切なことは、何といいましても正確な情報を内外にきちっと発信をすることであります。このために、現在、我が国の交通インフラの状況、そしてまた四十七都道府県の放射線量などにつきまして正確な情報を海外にも提供し、国内にも正確な情報を提供することとさせていただいております。
 また、観光関連事業者さんたちが今回のこの旅行者の激減によりましてかなり収入が激減しているところでありますので、これに対しましてはつなぎ融資等を中小企業庁等が実施しております。こういった救援策につきまして、観光庁からこういった関係団体に周知徹底を図っているところであります。
 そしてまた、現在、被災者の方々の思いや余震等の状況にも配慮しながら、やはり今少しでもこういった観光に対する風評被害等にも対処するためにも、地域一体となりまして官民一体のキャンペーンやイベント等、こういったことも検討させていただいているところであります。

○岩城光英君 外国から観光客をお招きするということも当然大事なことでありますので、併せて引き続きしっかりと支援をお願いしたいと思います。
 それから、避難されている方、もう四十日になりました。先日もお伺いしましたけれども、まだ冷え冷えとした体育館等で集団で生活されている方がいらっしゃいます。本当にお気の毒です。そして、もうプライバシーの問題もあって、そろそろ限界かなというところに来ているのが避難所の問題ではないかと思います。ですから、二次避難として旅館とかホテルに移っていただく、あるいは仮設住宅に移っていただく、こういうことを進めていただいておりますが、なかなか思うように進んでいないようです。これは急ぐ必要があると思いますので、どうかよろしく頼みます。
 そして、これは町ぐるみで避難されているある首長さんから、こういうふうに自然災害が頻繁に襲ってくる時代では、一時的な仮設住宅ではなく災害発生時に使用するという避難基地、こういったものを全国に造っておくことも必要なのではないかという御意見もいただきましたが、将来の問題としてはいかがでしょうか。

○副大臣(東祥三君) 政治家としてのすごい僕は提案だというふうに思います。地震や津波その他の大規模な事故によって被災者を速やかに安全な場所に収容させる、これは政治の要諦の一つなんだろうというふうに思います。
 現在、応急仮設住宅の供給を速やかに行う、そのことは当然のことでございますが、あるいはまた公営住宅、使われていない公営住宅を利用する、様々なことが行われているわけでありますが、岩城先生のその御提案というのは常に私たち政治家が心しておかなくちゃいけない、そういう問題なんだろうと思います。
 危機管理体制あるいはまた防災体制における強化という側面から考えたときに、このことは極めて重要なことなんですが、ざっくり言うと、基本的には費用対効果という、こういう問題なんだろうというふうに思います。平時のときには何で日ごろ使われていないものをという、こういう議論が必ず出てきます。今であれば日本全体が何とかして被災者に対して支援の手をと、こういう状況でございますが、したがって平時のときにどういうふうなものに使われているのか、そして一旦有事になったときにその施設を避難用に使える、こういうことがどうしても必要になってくるんだろう。
 とりわけ民主主義の社会でありますから、やっぱり国民の意識、そして被災地域の意識、それを踏まえた上で対応していかなくちゃいけない。是非、先生、その避難基地構想というのを更にいろいろ詰めていただいて、我々としても全力でそのことも考えていかなくちゃいけないというふうに思っておりますので、いろいろお知恵がありましたら是非いただきたいというふうに思います。

○岩城光英君 将来的な課題として議論は進めていかなければいけないと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、避難されている方々、不自由ではありますけれども、最低限の衣食は確保されつつありますけれども、今度はやっぱりいつまでも与えられているということに耐えられなくなってくる、そういう問題がありますよね。例えば人間としての誇りとか意欲、要するに仕事がないと、何もすることがないということであります。
 ですから、一時的な避難から、それがある程度、もう今度の工程表見ましても少なくとも六か月は掛かるわけでありますので、この間、避難先での雇用の問題、これは非常に大事な問題だと思いますが、どのようにこれから取り組んでいかれるでしょうか。

○大臣政務官(小林正夫君) 岩城先生おっしゃるように、雇用問題というのは極めて重要だと認識しております。
 被災された方々の雇用対策については、福島原子力発電所の事故により避難されている方々も含めて、四月五日の日に取りまとめた「日本はひとつ」しごとプロジェクトに基づいて当面の緊急総合対策を実施しております。
 具体的には、重点分野雇用創造事業の要件緩和による雇用の創出を図ります。実は、福島県の沿岸部の十三市町村では、避難者を含む被災者を各役場の事務補助員として約六百名を臨時雇用する予定と、このような計画も既に把握ができております。
 また、仕事とのマッチング体制の構築のためには、「日本はひとつ」しごと協議会で関係機関と連携して、ハローワークによる避難所へのきめ細かな出張相談や農業漁業離職者への就労支援などといった機能を拡大をしていく、そして被災者を雇い入れる企業の開拓や住居の確保をしていく、このことを進めていきます。さらに、三年以内に卒業された方を採用した場合の助成額の増額による雇用の維持確保などに取り組んでおります。さらに、雇用保険の失業手当についてですけれども、事業所が避難指示区域などにあることからやむを得ず休業されている方々について、休業を失業しているものとみなして受給できる特例の対象ともしております。さらに、福島を始めとして、特に被害の大きい岩手、宮城の三県の労働局管内のハローワーク十四か所で、平日の開庁時間を延長して、土日、祝祭日にも開庁して対応をしております。
 今後、補正予算あるいは法律改正などの対応で、政府全体の復興構想を踏まえた中長期的な対応など、切れ目なく雇用対策を進めていきたいと考えております。

