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ゴールッドバッハ予想を証明しちゃった霊界探査人
 fool man! vs Goldbach
 


本当に実話!

 あれは2003年頃だろうか・・・Yahoo掲示板での話である。さる一級建築士の方で、霊界に訪問し、霊界の人とコミュニケーションがとれるという人がいた。

 「知識はないが知恵がある」が口癖だ。

 さて、彼が言うには、霊界の科学は進んでいるそうだ。

 そして彼は、多くの人に認めてもらいたいらしいし、検証にもお付き合いしたいと主張する。

 そこで私は、彼の主張を手っ取りばやく世間に認めさせ、科学者も振りむくような素晴らしい方法を提案してあげた。

 つまり、霊界から、真偽の確定ができるような、新しい知識を持ち帰ればよい、と。

 よくよく考えると、チャネラーやコンタクティには次のような問題がおすすめである、とカール・セーガンはおっしゃっていた。

 1.簡単な質問である
 2.人類が回答を知らない
 3.正解がくれば正解だと判るような質問

 だが、そんな都合のよい質問があるか?

 ある

 たとえば、
   324841484444444448577989633325412587998785412334515235479546132335
 という巨大な数字を素因数分解してもらう、というのも手だ。

 しかし、不幸にも「知識はないが知恵がある」が口癖の霊界探査人は・・・長い数字を覚えられないという。

 単に努力の放棄だと思うが、他の問題を提出してあげた。

 フェルマーの最終定理が陥落した21世紀、次の魔力あふれる未証明な予想がよかろう。

 しかしリーマン予想は、命題の意味そのものが理解できそうにないので、ゴールド・バッハ予想を提案した。

 命題:4以上の偶数は二つの素数の和である

 という死ぬほど簡単な命題だ。

 6=3+3、8=3+5、10=3+7、12=5+7、14=3+11・・・52=5+47
 計算の結果50兆以上でもずっと成立していることが判っているのに証明ができない怪物である。

 解析学の権化といわれたレオンハルト・オイラーが「全く手のつけようがない」と匙を投げたほどである。

 回答が得られようが得られまいがいいから、ぜひ科学がすすんでいるという霊界の、そこの人々に質問して欲しいことがあると頼んだ。

 もちろん本当の証明が得られれば、凄いことだし、得られなくても、霊界を訪問している主張が否定されるわけではないので、とりあえずアッチにいったらぜひ話を聞いてきて欲しい、という主旨で提案した。

 隠された意図

 この質問には隠された意図があった。というのもチャネラーさんとかそいう人は、チンプな主張には答えてくれるが、こういう質問は無視する傾向にあり、自己欺瞞に満ちたその手の人は、おそらくこういった質問をする行為そのものを拒否するのではないか、という私の仮説があり、それを確認するために、どんなものであれ答えを持ち帰るかを聞きたかったのである。

 さて本題に戻ろう。

 ところが、だ。
 
 一級建築士殿は、「素数」ってなんでしたっけ?な有様である。

 だが、私は提案者の誠意として、彼に勉強を教えてあげた。

 さあ、命題の意味がわかったぞ。いざ霊界のガウスを探して訊いてくれ〜!
 回答が得られなくても。貴方の評価には影響しないから、とりあえず返事をもらってください!と。 

 だが、一級建築士殿は、ゴールドバッハ予想に虚栄心をくすぐられてしまったようだ。

 あろうことか、我々の努力をドブにすて、

 私には知識はないが知恵がある
 だから、専門家にはない視点から証明できるのではないか?


 などと言い出し、自分で証明しようとしだした。

 我々は怒った。何のために勉強を教えてあげたと思うのか?
 自分で証明したければ誰にも知られずに一人でやれ!
 あなたの役目は霊界とやらで、ゴールドバッハ予想の証明について質問し、お返事を正確に持って帰ることだ、と。

 だが、彼は 「証明を第三者に訊けとは情けない!自分の頭をつかいなさい!」などと詭弁を労し、というか誰がどうみても逆ギレし、掲示板上でゴ−ルドバッハ予想の証明に取り組みだしたのだ。

 素数を知らなかった50男がである。

 何しろ自分で100以下の素数すら抽出しようとしなかったりで、努力しない。彼は真理の伝道者気取りであるからして、ろくすっぽ手間をかけなないでも人類史的な発見をできると確信している。それでも自分は知恵があるからこそ真理に接近しているなどと思いあがるわけである。
 
 これは己を甘やかして生きた50年のツケである。

 悪意はない、自己欺瞞があるだけだ。
 善良であって、それゆえに質が悪い。
 まるで水の結晶が美しいからこそ、醜悪さが際立つように。

 そして一週間。

 彼はゴールドバッハ予想を証明した・・・という。
 
 しかし、私は3分で見抜いてしまった。

 彼が証明しようとしたものが・・・

 「全ての偶数は二つの奇数の和である」ということでしかないということを・・・

 おしまい

 ※本当の本当に実話


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