○岩城光英君 一番問題なのは双葉郡の方々ですよね。県内あるいは県外に移転されて、そこで避難所生活を送る。そこでの雇用対策がやはり特別に大事だと思いますし、これは今おっしゃられたことも少しかかわるのかも分かりませんけれども、工夫が必要だと思います。そして、なおかつ、なりわいといったものを考慮して、農業をやられていた方はやっぱり農業、漁業に取り組んでこられた方は漁業の面で仕事を探していただく、そういったことも工夫しながら取り組んでいただきたいと、これは要望をしておきます。
 次に、避難された方を受け入れている自治体、これは様々な御苦労がやっぱりあるようであります。財政的にいろんな国の支援はあるんだと思いますが、とにかく温かい心で避難された方々を受け入れていただいておりますことには非常に私も頭の下がる思いでおります。
 そこで、こういった受入れ自治体に対して国からどのような支援策があるのか、具体的に御説明を願います。

○大臣政務官(逢坂誠二君) ただいま御指摘の点につきましては、まず第一に、災害救助法に規定がございます。災害救助法の規定に基づいて、これは第三十五条でございますけれども、受入れ県の方で被災された県に対してその経費を求償することができるということになっております。その際に、受入れ県では自分の県内の市町村が受け入れた分もまとめて被災した県に求償するということになっております。求償された県の方では、その分の額を、国の方からルールに基づいた負担額が支給されるということになっております。これが災害救助法の規定でございます。
 それから、もう一つでございますけれども、災害救助法の対象にならない経費、これもあろうかというふうに思っております。そうしたものについては、関係自治体の実情を踏まえた上で、特別交付税で配慮する方向で考えているところでございます。

○岩城光英君 昨日、実は福島県内で避難されている方々を受け入れているところの首長さんがお見えになりまして、いろんなお話を聞かせていただきました。細かくなりますのでここの場では避けさせていただきますけれども、お話ししていたのは、その首長さんが、県の方には今ちょっと対応は無理なので、政府の方で避難されている方を受け入れている自治体にも来ていただいて、いろんな悩み、それから苦労、そういったものを聞いていただきたいんだということを強くおっしゃっていましたので、対応していただければと思いますので、よろしくお願いします。
 次の質問に移ります。
 いわき市では、いわき平競輪場、これを擁しておりまして、そして今現在、被災に遭いましたのでレースができない状況であります。地元のいわき市から、平成二十二年度開催分の地方公共団体金融機構への納付金あるいはJKAへの交付金を免除してほしい、こういった要望が届いておりますけれども、どういった対応が可能でしょうか。

○大臣政務官(田嶋要君) JKAへの交付金でございますが、自転車競技法に基づきまして、競輪の売上げに応じて、競輪の開催ごとに、その終了した日から三十日以内にJKAに納めていただくということになってございます。
 現行法上でございますが、交付金の免除ということは困難でございます。ただ、これは、交付金というのは、実際に競輪事業が行われているときは交付金を払うという仕組みでございますので、事業が行われている限り交付金の免除は困難でございますが、いわき平競輪場の被災状況や競輪事業の収支状況を今後詳しくお伺いをし、支援の可能性については検討してまいりたいと考えております。

○大臣政務官(逢坂誠二君) あと一方、地方公共団体金融機構への納付金でございます。これは決算した翌年度の十一月までに納付をすることになっておりますが、これは決算が赤字であれば納付額が生じないということになって、収益額ですね、失礼いたしました、これが赤字であれば公営企業納付金の納付は不要というふうになっております。現在いわき市の決算がまだ出ておりませんので、決算の状況を踏まえて判断することが必要と認識しております。

○岩城光英君 市町村にとりましては、こういった事業を行っているところ、やはり市の財源の確保に貢献している施設でありますので、そういった点も含めましてこれから要望してまいりますけれども、柔軟的な対応をできるようにお願いしたいと思っております。
 次は港湾の問題ですね。今度の巨大地震によりまして多くの太平洋岸の港湾、漁港が壊滅的な打撃を受けております。そしてまた、夏場に向けまして電力不足を補うのが火力発電でありますが、この燃料は海外から、石炭にしろLNGにしろ、タンカーによって港に運ばれるわけであります。そういう観点から、関東、東北地方の電力需要を支えるという点で、火力発電所を抱える小名浜港あるいは相馬港、これは極めて重要な港湾となっておりますし、小名浜港は地元では国際バルク戦略港湾への指定、この期待も高まって実はおりました。こういった港湾は大きな打撃を受けた中でも緊急物資輸送の拠点としてそれなりの役割を果たしてまいりました。こういった港湾の役割を果たして引き続きいくためには、今後の電力需要や地元企業の事業再開、そういったものを見据えて早期の復旧が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(小泉俊明君) 今先生御指摘いただきましたように、小名浜港や相馬港を始めとする物流基地になっております港湾が甚大な被害を受け、原状緊急復旧を進めているところでありますが、石炭、石油等のバルク貨物を荷揚げするところまでは復旧がまだできていない状態であります。
 しかし、この石炭、石油などのバルク貨物の安定的な輸入を可能にすることが、先生御指摘いただいているように、電力の確保はもちろんのこと、地域に資する企業活動にとりましても最も重要なことであると認識しております。そのためにも、港湾の岸壁のみならず荷役機械含めて、一体的に早急な復旧を図るように全力を尽くしてまいります。

○岩城光英君 福島県の国営かんがい排水事業隈戸川地区、ここは平成四年度から三百九十九億円の費用を投じて改修が進められてきました。ようやく工事が完了して、この春の利用を待つばかりとなっておったんですが、今回の地震で幹線用水路が被災し、三千二百ヘクタール余りの水田への通水が不可能となっております。地元からは、国による早急な災害復旧事業の実施が要望されておりますが、農家は地震の被害だけでなく風評被害、こういったものにも遭っておりまして、この復旧事業費、負担する余力がありません。
 そうしたことから、農家の事業負担金についても全額免除することなど、営農の再開、継続に向けまして国が十二分に配慮する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(筒井信隆君) おっしゃるとおり、被災を受けて、しかも二十三年度の通水がなかなか困難という状況になっております。したがって、これも先生おっしゃるとおり、農家の負担を最大限なくする方向で今取り組んでいるところでございます。
 頭首工の復旧工事に関しましては農家の負担はゼロでございます。幹線水路に関しましては、国庫負担の方を最大限効率化することによって農家負担を最小限に抑えていく、その方向で今詰めているところでございます。

○岩城光英君 それと、国営土地改良事業の新請戸川地区ですね、ここの対象地はいわゆる避難指示が出された地域になっております。ですから、どのような被害が出ているのか、その実態把握もできていない状況であります。原発の事故が収束次第、被害調査から復旧まで国が責任を持って事業を行うべきであると考えております。
 また、放射性物質による土壌汚染もこれは当然心配されます。そして、作付け可能な農地に戻すためにはどのような対策が考えられるのでしょうか。国が責任を持って総合的に対策を講ずべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(筒井信隆君) 前者の方、これも先生おっしゃるとおり、まさに今被災の状況、具体的に、避難地域で今度警戒地区になりそうなところでございますので調査が完全にはできないところでございますが、入れる状況になって直ちに復旧工事に取りかかる、この準備もきちんと進めているところでございます。
 それから、農地についての除染措置、これをどのようにやったら一番効果的であるのか、今農水省においても、それも研究、検討を始めたところでございます。

○岩城光英君 万全な対応をお願いしたいと思います。
 そして、今回の震災で、これは福島県だけじゃなくて、農村の集落排水施設、これも大きな被害が出ております。早急に復旧する必要がありますが、国として、農水省として、どのように取り組まれますでしょうか。

○副大臣(筒井信隆君) これにつきましても一次補正の中に計上する予定でございます。そして、これに関しても農家負担は最小限度に抑える、激甚災害が指定された場合と同等の国庫負担を持っていくという方向で今やっているところでございます。

○岩城光英君 引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それから、全国避難者情報システム、これ総務省で構築されたんですか、もうされたんですね、はい。大いに期待をしております。
 といいますのは、双葉郡内、八つの町村、七万三千人の人口なんですが、把握している住民の方々は四万七千人で、まだ約三割五分の二万六千人所在がつかめていないんですね。このままだといろんな面でサービスの不都合が生じますね。ですから、県も双葉郡支援センターというのを立ち上げて情報収集を行っておりますようですが、総務省がこの度構築されました全国避難者情報システム、期待するところ非常に大きいわけでありますので、このシステムの内容について御説明いただければと思います。

○大臣政務官(逢坂誠二君) 御指摘のとおり、これからの避難者の皆さんのいろんなサービスなどを考えると、居どころを十分に把握をするということは大切なことだと認識をしております。そこで、総務省で全国の都道府県、市町村に協力をお願いしてこのシステムを現在立ち上げたところでございます。
 システムの概要は、避難されている方が御自身任意で、それぞれ避難されている自治体、市町村の窓口へ行っていただいて、私はどこどこ県の何々町のこういう者です、私はここに今避難をしていますということを言っていただくと。それを自治体が全部その県に集めていただいて、全国的にまたそれを集約していこうというシステムでございます。
 したがいまして、本人の任意の申告ということが非常に大事になってまいりますので、そういった仕組みがあるんだよということを全国に避難されている方に知っていただくことがまず何よりも大事だと思っています。そのために、現在、政府広報としていろんなことをやろうというふうにも思っていますし、ラジオスポットCMあるいは政府のインターネットテレビ、あるいは被災地の壁新聞のようなものにもこの情報を出していきたい、こういうシステムがあるよということをやっていきたいと思っています。さらに、現在、今総務省の中で既定の予算やりくりしましてポスターを作って、いろんなところにもこれ掲出をしてまいりたいなというふうに思っているところです。
 それから、既にテレビ、新聞等においてもこのシステムの存在が報道もされておりますので、そうしたことを通じて、とにかくこういうものがあるから自分の居場所をはっきりとお知らせくださいというようなことをやっていきたいと思っております。

○岩城光英君 周知徹底、これ大事なことでありますのでしていただいて、より多くの方々をそれぞれの市町村が把握できるようにしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 最後の質問になります。
 午前中の官房長官の記者会見で、第一原発二十キロ圏内には警戒区域を設定することが発表されたようであります。同時に、第二原発の半径十キロ圏内の避難区域、避難指示区域ですか、ここが八キロ圏内に縮小する方針だということでありますけれども、その理由、八キロ圏内に狭まったということの理由をお伺いします。

○大臣政務官(田嶋要君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりでございまして、本日十一時、そのような指示が出されたところでございますが、福島第二原発は、現在冷温停止状態を維持してございます。しかしながら、冷却系統は二系統のうち一系統は依然として使用できていないと。そして、非常用ディーゼル発電機についても修理中のものがあるということで完全には復旧をしていないということでございますので、まず、全面的に避難区域を解除することは困難であるという状況でございます。
 しかしながら、現時点においては、原子力緊急事態宣言を出しました震災の翌日の三月十二日時点と比較して、原子炉が冷温停止中であるなど重大な事故が発生するリスクは相当程度に低下をしてきていると、そういうふうに言えると思います。このような状況を踏まえまして、一定の安全対策が確保をされていると判断されることから、本日、半径八キロ以遠の区域を避難区域から解除することを決定をいたしました。その一定の安全対策と申しますのは、外部電源、非常用ディーゼル発電機、電源車並びにポンプ車に関する安全対策でございます。
 以上です。

○岩城光英君 ありがとうございました。
 終わります。



○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 まず冒頭、官房長官に一点確認させてください。
 午前中以来、佐藤議員、宇都議員の質疑の中でもかなり官房長官は明確におっしゃっていると思いますが、確認したいのは、十七日に東京電力が作って発表しましたロードマップ、工程表、この実施という、実現ということについては、政府もしっかりと責任を持って実現を図るということ、これは政府の責任でもあるんだということを確認していただきたいと思います。

○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、これについては法律上のいろんな形式的な位置付けはあります。それも踏まえなければいけませんが、これはもう国民の皆さん、なかんずく今回の事故による被害、影響を受けられている皆さんとの関係で、東京電力のみならず、政府としてもしっかりと責任を持ってこの収拾に当たる、それに向けた工程表の実現に向けて政府としても責任をしっかりと持って対応していくということは明確に申し上げたいと思います。

○小野次郎君 きちっとお答えいただいたと受け止めさせていただきます。
 特に、四月十九日にはウクライナで原子力サミットございましたですね。高橋外務副大臣が日本政府を代表して各国の閣僚級の会議で、もう主語はガバメント・オブ・ジャパンというふうに言い切っていますから、そういう意味でも、これは国民に向けての一つの政府のステートメントでもあるし、同時に国際社会に向けての言葉でもあるので、東京電力だけの問題じゃないということを確認させていただきました。
 次に、これは十四日に官房長官とも議論させていただきました計測体制、放射線量というか、放射能の計測体制についての話ですが、十八日には予算委員会でも海江田大臣と議論しましたけれども、どうもかみ合わないところでございましたが、今日お手元に配らせていただきました資料、これは、いろんな方が御尽力いただいて私のところに経産省から届いたメモが二枚ございます。
 放射線モニタリング体制についてということでございまして、これを福島第一原子力発電所敷地内は東京電力が、周辺区域のモニタリングは文科省が中心となって、東電、福島県、県警、自衛隊等が実施していると。二つ目の黒ポツは、原子力安全・保安院は東電に対してモニタリングの強化などの指示を行っており、自らモニタリング調査を実施しているものではないという点を確認させていただきました。
 そこで、私から改めて指摘したいのは、国民の信頼確保の見地から、原発の敷地外はもちろん、事故発生時には施設内においても政府、行政機関と言ってもいいと思いますが、が責任を持って、つまり事業者に任せるんじゃなくて、政府側が責任を持って放射線量を計測し、かつ迅速に公表する仕組みを直ちに構築すべきではないかと思います。
 まず、原子力安全委員会委員長に、こういう私の考えについて御認識をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(班目春樹君) 原子力安全委員会では、文科省やあるいは福島県などから提供されたデータについて科学的客観性に基づいて評価をいたしております。
 小野先生のおっしゃる御提案も一つかとは思いますが、我々としては、きちんとしたモニタリングを今まで以上に充実させていただきたいというお願いをしているところでございまして、その体制についてまではちょっと言う資格がないということで、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。

○小野次郎君 この点については官房長官にもちょっと反省をいただくことがあるんですね。三月十六日の記者会見で、これは二十キロですか、二十キロのところで文科省が大変高い放射能の値を計測したというようなこと、それから、あと、ほかの何地点かでやはり同じように大変値が高いのが出て、それを報道機関を通じて公表したら、測定者の健康に被害が出ない範囲で計測は続けるが、住民の健康被害については枝野官房長官からコメントするなという指示があったというふうに文科省の方で言っていまして、それを踏まえて、今度三月十六日、同日の十八時の記者会見では記者からそこをつかれているんですね。文科省は健康被害についてコメントしないようにと指示したとされているが、事実関係はと聞かれて、官房長官は、モニタリングについては、原子力発電所の敷地内やその周辺については原子力安全・保安院が、その外側においては文科省がモニタリングを行い、その全体の集約と集計を行うようにと言ったと、それぞれの職責に基づきそれぞれの仕事をしっかりしていただきたいと、こういう指示をしたと。
 それで、先ほども見ていただいた資料を見ていただくと、これ、横になっている表の方ですけれども、敷地内は東電、保安院が取りまとめになっています。これ、二十キロ圏内のところは、実施者も文科省、防衛省、東京電力、取りまとめのところは文科省(データ精査中)となっている。
 これは、実態としてこの一か月間、これ報道機関全部に聞きましたけれども、皆さん、保安院からこの説明を聞いているので、文科省でこの二十キロ圏内のコメントというのはほとんどしてくれていないというんですよ。国民もそれで聞いているわけですから。だから、その点については、こういう整理をされたというのは私は明快だと思いますけれども、しかし当初の段階においてはその辺について混乱を生じた、またその一つの一因として官房長官のこの十六日の御指示なるものが影響があったんじゃないでしょうか。

○国務大臣(枝野幸男君) 私の指示した内容が報道等で若干正確でなく伝わっている部分がございまして、この表を御覧いただいてもお分かりになりますとおり、特に原子力発電所の敷地の外側については主に文部科学省がモニタリングを行っておりますが、文部科学省のみならず、福島県を始めとして様々な測定の能力のある機関においてできるだけたくさんのモニタリングをしなければならないという状況でございました。
 ただ、そうしたいろんな機関が行っておりますので、それらについては文部科学省がしっかりと全体について掌握をして整理をしてほしいと。文部科学省はそれについて評価をするような能力や立場でありますかと聞いたら、そうではないということなので、じゃ、しっかりと集約するところまでは文科省が責任持ってください、それに基づいて保安院や安全委員会でしっかりと評価をしてください、そこの役割分担と自分の役割のところはしっかり責任を果たしてくださいという指示をいたしたところでございます。それが若干伝わり方が正確でなく伝わっている部分がございました。
 その上で、文部科学省においては、この間しっかりと、自らのみならず自分のところと関係する学校関係も含めて集約をしっかりとしていただき、その集約に基づいて、担当する機関がしっかりと評価をするということでやってきています。例えば、学校の校庭について、福島県の、これは文部科学省が集約した上で、ここは文部科学省の所管、直接でございますので、子供たちの安全ということで、評価も含めて文部科学省でやっていただいています。

○小野次郎君 もっとさらっとお答えいただいた方がいいと思うんですね。明らかに、この三月十六日のときに原子力安全・保安院の守備範囲を原発の敷地内やその周辺においてというふうにまで言ってしまったために、そこはちょっと誤解が生じたんじゃないですか。だって、その更に外側だけ文科省やるようにというふうに言っているから、この今日もらっている表だと、明らかに原子力保安院の取りまとめ、公表は敷地内だけになっていますよね。ここだけでも一言、さらっとでいいですけれども、混乱を生じた一因が官房長官の御指示なるものにあったんじゃないですかということを指摘させていただきます。併せて答えてください。
 それから、さっきの問いに戻りますけれども、国民の政府の発表に対する信頼を確保する見地からすれば、原発の敷地外はもちろんだけれども、事故が起きている、こんな重大な事故が起きているときには、やはり敷地内においても、政府側というか、行政機関側が責任を持って放射線量を計測して、かつ迅速に公表する仕組みを今すぐでもつくるべきではないですか。官房長官、お答え願います。

○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の趣旨は、前段については了解いたしましたが、敷地の周辺ということの意味は、正門のそばとかそういったことなどの意味をして申し上げたつもりでして、恐らくこれは関係者のところでは誤解はないんではないかというふうに思っておりますが、念のため確認をいたします。
 二十キロ圏内、今データ精査中となっておりますのは、ここは二十キロ圏内なので早い段階から必ずしもたくさんできていたわけではなくて、ある程度落ち着いた段階から、今回、警戒区域の設定もいたしましたが、そういったこと等を前提に、最近になってというか、当初からではなく、調査を文部科学省を中心にやっていただいているということで、これが精査中になっているということでございます。
 それから、後段についてでございますが、私は、本来の姿として原発の中についてのモニタリングを政府が直接行うべきではないかという考え方は、私は今回の事態も踏まえると、大変重い御提言として考えていかなければならないのではないかというふうに思っています。
 その上で、現状を直ちに変えるかどうかということについては、現に東京電力の所有する機器をもって実際にモニタリングをしていただいていると。そこに新たにモニタリングの機器を、国の所有の、しかも必ずしも量が多くないところを設置をして直接やることの意味が現実問題としてどれぐらいあるかということについては、若干考えなければいけないと。
 その上で、少なくとも今は保安院がしっかりと、東京電力のモニタリングしていることに間違い等がないかということについてかなり厳しくチェックをしておりますので、形式的には東京電力の調査と発表ということであっても、政府がしっかりとその確実性についてチェックを入れたものと受け止めていただければと思っております。

○小野次郎君 次に、経産省にお伺いしますが、実は、予算委員会で海江田大臣と、何度か聞いて、私から見ればかみ合っていないような回答をいただいている部分がございます。
 それは、中村幸一郎審議官はどういう理由で突然更迭されて、どこに配置転換されたのかという質問なんですが、予算委員会では、この議事録を読みますと、海江田大臣は、やはり保安院の発表というものは本当に国民に分かりやすくなければいけないわけでございますから、国民により分かりやすく事実を伝えられるということで今の審議官がやっているということでございますと言っていますけれども、多くの人が指摘しているのは、この更迭された、突然その夜にですよ、三月十二日の夜にどこかにいなくなっちゃった中村審議官はかなり早い時期から的確に事態を説明していたというふうに受け取られているんですよ。だから替えられたとするならば、それは非常に、官僚の肩を持つわけじゃないけれども、政府の対応がおかしいところもあるし、巷間伝えられているところは、その指示を出したのが、総理大臣あるいは枝野官房長官のラインからあいつ替えろという指示が来たというふうに流れているんですよ。これについてはどうなっているんですか。
 まず、中村審議官という方はどこへ行っちゃったのか、そこも含めて教えてください。

○大臣政務官(田嶋要君) 御報告を申し上げます。
 今回の事故発生当初は、保安院の広報につきまして、原子力安全分野における国際関係の業務等を担当している中村審議官が、おっしゃっていただいたとおり、担ってございました。事故の進展に伴いまして国際的な場で事故の説明が求められる機会が増加したことに伴いまして、中村審議官には本来の国際的な場での活動を担当させ、通常のプレス対応は西山審議官、この方は通商政策局でございますが、かつて保安院の課長でありました、に担当させることとしたものでございます。
 では中村審議官はどこへ行ってしまったのかということでございますが、本来の業務ということでございますので、配置転換あるいは更迭の事実はございません。中村審議官は国際会議等に出席をいたしておりまして、具体的には三つ大きなものがございました。三月二十日から二十二日、IAEA特別理事会後に各国に対して事故報告をウィーンで行っております。四月三日から七日は原子力安全条約第五回レビュー会合、そして、四月の十日から十二日はIAEA・BWR専門家ミッション総括会議に出席をしているところでございます。
 以上です。


○小野次郎君 私が最後に聞いた、その担当替えについては官邸筋から示唆なり指示なりがあったということについてはどうなんですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 中村審議官がどんな方なのか、私、顔と名前も一致をいたしません。
 それで、一般的に、この原発事故の当初、東京電力においても、それから保安院においても、記者会見のときに例えば準備していないことを尋ねられて若干うろたえた映像とかが流れていたのは私も拝見をしておりまして、ちゃんとそういうときには、今は資料がないからこれこれの形でしっかりと報告しますなどという、こういうことはちゃんとやらないといけないんではないかと、こういったことについては東電や保安院等について留意しないといけないねというようなことはいたしましたが、どなたがどうとかということについては、何しろどなたが誰なのかも把握を、その段階、しておりませんので、全くございません。

○小野次郎君 極めて失礼な言い方だと思いますね、その名前も顔も分からないけど、そういう一般的な指示はしたという言い方は。名前や顔を覚えるほどのクラスでないからということなんですか。


○国務大臣(枝野幸男君) この当初の初日、二日の段階でございますので、私も落ち着いて記者会見を見ている状況ではございません。しかしながら、例えば危機管理センターにおいてもいろんなテレビの報道等が流れております。保安院とか東電が記者会見をやっている場面で、手が空いていればそれを見たりしておりましたので、元々存じ上げている方ではありませんでしたし、それから、特にどなたのどの会見を特定してそういうことを申し上げたのではなくて、一般的に、記者さんから尋ねられて直ちに答えられないときに若干見方によっては右往左往をしているように見られている局面が幾つかあったので、ああいうことは留意しないといけないと、ちゃんと明確に、今は答えられないからちゃんと調べて答えますとお答えすればいいんじゃないかと、そういったことはちゃんと徹底した方がいいよということを申し上げたので、どなたかのどこかの場面を申し上げたのでもありません。

○小野次郎君 大体流れは分かりました。
 私から希望を申し上げるのは、経産省の方に是非、この中村さんについて不利益な扱いをしてもらいたいと思って問題提起しているんじゃないんで、逆ですから、先ほどの政務官のお答えが裏も表もなく正しい理由だとすれば、是非そういう方にとって不利益なことがないように確認をさせていただきたいと思います。
 次へ進みます。
 国民の信頼を失ってしまった原子力安全・保安院はもう解体した方がいいんじゃないかなと私は思うんですね。原子力に関してはもう安全確保、それだけの目的で検査とか安全評価だけに徹する機関に一本化した方がいいんじゃないかと思うんですが、これ経産省に聞いても自分のところの部局のことですからお答えできないと思うので、官房長官、こういう見方についてどうお考えですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 今回の原子力発電所事故という状況を踏まえて、原子力発電所の安全性のチェックあるいはそれに対する指導監督等についての在り方については抜本的な見直しが必要であろうというふうに思っております。
 ただ、現に今の体制の中で保安院もそれから安全委員会も、ここは今全力でやっていることは、これは間違いございません。
 という状況でもございますので、なおかつ、どういった形がでは望ましい形なのかということについては少し腰を落ち着けた議論も必要だというふうに思っておりますので、今の段階で出口のところについて何か申し上げられるという段階ではない。ただ、しっかりと今回の検証を踏まえて抜本的にゼロベースで検討する必要があるというふうに申し上げたいと思います。

○小野次郎君 ありがとうございます。
 今度、天下りの、度々これ挙げるのも恐縮なんですが、官房長官も、今回の東電顧問の方の自ら辞任申出というその前から社会通念というか一般常識から考えて許されないという趣旨のことをおっしゃっていたと思いますが、昨日海江田経済産業大臣も、一定範囲の天下りも望ましくないというような趣旨のことを会見でも言われているようですし、また官房長官もいろんな機会で、そういう今回のこの件だけじゃなくて、もうちょっと、一定の範囲の公益事業というんですかね、何か、ある範囲のものについては考え直すべきじゃないかとおっしゃっているようですが、私も、国民から疑念を持たれることがないように公益事業への官僚の天下りは制度的にもしないということを考えるべきではないかなと思うんですね。
 つまり、東電じゃなくて関電ならいいということにならないし、じゃ、ほかのガスとか何かだったらいいのかということにもなってくるんで、何らかの制度をつくるべきじゃないかと思うんですが、官房長官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(枝野幸男君) 一般的な意味として受け止めさせていただければ、今、小野議員のおっしゃられた考え方というのは私も同じような考えを持っております。ただ、ここは議員も十分御承知の上でお尋ねいただいているんだと思いますが、では、どこでどういう線の引き方をするのかということについてはかなりしっかりとした議論が必要であろうというふうに思っておりまして、その点について、こういう状況ですので、私自身もじっくりと今それについて検討ができている状況ではございません。
 ただ、今回のことを踏まえて、今の法律に基づく事後チェックをしっかり厳しくやると。あっせんがなかったか、そして再就職後に問題がないかという、この監視をしっかりと行うことと同時並行に、再就職そのものを事前抑止する範囲なりやり方なりについては私自身もしっかりと考えてみたいというふうに思いますし、これは最終的には法律の要ることだと思いますので、国会においても様々な御議論をいただければというふうに思っております。

○小野次郎君 真剣に御検討いただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、今日、色刷りの資料をもう一つお配りさせていただいています。
 最初に見ていただきたいのは発電所の写真が載っているやつでございまして、代表的な原発における汚染区分と汚染防護服・装備ということで、二枚目には、何というんですか、漫画というかフィギュアというか、なっています。こういうことで、それぞれのA、B1、B2、C、Dというのに従ってこんなふうに、施設内に入るときの服装というんでしょうか、そういうものも区別していますという典型的な例でございます。
 さて、四月の上旬、何日かにわたって調べていますから、ある日ある時間ではないんですが、この福島の放射能汚染レベルという紙の方を見ていただきたいんですけれども、大変深刻な状況になっています。いわき、郡山、福島、飯舘、浪江で調べてきたとなっていますが、新たな放出というのは三月の二十日か二十一日以降余り大きなものは計測されていないようですけれども、私もこの専門家ではありませんけれども、半減期の短い沃素ではなくてだんだんセシウムの方になってきまして、半減期が大変長いものになってきていますから、その四月入ってからの数値というのは、これ逆に言うと大変心配されるわけでございます、半減期長いものになってきているということで。
 で、その色分けが、御覧になっているとおり、ピンクのところが一か所、四か所については赤くなっています。赤くなっているということは、三月十一日以前の典型的な原発の施設でいえば、みんなこういう服装をして入らなきゃいけないというゾーンなんですね、こういう形の。それが今、福島県内でかなり広域の地点でそういう数字が出ているということでございます。
 私は、そういうことを踏まえて、もう一つ触れさせていただくのは、四月十六日に細野補佐官が放射線量を下げる土地改良をやるというようなことをテレビでおっしゃっているんです。どうやってやるんですかと聞かれたら、植物を植える方法や土を入れ替える方法もあるなどとおっしゃっているんですけれども、これは農水省が日ごろやっている土地改良なんかとは全然違う作業になると思うんです。
 つまり、あぜ道はどうするんだということもあるし、いわゆる生産するための農地の部分だけではなくて、普通の家の庭とか学校の校庭とかベランダとか、公園の砂場だとかどうするんですかということになるわけですね、同じ地域については面で考えなきゃいけなくなってきますから、大変長い闘いになると思うんです。
 その意味で、ここ二、三日、賠償の仕組みについてだんだん報道ベースですけど見えてきていますが、私は最後に、当該地域におられる方たちにとっての心の糧というのは、長期的にもし居住できない、あるいは農業その他経済活動ができないというような地域が生まれれば、その土地、建物、施設その他の資産というのは国が補償してくれる、あるいは買い上げてくれるということになるのかどうか、そこを一番聞きたいところだと思うんですが、これについて官房長官の御認識を伺います。

○国務大臣(枝野幸男君) まず、今政府としては、御希望、御要望もそれが一番だと思っておりますので、一刻も早く住み慣れた土地に戻って、従来の農業であったり畜産業であったり、あるいはその他の業に戻られると、そのことのために政府は万全を尽くしてほしいという御要望が一番強いと思っております。そして、政府としては何とかそれを早期に実現をするということを一番の目標に置いて今努力をしているところでございます。
 ただ、もちろん全ての地域についての土壌の汚染度というのは現時点では把握ができておりません。そして、これからどの程度更に放射性物質が放出されるかということにもかかわってまいります。しっかりと放射性物質を封じ込めた上で、その上で土地の状況等についてはしっかりと調査をしていかなければならないと思っています。
 その上でということになると思いますが、御指摘のようなことに万が一なった場合については、また住民の皆さんの御要望を踏まえた対応をしなければならないというふうに思っておりますが、まずは、多くの皆さんが帰りたい、戻りたいと強い御要望でございますので、それに何とかこたえられないかということを最優先に取り組ませていただきたいと思っております。

○小野次郎君 色物の方の資料のもう一枚残っているのがチェルノブイリ事故が残した汚染スポットというものですけれども、これは八六年の事故から九年後の九五年の資料ですけれども、それでも茶色になって見えている地域というのは、チェルノブイリから見ると数百キロ、四百キロから五百キロ離れたところにもそういうスポットが残っていると出ているんですね。放射能の量とすれば数分の一あるいは十分の一ぐらいなのかもしれませんけど、それでも相当長期に、かつ風向きその他、地形その他でこういうスポットが出てくる可能性はあるということを考えなきゃいけないので、この間もテレビで見ていて、福山官房副長官はそれは誠実な方だということは思っていますけど、今年一年作付け諦めてくださいみたいなことを言っていました、はっきりと。だけど、一年で済むかどうか言えるんですかと、はっきり言って。
 だから、政府というのはなるべく誠実に見せなきゃいけない、見せると言うと失礼ですけど、対応を取らなきゃいけない。でも、他方で最悪の事態も考えなきゃいけないので、それが年の暮れになって今年だけじゃないぞとなったときに、これまた内閣の特に中枢におられる方の発言というのはもう取り返し付かないことになってしまうわけで、そこは是非お気を付けいただきたいと思います。
 時間がなくなってきましたが、経産省に伺います。
 原子炉に対する大量注水、放水を実施した時点で汚染水を海洋投棄するということは当然予想されていたんじゃないかと私は思うんですが、予定していたのかどうか。また、今後も大量の注水、放水を継続すればどれぐらいの放射能汚染水の総量に達するのか、その見通しについてお伺いします。

○大臣政務官(田嶋要君) お答えいたします。
 今般の地震発生後に福島第一は外部電源喪失、その後の津波により交流電源を失ったということで、全ての冷却機能を喪失しました。このため、炉心の冷却等を最優先事項と位置付けて三月十二日から炉心への海水注入を開始したところでございますが、この時点では格納容器外に、すなわち建屋内に汚染された水が大量に漏出する事態に至るとは認識をしておりませんでした。しかしながら、結果としては格納容器外に水が漏出し、二号機のタービン建屋等に高濃度の汚水が滞留し、その一部が海水に漏れ出しました。この高濃度の汚水の移送先を確保するために、四月四日から緊急のやむを得ない措置として集中廃棄物処理施設にある低濃度の滞留水の海洋放出が実施されるに至ったわけでございます。ちなみに、約一万トンを放出をしたという状況でございます。
 そして、じゃ、今後のことでございますが、今後も注水、放水、これは、注水というのは一号から三号、そして四号はいわゆるキリンによる放水ということでございますが、これは継続をしてまいります。
 そして、予想される放射能汚染水の総量、これは要するに高濃度ということでございますが、その数字といたしましては、現時点では一号から三号の合計で約七万トンございます。そして、その七万トンはこれからも少しずつは増えていくというふうに、それはもちろん放水、注水をしてございますので。でございますが、大体七万トンということで、それをどのようにするかということを今後考えていかなければいけない。先ほど申しました集中廃棄物処理建屋を空っぽにいたしましたので、そちらに一万二千トン、おとといから移送をスタートしておるところでございます。
 また、今後は、放射能処理装置というものを使いまして、より高濃度と低濃度に分離をするということで、もっと濃縮度を上げながら低濃度を作っていくという動作、あるいは貯蔵タンクを建設し高濃度汚染水を処理、貯蔵していく予定でございます。あと、メガフロートは容量約一万トンでございますが、これは低レベルの汚染水を貯蔵するために使っていく予定です。
 以上です。

○小野次郎君 低濃度とか高濃度といったって、太平洋に流せばそれは希釈しているというだけであって、私は余り大きな差にはならないんじゃないかと思うんですけれども。
 官房長官にお伺いします。
 この放射能汚染水の海洋投棄というのは、将来にわたって海洋汚染を招くし、国内の自然環境はもとより世界中の国々に汚染を拡大させるものであり、私はやめるべきだと思いますけれども、官房長官の御認識を伺います。

○国務大臣(枝野幸男君) 海洋に汚染水が流れるということは避けたい、避けなければいけない事態だというふうに思っております。今回、一時期放水をいたしましたことは、相対的により大量の放射性物質が流出をさせることを食い止めるためのやむを得ない措置でございましたが、同時進行で漏れて海に流れていた高濃度の部分を止水する措置等も進めました。まだほかにどこかから海に漏れているところがないかどうかということは更に常に緊張感を持って見ていかなければいけないと思っておりますが、先ほど政務官から御説明申し上げたようなやり方で、水についてしっかりと海に出さないでキープをするということについて更に努力をしてまいりたい。そして、海洋、環境、周辺国、漁業者の皆さん等にこれ以上の御迷惑を掛けないように努力をしてまいりたいというふうに思っております。

○小野次郎君 今日は実は脱原発依存、その工夫として環境省にもお越しいただいて、官民挙げてそれに取り組んでいこうという話を議論させていただこうと思いましたけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、その辺は今日は申し訳ありませんが、お呼びしたのに質問できなくて恐縮ですけれども、私の質問を終わります。